【タイトル】

梨泰院クラス
マ・ヒョニのように「ほんとうの自分」で生きるということ
―34年の沈黙を越えた、高次脳機能障害の告白と重ねて―


梨泰院クラスという物語の中で、
僕が一番静かに、でも強く心を動かされたのが
マ・ヒョニという人物の存在でした。

トランスジェンダーとして生きるヒョニは、
最初は自分を隠し、笑顔の裏に本当の想いを押し込めていました。
誰にも理解されない苦しさ。
名前や見た目では分からない“本当の自分”を、
どこにも出せないまま生きてきた彼女。

その姿は、まるで34年間、高次脳機能障害を隠し続けてきた僕自身のようでした。


【1章】「誰にも言えなかった」苦しみの中で生きてきた

マ・ヒョニは、自分の性自認を隠しながら働いていました。
人にどう見られるかを気にしながら、
“普通のふり”をしながら、
どこか怯えながら生きていた。

僕も、高次脳機能障害を負った
17歳のあの日から、
「障害者になりたくない」
と強く思っていました。

忘れてしまう。うまく話せない。
パニックになる。言葉がつながらない。

でも、そんな自分を知られたら、
“普通じゃない”と見られるのが怖くて、
34年間、誰にも言えなかった。

ヒョニが「実は私は…」と打ち明けるまでの心の重さは、
僕にとっては痛いほど分かることだった。


【2章】本当の自分で生きることの怖さと、希望

ヒョニは仲間の中で少しずつ、自分を出し始めます。
でもそのたびに、心の中では震えていたと思う。

「拒絶されたらどうしよう」
「嫌われたら、もう戻れない」

その不安を乗り越えて、
ある日、彼女は**「私は女よ」**と声を上げます。

あの場面は、
何度見ても涙が出てしまいます。

それは、僕が34年の沈黙を破って、
「実は僕は高次脳機能障害を持っています」と告白した時の感情と重なるから。

怖かった。
でも、それでも、
**「本当の自分を知ってほしかった」**んです。


【3章】偏見を超えて、仲間がいてくれる奇跡

ヒョニが自分をさらけ出したあと、
セロイたちは彼女を受け入れます。

「お前はお前だ」
「それがどうした?」

その言葉に、彼女の涙が溢れたように、
僕もまた、告白したあと、
「それでも応援してるよ」と言ってくれた人たちの言葉に、
心の奥があたたかく震えました。

「自分を認めてくれる人は、必ずいる」

その経験は、魂をまるごと包み込むようなやさしさでした。


【4章】“自分を愛する”という生き方のはじまり

ヒョニは、「人からどう思われるか」ではなく、
「自分が自分をどう思うか」で生き始めた。

僕もまた、障害を隠していた頃は、
「ちゃんと見られたい」「できる人と思われたい」
という“外の声”にしばられていた。

でも、自分をさらけ出したあと、
やっと“自分の中の声”を大切にできるようになった。

それは、
生き直しでもあり、魂の再誕生だった。


【5章】ヒョニと僕が教えてくれる
「ほんとうの強さ」

ヒョニは、誰よりも“繊細な存在”だったけれど、
誰よりも“勇気ある人”だった。

自分を認めるって、
誰かを説得するより、何倍も難しい。

でも、自分を認められたとき、
人生は、ようやく**“ほんとうの旅”**を始める。

それは僕の人生にも同じことが言える。

障害を受け入れ、
隠していたものを“光”に出したとき、
僕の魂は初めて「自由」になれた気がしたんです。


【終章】「そのままで、あなたは素晴らしい」

マ・ヒョニという存在は、
見た目や名前だけでは測れない“人の内面”を教えてくれる存在。

僕もまた、見た目には分からない障害を抱えながら、
でも確かにこの世界に“存在している意味”を感じて生きている。

だから今、こう伝えたい。

「本当のあなたで生きていい」
「障害があっても、魂は完全な存在なんだ」
「隠してきたことに、あなたの優しさがある」

ヒョニと僕、
そしてこの記事を読んでくれている“あなた”にも、
この言葉を贈ります。

そのままで、あなたは素晴らしい。