「A Touch of Class」・さようならグレンダ・ジャクソンさん | 黄昏オヤジの暴発日記

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退職後の第二の人生を手探りで進むオヤジのモデルガン+独り言。黄昏に染まりながら気まぐれに発火しつつ、この世の由無し事に毒を吐く(令和4年5月20日・タイトル一部修正)

 6月15日、グレンダ・ジャクソンさんが亡くなった。

 イギリスの女優さんで享年は87歳。もうすっかりおばあちゃんだったので若い方は知らないだろう。全方位的に美人ではなかったが、イギリス人らしい顔をした魅力的な大人の女性だった。

*若い頃の姿。芯が強そうです。

 私は、今から47,8年ほど前に観た「ウィークエンドラブ(原題「A Touch of Class」)」(1973年)という映画で初めて知った。確か近所の場末の映画館でジャン・マリア・ボロンテ主演の「黒い砂漠(原題「Il caso Mattei」)」と二本立てだったような気がする。

 余談であるが、「ウィークエンドラブ」は大人のラブコメディといった感じの映画。ところが、「黒い砂漠」はベッタベタの実録政治サスペンスでありこの二本、映画の種類としては水と油どころではないほど違う。それがなぜ二本立て上映されていたのか、まことに不思議でしょうがない。

 まぁ「黒…」の方は脇においておこう。

*映画のポスターです。失礼ながら万人受けする美人には見えません。

 「ウィークエンドラブ」はラブコメディといったが、主人公の男性(ジュージ・シーガル)は既婚男性、一方の女性(グレンダ・ジャクソン)はバツイチ子持ち女性という設定。つまり今流行りの不倫のものがたり。偶然の出会いから知り合い、浮気したい男と寂しさを紛らわしたい女が大人の関係で交際を始め、いつしか恋愛関係に至るが、最後は惜別、といったちょっとほろ苦いストーリーだったような。それを皮肉とユーモアとHが効いた大人の会話で繋いでおり、不倫に特有のジメジメとした感じもなく、とても面白かった。

*映画の一シーン。彼女が手にしているのは便座です。とにかく全編こんな感じの映画でした。

 劇中、二人が口論するシーンでの「ペ〇スの交通整理でもしていろ!」というセリフ(字幕)には爆笑した。

 なお、原題の「A Touch of Class」は慣用句らしく、翻訳サイトを見ると「上品な感じ」という意味があるらしい。それが本当に原題の意味するところなのか定かでないが、個人的には上のセリフが出てくる映画にはそぐわないと思う( ̄▽ ̄)。

 

 グレンダさんはこの作品で「恋する女たち(原題「Women in Love」)」に引き続き2度目のアカデミー主演女優賞を受賞している。演技派の名女優さんだった。

 ウイキペディアによると、1992年に政界入りするためにいったん引退し、労働党の議員さんになったが2015年には政界を引退。その後、舞台復帰されたらしいが冒頭に述べたように昨日亡くなられた。

 

 高校生の時に観たこの映画が忘れられない。ずっと、「大人の女性」というとこの映画でグレンダ・ジャクソンさんが演じた「ヴィッキー」が頭に浮かんでいた。

 

もういらっしゃらないのですね

とても、残念です

ありがとうございました