ステンガンと戯れる | 黄昏オヤジの暴発日記

黄昏オヤジの暴発日記

退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

 先日は、PPSh41のボルトを3Dプリンターでプリントし、ホームセンターで見つけた壁に棚を作る際に使用する金属レールと組み合わせて発火してみた。それが予想以上に調子が良かったのでまた別のモデルで試してみることにした。

 さて、柳の下に二匹目の泥鰌はいるだろうか。

 対象となるモデルはステンガン。それも2種類、ハドソンとMGCである。

(今回は一話完結。ただしやっぱり長いです😁)

 

まずは対象のモデルの概要を簡単に説明

*奥がMGCステンマークⅢ

手前がハドソンステンマークⅡ(S)

(「S」はサイレンサーのSではなくスペシャルのSだそうです)

【ハドソン・ステンマークⅡ(S)】

 私の所有するのはハドソン末期のサイレンサー装着モデル。聞いた話だとハドソンステンには前期と後期モデルがあるらしく、前期モデルはガスバイパスがあったが、後期モデルはマガジンハウジングが回転するなどよりリアルになった反面ガスバイパスはなくなったらしい。以前、通常タイプの後期モデルを所有しておりその際の発火動画はリバイバル集の中に含まれている。

リバイバル動画⑥「フルオート!フルオート!フルオート!」

 ハドソンの割にはというと失礼だが、大変調子の良いモデルだった。そのモデルは手放したのだが、2年程前オークションに出品された綺麗なサイレンサーモデルを見つけて思わずプチしてしまった。それが今のモデル。未発火でとても状態がいいのだが、唯一ボルトフェイスのアゴが変形しているのが難点。おそらくだがエジェクターが緩んでいたことに気が付かず無理にボルトを動かしたため、アゴの部分がぶつかったからだと思う。今のところ発火する予定はなく、また、アゴの変形の度合いがどれだけ発火に影響があるのか分からないが、できれば安心して発火できる状態にしておきたい。そこで、PPSh41と同じように樹脂+金属レールでボルトを作っておこうと考えた次第。

 

【MGC・ステンマークⅢ】

 もう手に入れて50年近く経とうかという骨董品。ブルーはとっくにはげ、今にも穴が開きそうだが内部はまだしっかりしている。やっぱりスチールは強い。しかし亜鉛合金製のボルトは度重なる発火によりボルトフェイスのあごの部分が損耗し調子を崩した。そこでカスタム業者にお願いしボルトフェイスの部分をスチールで造りなおしてもらっている(このあたりの事柄は以前の記事を参照のことMGCステンマークⅢ | 黄昏オヤジの暴発日記)。

 そのおかげで発火は概ね快調だけれど、亜鉛合金の固まりのボルトが重く(370~380グラム)迫力がある一方でモデル本体にストレスを与えている。実際に、後退してくるボルトの衝撃を受けてレシーバーとストックの結合部が少しルーズになっている。また、排莢不良でカートがボルトにはさまれたりするとかなり傷む。最近多いアルミカートなどは一発で再起不能になる。ならば、カスタムしたスチール製のボルトフェイスはそのままに亜鉛合金の本体部分を樹脂にすれば負担の少ないボルトができ、気軽に発火できるんじゃないかと思った。

 

〇作業過程

 そのためにはベースとなるボルトの3Dプリント用データが必要になるのだが、これは早々に見つかった。海外の方だが、ちょっと古い銃のパーツの3Dデータを作っている方がいて、その中にステンマークⅡがあった。有償だったのだが、約1,200円程度とリーズナブルだったので購入した。

 余談だが、データにはステンのほかにFG42やStG44、BAR、M1カービンなど、中にはボルカニックピストルという超キワモノもあった。そして、購入したデータをすべて3Dプリントするとすべての樹脂製パーツが揃い、それを組み立てると1挺の見事なレプリカガンなる。すごい人がいるもんだと感心する(興味のある方は「Replicas Dreyse」で検索してみてください。)

 ベースとなる実銃ボルトを樹脂でプリントし、それぞれのボルトと比較して修正作業を行う。(なお、細かな作業を詳細に語るとPPSh41と同様、果てしなく長くなるのでそこは適当に割愛して説明する。)

 

【ハドソン】

 直径はわずかにハドソンが小さく、長さも少し違うが作動に影響があるほどではない。エキストは固定ピンの位置が全く違い合わせるのに難儀する。

*いろいろ修正しプリントしたハドソン用カスタムボルト

真ん中がハドソンオリジナル

下が実銃用データを基にしたボルト

最終的にはコッキングハンドル用の穴は埋めることになった

*エキストラクターの形状比較

上が実銃データによるもの

下がハドソンオリジナル

こんなに形や固定ピンの位置が違うとすっごく面倒

堪忍してくれ!と叫びたい

 以外と苦戦したのがコッキングノブの処理。このモデル、ボルトの組付け・取り外しの際にはコッキングハンドルを取り外す必要がある。そのためボルトにはハンドル差し込み用の大きなスペースが開いている。これが樹脂でプリントした際の耐久性に影響しそう。そこでこの空間を埋めるのだがそうするとハンドルが取り付けれない。どうしようかいろいろ考えたのだが、最終的に、通常のナットを縦に長く引き伸ばしたような長ナット(高ナットとも)という金具を利用することで解決した。これをハンドルのあった箇所に埋め込み、そこに新たに樹脂でプリントしたコッキングノブをM3サイズのボルトで取り付けるという寸法。ちゃんとボルトの中心線に直角に埋め込むのにも苦労した。

 あとは、金属レールの組み込みスペースの調整などでも手こずった。ようやくできたと思ってマガジン差し込んだら、マガジンリップと接触して二進も三進もいかなくなったこともあった。さらには、レール部分の接着にはこれまで使っていたものとは違う粘度の高いジェルタイプのものを使ったのだが、これにも慣れずに手間取ってしまった。最後には無理が通れば道理が引っ込むではないが、手動で何度も動かしてあたりを付けて馴染ませるしかなかった。

*一応の完成

微妙にエジェクターとボルト下部の金属レールの角度が合っていないが問題なく動く(この後も何度もすり合わせをした)

 簡単にはいかなかったが、最終的にはスムーズにカートの装填・排莢ができるようにはなった。ただ発火は、しばらくは見合わせるつもり。マズルフェイスのあごの部分もそうだが、それ以外にエジェクターも気になる。薄い亜鉛合金製で、しかもかなり変わった形をしている。万が一破損すると代替が効かない。

*これがエジェクター

もろい亜鉛合金でかつ特殊な形状をしている

万が一破損した場合の代替品が思いつかない

 それにストックを差し込むレシーバー後部も心配な箇所。実際にここが破損しストックが取り付けられなくなった中古モデルを見たことがある。亜鉛合金では限界があるし、ましてやハドソンの亜鉛合金は決していいものではない。なので発火は見合わせ、見合わせ。

*ハドソンステンのレシーバー後部

左のカップ状のパーツがリコイルスプリングを受け止める。よく見ると外周部分に小さな突起が出ている。

カップを本体に押し込み、回転させるとその突起がレシーバー内部の溝に引っ掛かり

(よく見ると溝が見えます)スプリングが飛び出さないようになる。

ここも破損しやすい箇所。

*トリガーガード後部の溝にストックが差し込まれるのだが、この溝がもろい。

ここが破損するとストックの固定が危うくなり少なくとも発火は不可能になる。

 

【MGC】

 MGCの方はスチール製のボルトフェイス部分に合わせるように修正していく。加工する箇所は異なるが面倒なのはハドソンと同じだった。まあ何度もやってきたので多少は要領が良くなり早く完成したと思うが、簡単にいかないのは同じだった。

*ずっと以前にカスタムしていただいたボルトフェイス部分

素晴らしい出来でカスタム業者さんの腕に感服しました

 最大の難関はスチール製のボルトフェイスを3Dプリントした樹脂製のボルトに精確に固定すること。M4サイズのねじで固定するため、樹脂製ボルトの方にそれに合致したネジ穴を設ける必要がある。そこはM4サイズの長ナットを使用するのだが、きっちりと位置合わせしなければならない。ずれてしまうと作動不良の原因となる。困ったのは、そもそも設けてあるネジの位置はなんというか「いい位置」に職人さんの勘で開けた感じなので中心から何ミリとか外周から何ミリとか決まった位置にある訳でなく、しかも微妙に左右に非対称なのである。一点ものならばそれで当然何の問題もないのだが、今回のようになぞろうとするとえらい目にあう。もう眼を皿のようにして、パソコン画面いっぱいにボルト面を拡大しつつ、手にはカスタムされたボルトフェイスと拡大鏡とノギスを持ち、ミリ単位以下を測りつつ最期はエイヤッ!で位置決めした。そうしたら、なんとこれが奇跡的にうまくいった!驚いたねぇ、やった本人がびっくりチョンですわ。この位置が決まれば万が一樹脂製ボルトの方が破損しても簡単に代替品がつくれる。ラッキーでした。

*3Dプリントした樹脂製ボルト

既にフェイスには固定用の長ナットが埋まっている

手前にある長い六角棒がそれ

この位置決めが最大の難関

 

 あとはボルト下部をMGCのエジェクターの位置やマガジンリップの位置と合うように修正する。ここも結構面倒だったが、何度かやっているとコツを掴んだようで意外と早く片付いた。

 そうやって出来上がったボルトの重量は約130g、オリジナルの方は350gだったので220gの軽量化となる。もともと発火するつもりだったので、この軽量化でどんなふうになるのか楽しみ。

 なお、作業ついでにサイレンサーもどきもプリントした。もどきと言いつつ内部は二重構造にし、ガス抜き用パイプには減音用に放熱孔のような孔を規則正しく開けてある。それと使用するカートリッジはタナカの9ミリパラ(エボ)カートにしている。ボルトが軽いから排莢不良で挟まれても再起可能だろうという判断。 

*自作のサイレンサー

向かって左側がサイレンサー部分。右はバレルに固定する基部。

ねじ込んで固定するようにしてあるのでもっと長いタイプでも固定できる。

なんならキティちゃん人形を合体させ、マズルに取り付け口からフルオートでガスを吐くようにもできる。

*装着したところ(上)。こう見るとハドソンステンは本当に長い。

 

 で、発火である。

 用意したのはタナカの9ミリパラカートを25発。さすがに25発装填するとマガジンがきつい。このマガジンさほどスプリングが強くないので少し心配。それが原因かどうかわからないが初弾は不発。しかし次弾以降は快調な発火が続く。2度の指切りを入れたところで一旦停止。撃発したがブローバックしなかったようだ。気を取り直し再度発火するも今度は装填不良。最後は残り3発ほどを発火して終了。次弾以降19発ほど連射できた計算になる。

 動画は最初、樹脂製ボルトの組み立てから始まる。はっきり言って私以外には全く役に立たないパートだが珍しさに免じてご容赦を。

スチール製MGCステンマークⅢを金属+樹脂のハイブリットボルトで発火

*発火サイクルは早く反動は軽くなりました

発火ガスはよく見えませんがしっかり抜けています

 以前の動画と見比べると発火サイクルは早くなっているように感じる。実際に反動はずいぶん軽くなった。重量級ボルトを有する金属モデルガンの迫力ある発火からは遠くなり、魅力が減少したという意見もあるだろうが、その分だけモデルに負担をかけず気楽に発火できるようになった。一長一短ということでここは収めておこう。

 今回も長くなりました。ここまでお読みいただき感謝。

 でわでわ