マリオット・ウェイ
サービスの12の真実
J・W・マリオット・ジュニア、キャッシー・アン・ブラウン 著 / 青木 孝誠 監修 / 住友 進 訳 / 日本能率協会マネジメントセンター
1999年03月01日第1刷発行
80年前に父親が興した小さなレストランからスタートしたビジネスが世界企業と成長したマリオット社をマリオット氏自身がマリオット社の変遷とともにその経営手法の原理原則を説く。失敗したような事例、特に高成長を遂げている時に陥りやすい「自信過剰」での失敗など日本のバブル期の失敗を思い起こさせるが、についても率直に語られている。「意志決定の4つのルール」など日常的にマネジメントなどに必要なヒントも盛られている。
- 社長が戦わなければ、会社は変わらない
社長が戦わなければ、会社は変わらない
金川 千尋 著 / 東洋経済
2002年12月19日第1刷発行
近くに信越化学の工場があると言うだけでなく個人的には「強い経営者」というイメージがあり興味を持っていたが関係書籍は初めて手にする。この本を読むとやはりちゃんと成功体験を積み上げてきたというのがよくわかる。その成功体験が経営を行う上での信念となり体質的に古い組織に対しても改革を成し遂げそれが最高益更新という結果に結びついたのだろう。
- ヤバい経済学
ヤバい経済学
悪ガキ教授が世の裏側を探検する
スティーブン・D・レヴィット/スティーブン・J・ダブナー 著 / 望月 衛 訳 / 東洋経済新報社
2006年5月11日第1刷発行
「人間はインセンティブで動く(現代の日常の礎)」でありインセンティブを理解することが--おうおうにして壊してしまうことになるけれど--凶悪犯罪からスポーツの八百長、出会いサイトまで、どんな問題もほとんど解決できる鍵になる。とか、「通念は代替間違っている。」「遠く離れたところで起きたほんのちょっとしたことが原因で劇的な事態が起きることは多い。」などという言葉は興味深い。この本では一貫したテーマはないが著者の言葉を借りると「少なくとも一つ、いつも底の方に流れているものがある。それは、現実の世界で人がどんなふうに動くかについて、筋の通った考え方をするということだ」となる。そのために必要なものは、「新しい見方をする、新しい理解の仕方をする、新しい測り方をする」ことだという。個人的には自分の関心あるテーマについてレヴィット的な思考方法にチャレンジしてみたい。
- 散るぞ悲しき
散るぞ悲しき
硫黄島総指揮官・栗林忠道
梯 久美子 著 / 新潮社
2005年07月30日第1刷発行
昨年日米双方からの視点で描かれた2本の映画が話題となった第二次世界大戦末期の「硫黄島の戦い」で硫黄島の総司令として望んだ栗林忠道大将が硫黄島から家族に当てた手紙、その内容が当時の特に高級将校らしからぬ内容に著者が興味を持ったことからこの本が生まれることとなっている。
条件(状況)が非常に悪い--地形的な問題(硫黄ガス、高温、地質など)、水・食料が少ないなど--なか、水の補給についても非常に厳しい条件を付けたり地下壕掘りの過酷な労働を厳しい訓練とともに課しながら最終的には大本営からも見放されながら2万人もの人間を「死」へと導かなければならないという過酷な環境の中でも最期まで現場のほとんどの者が当初の方針に沿って行動できている様にリーダーシップの有り様を感じる。
・明確な理念・率先垂範・現場主義(現場を自ら常時確認する)・(現場への)具体的な行動方針、などが栗林氏の行動を鑑み重要なことだと改めて考えさせられる。
- 経済ってそういうことだったのか会議
経済ってそういうことだったのか会議
佐藤 雅彦 / 竹中 平蔵 著 / 日本経済新聞社
2000年04月03日第1刷発行
当時の売れっ子CMクリエイターと阪大教授との対談集的構成。
「エコノミクス(経済学)」とは元々「オイコノミクス」--共同体のあり方--という意味だった、ということからそのことに興味を持った佐藤氏、そこからスタートしている。
市場経済=20年くらい前までの冷戦時代には市場経済にいる人口は約27億人、その後ソ連がロシアに、アジアでも中国、ベトナムなどが市場経済に入ってきてその人口は2倍以上の55億人になりマーケットが2倍になっている、という指摘などはおもしろい。
- 蓮如―聖俗具有の人間像
蓮 如 -聖俗具有の人間像-
五木 寛之 著 / 岩波新書
1994年07月20日第1刷発行
法然、親鸞は有名だが「蓮如」については個人的には名前は知っていたがもうひとつマイナーなイメージだった。本願寺の中で生まれてから生活していたとはいえ、その貧しさ、そして大衆の中に進んで入っていったことから大衆に親しまれ近い立ち位置にいたために「蓮如さん」と親しまれたようだ。ここがあくまで「親鸞聖人」とされる親鸞と違うところか。有名な「一向一揆」には蓮如の存在があるようであり歴史にも関与した存在であった。
- 吉本興業の正体
吉本興業の正体
増田 晶文 著 / 草思社
2007年04月16日第1刷発行
著者が2001年より「大阪」「笑いの都」「吉本興業」などといったテーマで取材を行って各種媒体紙に発表してきたその6年の集大成として書き下ろされたもの。
著者が小学生の時、土曜日の半ドンの時に急いで自宅に帰って吉本新喜劇を見ていた、という記述があるがやはり小学生の時に同じように土曜日の午後のその予定調和のギャグを楽しみにしていたことを思い出す。学生時代を京都で過ごした者にとってはやはり吉本はなぜかしら身近に思えるものだったがその後の漫才ブームなどまさに吉本が全国区に躍り出る時期を見ていただけにこの著者の視点と近いところがあり興味深い。
吉本のその誕生からの歴史も興味深いが「笑い専門のプロダクション」という視点ではその実力を見誤る現在の吉本の状況を垣間見ることで今後のその動向にも注視したい。