【過去の癒し 08】

言えなかった本音も、魂の修行だった。そして、今こそ“チャンス”。

ずっと言えなかった言葉がある。
それは──「僕は障害を抱えています」ということ。

仕事や日常生活の中で、小学生でもしないようなミスをしてしまう。
必死に注意して、集中して、それでも…キャパオーバーになると感情も制御できず、怒りっぽくなってしまう。

「でもそれは、障害のせいだった」

本当は、そう言いたかった。
でも言えなかった。

「言っても理解されないだろう」
そう思ったから。


もし、当時の僕がその言葉を口にできていたら──
僕のことを心の目で見てくれる人が、もっと増えていたかもしれない。

言えなかったことで、心に残ったのは、“理解されない寂しさ”と、“虚しさ”。
そして気づいた。

「同じように見えない障害を抱えている人は、どれだけの思いを抱えて生きているんだろう」

今なら少し、弟のことも理解できる。
心に余裕がなかった頃には見えなかった優しさを、今は感じ取れるようになった。


34年間、僕はずっと「本音」を隠して生きてきた。
笑っていたけど、心では叫んでいた。

「もう無理だよ」「誰か分かってくれよ」

でも、言えなかった。
理解されないと思っていたから。
だから、一人でもやるしかなかった。

それでも──

「どんな困難も一人で乗り越えてきた」

それは、僕の強さであり、魂の力だった。


本音を出すと、壊れてしまうと思っていた関係も、
今振り返ると、表面的なつながりに過ぎなかった。
壊れてもいい。
本当のつながりは、壊れないから。


ついに僕は限界を迎えた。
障害の後遺症、積み重なる無理。
でもそれは──

「もう頑張らなくていいよ」
という、神様からのメッセージだった。


今の僕から、過去の僕へ。

「よく頑張ったね。本当にすごいよ」
「あなたは最高な人です」

本音を隠して生き抜いてきたからこそ、今の自分がある。
人の心が分かる。
優しさがある。
愛がある。


言葉にできなかった感謝。
見落としていた優しさに、今ならこう言える。

「ありがとう」「ごめんね」「愛してる」


本音とは──

「あるがままに生きる」こと。
「自分の心に寄り添うこと」

魂はネガティブじゃない。
困難を跳ね返す、すごく強い魂なんだと、僕は思う。


僕は今も、人を心で見ることができる。
良いところに目がいく。
優しい言葉がかけられる。
障害を越えて、人間味と愛の深さを育んできた。


そして、今「言えない想い」を抱えているあなたへ。

「本当にその気持ち、よくわかります」
「でも、壊れるまで頑張らなくていい」

時には「助けて」って言っていい。
本当の気持ちを言ってもいい。

「それが“チャンス”なんです」

苦しい時こそ、「チャンス!」って叫んでみて。
笑えるから。
不思議と、心が少し軽くなるから。


最近の僕は、“チャンス”の連続です。
本当に笑えるんです。
だからあなたにも、この言葉を贈ります。

「チャンス!」


言えなかった言葉も、隠してきた本音も、すべては“愛に気づく修行”だった。
そして今、あなたは「ほんとうの自分」へ、静かに帰ってきている。