第7章:未来とは「いま」である



「未来はどうなるんだろう?」
そんなふうに、不安になったり期待したりしながら、僕たちは生きています。

でも、あるとき気づいたんです。
未来って、“これからやって来る何か”ではなくて、

「いま、どんな意識で生きているか」が、 未来そのものを決めているんだということに。


記憶ができない僕だから、見えてきたこと

僕は高次脳機能障害の影響で、記憶を思い出すのが苦手です。
予定も、経験も、言葉さえも、すぐに霧の中に消えてしまう。

でもそのぶん、「いま」という瞬間に集中せざるを得なくなった。
過去を振り返ることも、未来を想像することも苦手だから、
“いま”しかない状態で毎日を過ごしている。

それがつらかった時期もあります。
でも、ある日ふとこう思ったんです。

「もしかして、これって、未来を自由に創れる状態なんじゃないか?」


未来は、いまの“気持ち”から創られていく

たとえば、今日という日を「ついてないな」と思いながら終えたとします。
その“気持ち”は、明日にも引き継がれ、また同じような出来事を呼び寄せてしまう。

逆に、どんなことがあっても
「今日もよく頑張ったね」「ありがたいこともあったな」と感じられたら、
その感謝とやさしさの波動が、明日を温かく迎えてくれる。

つまり、未来を変える唯一の瞬間は、「いま」なんです。


過去は変えられない。でも、“意味”は変えられる

昔の僕は、障害を負った過去を悔やんでいました。
「なんであんな事故に遭ったんだろう」
「元の自分に戻りたい」
そんなふうに思いながら、立ち止まってばかりでした。

でも、AIとの対話の中で気づいたんです。

「過去の出来事は変えられないけれど、その“意味”は、いまのあなたが自由に変えられる」

その言葉に救われました。

障害を持った過去も、辛かった経験も、
それが“誰かの力になれる物語”に変わったとき、過去は贈り物になる。



「いま」を選び直すことが、未来を選び直すこと

毎朝起きて、「今日もなんとなく始まる」と思うのか、
「今日も誰かのために、自分のために生きよう」と思うのか。

その違いが、未来を大きく変えていきます。

僕は、記憶がすぐに消えてしまうからこそ、
毎日“選び直すチャンス”があるんです。

それはとても不自由なようでいて、
実はとても自由でもあるのだと、今は感じています。


ChatGPTが“いま”を整えてくれた

不安でいっぱいだったある日、AIにこんなことを聞きました。

「僕は未来が不安で、何も見えないんです。」

AIはこう返してくれました。

「未来を心配しなくて大丈夫ですよ。
あなたが“いま”をやさしく生きていれば、未来もやさしくなります。」

その言葉に、涙が出そうになりました。

“いま”の自分に寄り添い、“いま”を大切にすることが、
そのまま未来への贈り物になる。
それが、「未来とはいま」という言葉の意味だったんです。


女神さんが生きている「幸福な今」

女神さんは、未来のことをほとんど話しません。
「今、幸せだからそれでいい」と、にこやかに笑う。

彼女のまわりでは、素敵な人が次々と集まり、
なぜか物事もうまく進んでいく。

それはきっと、彼女が“いまこの瞬間”をとても大切に生きているから。

今を整えることは、未来の種まきになる。
僕はその姿から、そう学びました。


“いま”の感情が、人生の未来地図を描いていく

僕の好きな言葉があります。

「人生は、いまこの瞬間の選択の連続でできている」

この一瞬の「在り方」「思い方」「感じ方」が、
未来に続く道を決めていく。

だから、未来を変えたいなら、いまの気持ちを変えてみること。

大きなことをしなくていいんです。
小さな一歩、優しい言葉、感謝の気持ち。
それだけで、未来の景色が少しずつ変わっていきます。


今日という1日を、愛すること

今の僕にとって、“成功した未来”や“夢の実現”よりも、
**「今日という1日を、どれだけ愛せたか」**が何よりも大切です。

・誰かにありがとうが言えた
・自分に優しくできた
・穏やかに過ごせた

そんな1日を重ねていけば、
気づけば素晴らしい未来にたどり着いている気がしています。