魂のまなざし ― 命が宿る目


自然を見たとき、

子どもの笑顔にふれたとき、

やっぱり「笑顔」が好きなんだと思う。

その瞬間、心がふるえて、

世界がやさしくほどけていく。


「目が輝いてるね」

そう言われたのは、きっと希望に満ちていた時。

何かに向かって、まっすぐでいたとき。

あの頃の私は、

魂ごと前を向いていた。


誰かの目を見て、

そこに“命”を感じたことがある。

目が躍動している──

ただの黒目じゃない。

まるで生き物がすいすい泳いでるようで、

魂がそのままそこに宿っているみたいだった。


じゃあ、私の目は?

感動しているとき、

たぶん私は「魂そのものの目」になっている。

何かを感じきっているとき、

目に言葉じゃないものが宿る。


そして、私のまなざしが

誰かをふっと軽くしたことがあった。

笑顔でいれば、相手も明るくなる。

そんな時、私は思うんだ──

まなざしって、

言葉よりも先に届くものなんだって。