火傷で死んだ男の子のこと | 黄昏オヤジの暴発日記

黄昏オヤジの暴発日記

退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

 冷たい雨の一日。降雨量は少ないが冷える。

 

 1日の地震でストーブにかけてあったやかんが倒れ、熱湯をかぶり火傷を負った5歳の男の子が5日に死んだ。

 現場は志賀町、すぐに救急車を呼ぶが最初は「火傷で救急搬送は出来ない」と断られた。家族が自分の車で病院を目指すが道路の損傷と渋滞に阻まれ、すがる気持ちで再度救急要請したところ今度は応じてくれた。救急車で金沢近郊の総合病院である内灘町の金沢医科大学附属病院に連れて行ったが、しかし担当医に「軽症ではないが重傷でない」といわれ入院させる余裕もないということでそのまま帰宅。数日後、高熱を出し容態が悪化したことから再度病院へ向かうが、病院側は発熱を理由に救急外来の待合に待たせたまま。しばらくすると男の子の容態は急変しその場で死亡。母親はなすすべもなかった。

 最初の119番の「火傷では救急搬送は出来ない」ということは何?そんなこと聞いたことがない。すぐに搬送されていれば後の経過は変わったかもしれない。

 初回の診察時の「余裕がないから」という理由で入院させなかったことは正しい判断だったのか。満足な治療も受けられず男の子は数日間「かゆいかゆい」と言って苦しんでいたという。

 4日後、41℃の高熱と皮膚が剥がれ落ちるほどの重篤な火傷に苦しみ再度診療に現れた5歳児を診療室に入れず、救急の入り口で待たせたという判断は適切だったのか。41度の高熱が感染症によるのか、火傷によるのか的確に判断出来たのか。仮に感染症によるもだったとしても、高熱と火傷に苦しむ5歳の子供を診療しないという判断が正しいのか。

 当該病院は金沢市の隣、内灘町の海岸沿いに位置する。地震で揺れはしただろうが能登地方ほどではないはず。電気も水道にも影響はなかったはずだ。確かに能登方面から被災者がたくさん訪れたであろうし緊急外来は多忙を極めたに違いないが、それでも上記の判断は妥当なのか。最初の救急隊の判断は妥当なのか。

 自分のところに余裕がなければ他の医療機関への搬送を考えるのではないのか。この病院から石川県庁前の金沢中央病院まで車ならば30分あれば行ける。1日の地震発生当日ならば渋滞に引っかかったかもしれないがそれでも救急車なら2、3時間で着いただろう。

 テレビの取材に若い母親は言葉少なに心境を語っていた。病院を非難するような口調ではなかった。ストーブに置いたやかんが倒れ熱湯が子供にかかったことを自分の責任のように考えているのかもしれない。

 ネットでは病院側を擁護する医療関係者の意見も聞かれる。

 何が正しいのか分からないが憤りだけが高まる。