※写真の猫は、実際の私の猫ではありません※
私が生まれた家には、猫がいた。
同居する叔母が飼っていた猫らしい。
当時の私は、当然気付いていなかったが、その猫は私を守ってくれていた。
最近ではYoutubeなどで、よく見られるようになった、猫と赤ちゃんの動画。
寝ている赤ちゃんに寄り添って寝たり、
赤ちゃんにキツく尻尾を引っ張られても、怒らず我慢している猫。
赤ちゃんがベッドから落ちそうになると、オムツを咥えて引っ張って、赤ちゃんが落ちないようにする猫。
それらを見ていると、
ああ、私もきっとこんなふうだったんだろうな?
と、思う。
猫は赤ちゃんには危害を加えないどころか、助けていることが多い。
実際、叔母の猫も、
私が屋外で遊んでいる時でも、見守っていてくれた。
私も、猫が大好きだった。
私が3歳の時、幼馴染の4歳男児と、家の前の狭い道路で遊んでいた。
いつも通り、猫も一緒。
何故そうなったかは、覚えていないけど、幼児のやることだから、意味はなかったかもしれない。
4歳男児が猫の両前足を一本ずつ両手で持って、私が猫の両後足を一本ずつ両手で持って、引っ張る形になっていた。
まるで、猫を綱にした綱引きみたいに。
猫は、四肢を引っ張られ、30cmくらい宙に浮いていた。
さすがの猫も嫌がって、暴れた。
私と4歳男児は手を離した。
でも、運の悪いことに、猫の後ろ足が着地したのは、私の右足の甲の上だった。
さらに運の悪いことに、私はサンダルを履いていて、足の甲は露出していた。
暴れた後の猫の爪は、収納されていなかった。
猫の爪はしっかり私の足の甲を引っ掻いてしまった。
普段遊んでいる時より強く引っ掻かれたが、慣れていたのか、痛くなかったので、私はその傷を放置して、遊び続けた。
びっくりしたのは、4歳男児の母の悲鳴を聞いた時。
私の傷から道路に散らばる程、血が出ていた。
サンダルも真っ赤。
でも、痛くないので、私はキョトン顔。
確か、私の傷は大きめの絆創膏を貼るくらいで済んだ。
でも、幼児に怪我をさせた猫は保健所行きになってしまった。
そんなの絶対に嫌だ。
でも、私が懇願したって聞いてくれるような父じゃない。
私の父に命令されて、叔母が保健所に連れて行ってしまった。
悲しくて、申し訳なくて、泣いた。
3歳ながら、自分のしてしまったことを後悔した。
ただの遊びだったはずのことが、猫の命を奪うことになってしまった。
3歳でも、ちゃんと理解していた。
大切な、大切な猫を、私は失ってしまった。
これからは、すべての猫たちに優しくしようと誓った。
それから、何匹もの猫を保護し、何匹もの猫を見送ってきた。
今でも、私の足の甲には、その時の傷が残っている。