「リラ荘殺人事件」鮎川哲也を読み終えました。 読み始めはとても読みやすい文だと思いました。時代も感じませんでした。携帯電話やパソコンも出てこないけどテレビやラジオは出てくるし、新聞も出てくるのでそれほど古い話では無いと感じました。

題名だけで選んだ本で内容もあまり見ず読み始めました。

7人の芸大生がリラ荘を訪れて殺人が始まります。トランプが被害者のそばに置かれるのが特徴です。一時東京に帰る者もいてこんなに人数が減って殺人事件が成り立つのかと思うほどでした。

 違和感を感じたのは被害者を屍体と言うところ。今なら遺体と言いますよね。それに出てくる人物の容姿をやたら書き連ねるし悪く言うのに容赦ないところ。出てくる男性がみんな食事は女性が作る物と思っているようなのも古いと思いました。途中で作品について調べ1956年頃に書かれたと知り今の価値観とのズレを納得。

 推理とトリックは見事でした。館ものの先駆的な作品とも言われているようです。館シリーズが好きな方にもお勧めします。