実家の畑。
夏には背丈ほどに草が茂り、人の気配をすっかり忘れてしまうような場所。
思い切って草を刈り払い、ぽっかりと空いたスペースにテントとタープを張ってみた。
そこに生まれたのは、自分だけの小さな「縄文の村」。
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1日目 ― 夜の不安と虫の声
テントに一人で入る夜。
最初は正直、怖かった。
外から聞こえる音が何なのか分からず、ざわざわする心。
けれど耳を澄ませると、そこに広がっていたのは虫の声の大合唱だった。
その声に包まれていると、不思議と体が自然に溶け込んでいくような感覚。
怖さよりも「自然の一部である安心感」がじわじわと広がっていった。
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2日目 ― 雨と蒸し暑さ
翌日は雨。
タープを叩く雨音、湿った空気。
体にまとわりつく蒸し暑さに、ちょっと寝苦しさもあった。
でもその中で、「雨の日の自然はこんなにも近いんだ」と体で学ぶことができた。
畑に張ったテントは、まるで自然と共に生きる練習場のようだった。
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3日目 ― 秋の風と調和
そして今日。
雨は上がり、空気はからりと乾き、秋の気配を感じる爽やかさ。
汗をかくこともなく、虫の声と共に眠れる心地よさ。
夜、テントに横たわっていると、不思議な感覚に包まれる。
心に何かが降りてくるのだ。
「ああ、自分はこうなりたいんだ」
「こう生きたいんだ」
「今の自分はこんなふうなんだ」
言葉にならない本当の気持ちが、自然と浮かび上がってくる。
まるで自然と魂が共鳴しているかのように。
その声は時に優しく、時に力強く響いてくる。
耳ではなく、心で聴く声。
「楽しい」「嬉しい」という波動が、自分の内側から泉のように湧き上がる。
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高次脳縄文の村のイメージ
この体験は、ただのソロキャンプではない。
高次脳機能障害を持つ自分が、「自然と共に生きる感覚」を思い出す時間だった。
縄文の人々も、こうやって自然と共に眠り、目覚め、暮らしていたのだろう。
火を囲み、空を見上げ、虫の声や風の音に包まれて。
自然の中で静かに眠ると、魂の声が聴こえる。
それは自分自身とつながる時間であり、宇宙とつながる時間でもある。
「高次脳縄文の村」ができたら――
それはきっと、安心と一体感を分かち合い、魂の声に耳を澄ませることのできる場所になるだろう。
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🌿自然と共に過ごした3日間。
怖さは「安心」に、孤独は「自然との一体感」に変わっていった。
そして夜の静けさの中で、自分の本当の声を聴くことができた。
小さな畑から始まる「魂の村づくり」。
それは、心の奥に眠っていた夢を呼び覚ます第一歩なのだ。


