「身近なものに、もっと感謝しよう」
そんな思いが、ふと心に浮かんだのは、昨日のことだった。
奥さんに、感謝。
娘がいてくれるだけで、感謝。
弟がそばにいてくれて、感謝。
そして、今この家に住めていることに感謝。
静かな朝、お風呂に入り、ミストシャワーを浴びながらリラックスできたこと。
…それだけで、心の中にじんわりと幸せが広がった。
「これって、昔の自分だな」と思った。
日常の何気ないことに、幸せを感じていた頃の僕。
そして、今まさにそういう感性を持っているのが奥さん。
小さなことを愛おしみ、大切に味わっている。
僕の大切な友人、女神さんも同じだった。
小さな自然や優しさに、涙が出るほど感動していた。
でも僕はというと――
気づけば“戦うための心”を育ててしまっていた。
鎧をまとい、氷のように心を固めて、困難を乗り越える毎日。
そうしなければ、生き残れなかったからだ。
でも、今。
その鎧を、そっと脱ぐときが来ている気がする。
固く凍っていた心を、少しずつ溶かして、
「本来の自分」に戻っていく時間なのかもしれない。
僕のこのゴージノの頭――
高次脳機能障害というダメージを負った脳で、
本当にがんばってきたと思う。
だからこそ、これからはもっと、
“自分自身をいたわる”ことを大切にしたい。
社会的には、家の着工数が減少している今。
それでも東京支店は多忙で、僕が担当している図面審査の仕事は特にハード。
法律が変わったことで、以前の1.5倍以上の量とプレッシャーがのしかかってきた。
それでも――
**「感謝しています」**と言霊で唱え続けていたら、
なんと上司から、心にしみるような温かいメッセージをいただいた。
感謝の波は、巡り巡って、必ず自分に戻ってくる。
それを体験として実感できた。
だから、これからも。
たとえアップアップの毎日でも、
心の奥でそっと「感謝しています」と言葉を響かせよう。
それが、自分を守り、癒し、
そして世界を変えていく魔法なのかもしれないから。
