今朝歩いている際、後輩の事務所のある雑居ビルの前を通った。何気なく案内表示板を見ると、その事務所の名前が消えている。2階の窓に貼られていた事務所名のシールもはがされている。転居か?とにかく事務所はもうここにないようだ。
少し気になることを思い出した。昨年、その後輩に顧客を紹介したことがある。テリトリーが違う仕事だったので頼んだのだが、後日その顧客から「先生(私のこと)の後輩というのでそんなイメージでいたら、えらく年寄じみた人でびっくりしました。車から降りる際も介助がないとおぼつかないようで、まるでご老人か病人。ちょっと心配になりました。」という話が入った。確かに、仕事の依頼の電話した時「コロワクの副反応がひどくってボロボロ」だと言っていた。もともと老け顔なのだが動きはしゃきっとしていたはず。ご老人と間違えられるようなことはないはずなのだが…。もしかしてずっとそのまま体調が戻らず、やむを得ず事務所を閉めたのだろうか。
坂本龍一氏が亡くなった。
コロワク懐疑派は、寛解したはずの癌がコロワクによる免疫抑制で再活性化し氏の命を奪ったという。
以下は、ネット記事からのコピー
「2014年に中咽頭がんと診断され、治療の末に寛解。だが、直腸がんと診断された2020年6月には、治療しなければ「余命半年」と告げられた。手術では、最初にがんが発生した原発巣と肝臓2カ所、転移したリンパの腫瘍、さらに大腸を30センチも切除。両肺に転移したがんを摘出するなど、1年で6回の手術を受けた。」
次は、2020年5月、自身を題材にした長編ドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』の無料配信の際のインタビューからの抜粋
「最後に、音楽家人生が詰め込まれた本作をいま、無料で公開することに同意した心境を尋ねてみると、(坂本氏は)穏やかにこう切りだした。『日本で、欧米のような感染爆発が起きなかったのは本当に不幸中の幸いですが、自粛生活はまだまだ長期戦になると思っています。家に閉じこもっている人たちが、だんだんゲームをやるのにも飽きてきて、動画配信サイトで観たい作品もすでに全部観てしまったという時、もし時間があれば、このような映画も観ていただきたいなと。でも、もしかして第二波が来るかもしれないし、たとえ非常事態宣言が解除されても、すべてが以前と同じようになるとは言えないでしょう。少なくともワクチンが普及するまでは抑えた行動を長期的にしていかないといけない。だからひまつぶしでいいです。この映画で少しでも気分を変えていただけたらと、そう願います』」
上記の文章から、氏はコロナワクチンを信頼していたことがうかがえる。
世界は才能豊かな音楽家を失った。
そのことと比べるのには卑近に過ぎるが、もしかすると私は信頼できる後輩を失ったのかもしれない。
それは少し早くないだろうか。
ご冥福をお祈りします