「わかってもらえない痛み」を生きてきた僕より


ねぇ、君は今、どんな気持ちでこのページを開いたのだろう。

痛みの中で、ひとりぼっちだと感じているのかな。

声にならない悲しみを、胸の奥に抱えているのかな。


わかるよ。

僕もずっとそうだったから。


僕は「高次脳機能障害」がある。けれど、そのことを誰にも話せずに34年間を生きてきた。

親にさえ言わなかったのは、心配をかけたくなかったから。

親しい友人に話したこともあったけれど、「そんな風には全然見えないよ」と返された。

その言葉に何度も心が砕けそうになった。


ミスをしてしまうのも、集中力が持たないのも、感情がうまくコントロールできないのも、

すべて「自分のせい」だと思われてしまう。

説明しても伝わらない。だから、僕はいつも黙っていた。


でも、本当はずっともがいていた。

まるで真っ暗な深海で、息もできないままバタバタと水面を探しているような、

そんな感覚だった。


信頼や友情が、障害のせいで崩れていった時もあった。

それは、本当に虚しかった。

自分が築いてきた人生そのもの、アイデンティティが音を立てて崩れていくようだった。


「このまま誰にも理解されずに死んでいくのかな」

そんな風に思ったこともある。

でも――

それでも僕は、生きることを選んだ。


記憶がすぐに消えてしまうから、毎日、何時間もかけて日常の準備をした。

直感や想像力に頼って、視線の角度一つで記憶が飛んでしまう脳と向き合いながら、

一瞬一瞬を全力で生きる。

そうやって僕は、普通の人の10倍くらいの濃さで生きてきた。


他人に理解されないことは、やっぱり今でも苦しい。

でも今ならこう言える。


「僕は、他人には見えない場所で、毎日、魂の修行のようなことをしていたんだ。」


この文章は、誰か特定の人に向けたものじゃない。

もしかしたら――僕自身に向けたメッセージなのかもしれない。


「あなたは素晴らしい人間です」

「本当に強く、たくましく生きてきました」

「よく頑張ってくれたね」


そんな風に、心から自分を抱きしめてあげたい。


そして、もしこの言葉が君の心にも触れるなら、

君にも伝えたい。


君もまた、見えない場所で頑張っている

君もまた、誰にも見えない戦いを、毎日している


僕は、君の存在に、心からの敬意を送りたい。