鏡の法則 〜恋人と弟が教えてくれたこと〜

ある夜、キャンプの焚き火の前で、ふと昔のことを思い出しました。
初めて人から強く責められた日のことです。

それは、大好きだった恋人との出来事でした。
「どうしてこうしてくれなかったの?」
「なんでできないの?」
次々と投げかけられる言葉。僕は言い返すこともできず、ただ黙って受け止めるしかありませんでした。

あのとき胸に広がったのは、不安と無力感。
「僕は認められていないんじゃないか…」
そんな思いが、心を覆っていました。


鏡の中に映っていたのは

焚き火を見つめながら、はっとしました。
あの恋人の言葉は、実は僕自身が弟に向けていた言葉だったのかもしれない、と。

弟はアスペルガーで、生きることそのものが大変です。
人が5分でできる作業を、1時間、2時間かけてやっている。
一瞬一瞬が精一杯で、毎日が挑戦の連続。

そんな弟に、僕はよく言っていました。
「なんでやらないんだ」
「なんでできないんだ」

あの恋人の責める言葉は、僕が弟にぶつけていた言葉の“鏡”だったのです。


本当は認められたかった

気づいたとき、胸の奥から言葉がこぼれました。
「僕は認められたかったんだ」

恋人に。
家族に。
そして、弟にさえ。

実は弟も、同じように「認められたい」と思っていたはずです。
僕と弟は、障害の種類も結果も違うけれど、同じように「必死に生きる毎日」を送っている仲間なのだと、ようやく気づきました。


魂レベルの学び

ここ2〜3日、僕は弟の長い話を最後まで聞くようにしています。
以前なら「長いな」と思って途中で遮っていたかもしれません。
でも今は違います。

弟の話を聞くことは、僕自身の声を受け入れること。
弟に優しく接することは、僕自身に優しく接すること。

それが「鏡の法則」なんだと、実感しています。


鏡の中のメッセージ

人は、相手に優しくされたいと思うもの。
でも、その願いを叶える第一歩は「自分から優しさを与えること」でした。

「弟も頑張ってるね」
「僕も頑張ってるね」

そう声をかけるたびに、鏡の中の景色が変わっていくような気がします。


おわりに

僕はこれからも、弟に、そして自分自身に優しく接していきたい。
それが、鏡の法則に気づかせてもらった大切な学びだからです。

鏡に映るのは、ただの相手ではなく、僕自身の心。
優しさを与えれば、優しさが返ってくる。

そんな単純で、でも深い真実を、僕はようやく体験できた気がします。


✨「あなたの目の前にいる“鏡”は、どんな自分を映していますか?」