「チャンス!」と叫んだ5月のある日 〜心の目で自分を見つめて〜


朝、ふと目を覚ました瞬間、ひとつ思い出した。


「あ、今日は次長がお休みだったんだ。」


予定していた依頼先を変えなきゃいけない。

そう気づいた途端、心の中で小さくため息。


「うーん…ちょっと面倒かも。」


でもそのとき、すぐに自分に言った。


「よし、チャンスだ!」


そう口にしただけで、なんだか心がふっと軽くなった。

思ったよりずっと簡単にできた。

「大変そう」と思ってたのは、ただの思い込みだったのかもしれない。


午後。

空は少しあれ模様。

今日は苗を取りに行く日。


この前は日曜日でお店が休みだったから、今日こそはと思ってたけど、

やっぱりちょっと不安になる。


ちゃんと積めるかな?

道に迷わないかな?

運んだ苗はどこに置こう? ビニールハウス? それとも物置?


そんな小さな不安がぽこぽこと湧いてくる。


僕は高次脳機能障害があるから、「初めてのこと」にはとても大きなストレスがかかる。

わかっていても、不安になるのは仕方ない。


でも、だからこそ言葉の力を使うんだ。


「チャンス!」


声に出すたびに、不思議と勇気が湧いてくる。

「大丈夫、なんとかなるさ」と、心が微笑みはじめる。


昨日、ほんの少し田んぼの仕事をしただけなのに、体はぐったり。

でも、それだってチャンス。


「疲れるくらい、ちゃんと動けたんだ。」

そう思えば、少し誇らしくもなる。


そしてふと、こんな言葉が浮かんだ。


「心の目で、自分を見る。」


今日の僕は、どんな気持ちだった?

本当は、何を大切にしたかった?

どんな自分でいたかった?


そんなふうに、静かに自分と向き合ってみた。


寒かったから、布団をたくさんかけて、しばらくゴロゴロ。

「もうちょっと寝たいなぁ」と思いながら、

それでもやっぱり──


「チャンス!」

そう叫んで、午前中だけでも頑張ってみることにした。


朝は、いつものように8つの劇文を読み上げてスタート。

声に出すことで、心が整っていく。


そして今日は、いつもよりほんの少し──


「闘志を燃やしてみた。」


未来の自分のために、心の火をそっと灯した。



今日のあなたは、どんな“チャンス”に出会いましたか?

よかったら、そっと教えてくださいね。