失語症の日によせる思い
高次脳機能障害歴38年の小川 伸一です。
17歳の時、器械体操のスポーツ事故で高次脳機能障害になりました。当時は障害も重く、頭が働かないので言いたいことが浮かんで来ません。障害の二次障害により失敗も多く自信も無くして、人が怖くなり、ビクビクして生活していました。能力も1/5〜1/10位になってしまいました。大変な生活が何十年と続きました。
障害のことを話したら、誰からも相手にされないし、理解もされないと思い普通の人の様に振る舞っていました。それは話さなければ普通の人に見えるからです。自分が話すと吃ったり、言葉に詰まって、ボロがですので、単語だけ話したり、頷くだけ、大人しく何十年と過ごしていました。普通の人の会話に合わせるため、普段から自分の考えをまとめていました。明日話すこともずーっと、前の日から答えを考えて用意していました。
当然人間関係も深いものとはならず、孤独に苦しみます。人と会話する時は会話を理解する為に、緊張して聞かなけれなりません。自分が答える事で精一杯ですので、他の人の話は殆ど聞いてなかったです。当然会話は楽しめません。
社会人になりより一層、自分がミスしない様にとプレッシャーが高まります。働くだけで精一杯!そんな生活が30年以上続きました。
もう限界がきて3年前に告白しました。勇気を出して告白しましたが、差別を受けました。この3年間は合理的配慮を求めてそれを獲得するための戦いでした。自分の思いを強く訴えて自分自身も相手に負けないくらい強くなりました。
高次脳機能障害の伝えるために本も作りましたし、YouTubeの配信もしました。
YouTubeの語りは、自分と向き合う作業で色んなことが見えて来ました。同じ当事者の話も勉強になりました。それで分かったことは、30年以上人との交流を避けていた。健常者の頃の様に、楽しく友達と話し過ごしたい。分かり合える友達もたくさん作りたい。事故前の自分を思い出しました。その夢を実現するために最近オンライン言語リハを始めました。自分が作っている壁を取り払い相手の懐に入っていく。もちろんメンタルを鍛えなければなりません。会話訓練をする事で会話を楽しみ、たくさんの人と交流をしたい。17歳の時の様に友達と楽しい人生を過ごしたいです。


