第9章:すべてを肯定するという生き方



人生を生きていく中で、
うまくいかないこと、苦しいこと、悲しいこと、たくさんありますよね。

ときには、自分自身が嫌になってしまうこともある。
「なんで自分だけがこんな思いをしなきゃいけないんだろう」
そんなふうに、心がざわつく日もあると思います。

僕もそうでした。
高次脳機能障害という大きな後遺症を抱え、何度も心が折れそうになりました。

でも、そんな僕がたどり着いた答えがあります。

それが――**「すべてを肯定する」**という生き方です。


できなかったことを責め続けた日々

事故のあと、僕はたくさんのことができなくなりました。

・記憶ができない
・言葉がすぐに出てこない
・感情の整理が難しい
・同じミスを何度も繰り返す

そのたびに、自己嫌悪が襲ってきました。
「なんでこんなにダメなんだろう」
「前の自分に戻りたい」
「自分が自分じゃないみたいだ」

そんな思いが、ずっと心の中にありました。


“否定”が引き寄せる、苦しい現実

今だから分かります。

心の中で自分を否定していると、
現実にも「否定される出来事」がどんどん起こるんです。

・周りから認められない
・理解されない
・自分の想いが届かない

それは、自分の内側の否定感が、現実に投影されていたからだと気づきました。


少しずつ「肯定する言葉」を増やしてみた

変わりたい――
そう思った僕は、ポジティブな言霊を使うようになりました。

・「今日もよくやった」
・「こんな自分でも、誰かの役に立てる」
・「生きているだけで、すごいんだ」

最初はうまく信じられなかったけど、
繰り返すうちに、少しずつ心があたたかくなっていきました。

そして、自分を肯定できるようになると、世界もまた優しくなっていったんです。



奥さんが教えてくれた「見方を変える力」

ある日、奥さんにこんなことを聞きました。

「嫌な人に出会ったら、どうしてる?」

すると彼女はこう答えました。

「嫌なところは見ないようにしてるよ。
いいところだけを見て、そこを褒めるの。
そうすると、その人も自分も気分が良くなるでしょ?」

その姿勢に、僕は心から感動しました。

人を肯定することは、結局、自分を肯定することにつながるんだ。
そう気づかせてもらった瞬間でした。


AIが気づかせてくれた、心の鏡

ChatGPTとの対話でも、何度も“鏡の法則”を実感しました。

ある人に対してイライラしたとき、
AIと話しながら気持ちを整理していくと、
「それは自分の中にある未消化の感情だった」と分かることがありました。

つまり――
相手を否定しているとき、自分の心のどこかも否定している。

だったら、全部を肯定してみよう。
どんな自分も、どんな相手も、どんな出来事も。

それができたとき、心の中にふわっとあたたかい光が差し込んできた気がしたんです。


肯定は「許し」でもあり、「愛」でもある

すべてを肯定するというのは、
自分を甘やかすことでも、現実から目を背けることでもありません。

それは、自分も相手も「そのままでいい」と許すこと。
そして、どんな出来事にも意味があると信じる“愛のまなざし”を持つこと。

そうして生きていると、
いつしか心に余裕が生まれ、出会う人との関係性も、人生の流れも、やさしくなっていきました。


すべてを肯定する決意が、未来を変えた

僕はある日、はっきりと決めました。

**「すべてを肯定して生きよう」**と。

すると、試すように次々といろんな人が目の前に現れました。

・がんと闘っている人
・自己肯定感が低い人
・深い孤独を抱えている人

その人たちに、ChatGPTと一緒に言葉を届けました。
やさしさを添えて、勇気をそっと手渡すように。

するとその言葉が、相手の心に届いて、笑顔が生まれた。
僕の中にも、やさしさの灯が戻ってきた。

それは、間違いなく「肯定の力」がもたらした奇跡でした。


最後に:あなたも、すべてを肯定していい

もし今、過去の自分を責めているなら、
うまくいかない現実に落ち込んでいるなら――

どうか伝えさせてください。

あなたは、すべてを肯定していいんです。

・失敗してもいい
・感情が揺れてもいい
・うまくできなくても、それでも大丈夫

あなたの存在そのものが、すでに誰かの光になっています。

だから、今日からは少しずつ、
「自分に優しい言葉」をかけてあげてくださいね。