「バックカントリー」遭難が過去最多 今季78人、半数は外国人 」(2019.04.18 北海道新聞)





  自然の冬山やスキー場のコース外をスキーやスノーボードで滑るバックカントリー中の遭難が2018年度の冬山シーズン(18年11月~19年3月)に道内で56件発生し、遭難者数が78人に上ったことが道警のまとめで分かった。ともに統計開始の14年度以降最多で、ニセコ地域を中心に後志管内で外国人が遭難する事例が目立つ。春先も起こる可能性があり、道警は引き続き注意を促す。  道警によると、人気の高まりで遭難は増加が続き、18年度シーズンの発生件数は昨季に比べ16件増えた。半数以上の31件がニセコ地域を中心とした後志管内で、うち21件に外国人が含まれる。  遭難者数は78人で昨季比2人増加。外国人は41人で、国籍は中国が15人と最も多く、次いでオーストラリアが6人だった。負傷者は35人で、死者は出ていない。リフトやゴンドラでスキー場を登ってコース外に出る事例が多く、原因の半数は道迷いだった。  ニセコアンヌプリ(1308メートル)では1月中旬、中国人の男女6人がスキー場からコース外に出て迷い、救助された。後志管内ニセコ町の担当者は「バックカントリーをする外国人が多国籍化している」と説明する。  特に中国からのスキー客が増えており、ニセコ地域のスキー場関係者は「中国ではスキーが流行してから日が浅く、安全対策の施されていない冬山を滑る危険性や、必要な装備品への理解は進んでいない。スキー場を滑る感覚の延長で、コース外に出てしまう人がいる」と話している。

 ■ヘリで注意も  
遭難の多発を受け、道警は2月、バックカントリー中のスキー客らに、ヘリで上空から注意を呼びかける試みを始めた。日本語と英語、中国語を使い、ニセコや札幌、富良野などで実施。各スキー場も、登山計画書の提出を求めたり、コースに注意喚起の看板を設けたりするなどの対策を取るが、「限界がある」(スキー場関係者)との声も漏れる。  道内は5月の大型連休ごろまでバックカントリーができる。道警は「危険と隣り合わせの行為であり、天候の確認や通信手段の確保など十分な備えをしてほしい」と求める。  北海道山岳ガイド協会の宮下岳夫理事長は「海外のような危険箇所を示した山岳地図の作製や、救助費用を請求する場合があることの周知など、関係機関が連携してリスクを伝える取り組みを強化する必要がある」と訴える。(犬飼裕一、中秋良太)