~サブタイトル:素直な言葉は、後悔しない魔法~
人生の終わりが近づいたとき、心に残るのは、
何を手に入れたかではなく、
**「誰とどう向き合い、どんな言葉を交わしたか」**なのかもしれません。
今回のテーマは、**「素直な一言の大切さ」**です。
とてもシンプルだけれど、とても難しい――
「ありがとう」「ごめんね」という言葉について、
僕自身の経験を交えて考えてみたいと思います。
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言えなかった言葉のこと
正直に言うと、僕には
「もっと素直に謝ればよかった」
「もっと感謝を伝えたかった」
そんな思いを残している相手が、たくさんいます。
友達、奥さん、親友、そして出会ってきた第三者たち――
高次脳機能障害を抱えてから、相手の気持ちにうまく寄り添えなかった場面も多くありました。
今思えば、「あの時、ちゃんと一言言えていたら」と思うことも少なくありません。
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言えないのは、“怖さ”があるから
今でこそ、いろいろなことを学び、感謝の気持ちが持てるようになりました。
でも当時は、ただ「ごめんね」と言えば済むことなのに、
つい言い訳をしてしまったり、自分の正しさを手放せなかったり…。
「謝ったら負け」
「誤解されたくない」
そんな小さなプライドが、言葉を閉じ込めてしまうことが多かったんです。
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鏡の法則と、許しの視点から
最近は、相手の行動や言葉に傷ついたとき、
**「これは鏡かもしれない」**と、自分の心を見つめ直すことが増えました。
相手からひどい言葉を受けた時、
「これは自分にも何か気づきがあるサインかもしれない」
そう思えるようになると、少しだけ心が軽くなります。
とはいえ、「自分が悪くない」と思うことも、正直あります。
そんなときは、無理に謝らなくてもいい。
ただ、心の中で「ありがとう」「ごめんね」と念じるだけでも、十分だと感じています。
あえて言葉にしなくても、
静かに離れること、距離を取ること、見守ることもまた、
ひとつの“愛のかたち”なのかもしれません。
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あなたへの問いかけ
1. 今、「ありがとう」「ごめんね」と伝えたい人は誰ですか?
2. 言葉にするのが怖いのは、どんな気持ちがあるからですか?
3. たった一言で、誰かの心が変わった経験はありませんか?
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まとめに代えて
人間関係はとても複雑で、どちらが正しいかなんて、はっきり言えることは少ない。
でも、「ありがとう」「ごめんね」と心から思えたとき、
自分の中にある何かがふわっと軽くなるのを、僕は何度も感じてきました。
言えなかった言葉も、今からでも間に合う。
そして、言わなくても、心で思うだけでもきっと届いている。
それが、素直な言葉の魔法――
後悔しないために、大切にしたい魔法です。
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次回:第4回「失敗を恐れて挑戦しなかったことが一番の失敗」 ~飛べなかった理由は何だった?~ に続きます。
