盛田昭夫語録世界が舞台の永遠青年
ソニー・マガジンス ビジネスブック編集部 編著
ソニー・マガジンズ
1996年05月07日第1刷発行
いろいろな書物や雑誌、パンフレットなどで盛田昭夫氏自身が語ったものをまとめることにより盛田氏の半生をふり返っているもの。
改めてその時代その時代に盛田氏が語った言葉を見るとその言葉一つひとつが今でも全く色あせることなくまさに現在においてそのまま通用することに、また将来を語ったものではそれが今となっては現実となっているその先見性に改めに驚かされるとともに偉大な方を亡くしたことを改めて残念に思う。同時にここに記されている言葉だけでも現代において問題に直面している企業や個人にとって解決のヒントが眠っているのだと考える。
- 上機嫌の作法
上機嫌の作法
斎藤 孝 著 / 角川oneテーマ21
2005年03月10日第1刷発行
TVや雑誌などで目にする著者自身自然体としての「上機嫌」な人なのだと思っていたがこの本によると一時は非常に「不機嫌」な時代を送りそれが現在においても禍根を残していて現在の「上機嫌」は意図して作り上げてきたものだというのには驚いた。
ただ、個人的にも特に社会人となった当初まわりの同期の人間を見るにつけ眉間に皺よせて非常に難しそうな顔をして仕事している姿、特にプライベートな時間とのギャップ、に違和感をおぼえ自分はオンもオフも同じ自分でいたい、明るくいたい、著者の言葉を借りれば「上機嫌」でいたいという思いできたので共感をおぼえた。
- 地下鉄(メトロ)に乗って―特別版
地下鉄に乗って
浅田 次郎 著 / 徳間書店
2006年07月31日第1刷発行
昨秋に劇場で見ようと思いながら結局見られなかったのでDVDで見る前に原作を読むことに。個人的に単純なためか単純なハッピーエンドをどうしても期待しながら読んでしまった。特にタイムトラベルが何度も行われるその度に期待しつつ全て裏切られてしまった。最期の父親との和解もなく元の生活に戻ってしまう、違っているのは父親への理解と兄の死の直接の原因がわかったこと、最愛の恋人であり腹違いの妹を失ったことだけか・・・
現在から戦後の復興期へのタイムトラベルという中でその対比をすることで豊かになった現在の我々が失った何かを伝えようとしている。
この本は「特別版」ということになっていて「地下鉄に乗って縁起」という浅田氏自身のコメントが付けられている。その中で自分自身のこと、作家として売れ出す前のことなどにも触れているのは好きな作家の一人としては興味深い。「地下鉄に乗って」の父親が実の父親そのものであるなど私小説的な作品だったこと、またこの小説が10年以上も前の作品だというのも興味深い。
ダナエ
藤原 伊織 著 / 文藝春秋
2007年01月15日第1刷発行
「ダナエ」「まぼろしの虹」「水母」の3編の作品集。3作ともに複雑な人間関係の中でのストーリーとなっている。そのどれもがハッピーエンドを迎えず哀しさをたたえている。特に「水母」のがさつな感じの中年男性が別れた恋人のために犯罪まがいのことを行う話はその男性の過去--クリエイティブ・ディレクターとして肩で風器って歩いていた時代--との対比で将来の見通しのなさと現在の境遇も重なり哀しさを誘う。
- 底なし沼
底なし沼
新堂 冬樹 著 / 新潮社
2006年08月20日第1刷発行
タイトルの「底なし沼」とはこのことを言っているのか、と思えるバックグラウンドを抱えた登場人物たち。その意味で主人公級の登場人物が何人か登場しそれぞれのストーリーもしっかり作り込まれているのはさすが。先の「黒い太陽」ではキャバクラを、今回は闇金を、とアンダーグラウンドものとなっているが今回の「二重取り」を含め病み金の対応などよく調べられているがちょっと辻褄が合わないだろう、というところも・・・
結婚相談所の社長と主人公との諍いが大きくなり最後に続くがその過程でその二人の立ち居振る舞いの違いを際だたせながら最後は壮絶な銃撃戦となるが最終的に何を意図したのか終わり方がすっきりしないのが気になる、
このストーリーの中で「百浪」とはいったいなんだったのかという思いとともに。
最 愛
真保 裕一 著 / 新潮社
2007年01月20日第1刷発行
18年間音信不通だった姉との再会が頭に銃弾を受け死の淵に立ってベッドに横たわっている状態・・・ここからスタート。
18年間も連絡を取り合っていなかった弟が姉のアパートを訪れその生活を鑑み少ない年賀状を手がかりに姉の過去を執拗に追いかける、その以上とも思える行為が意味するものは・・・
その隠された秘密が話の途中でなんとなくわかってしまうことや主人公の恋人の人物設定などを考えると少し平板なものとなっているようだ。
最初は主人公の言葉遊び的な台詞などで軽快にスタートするが最期は重いテーマとなってしまう。
- 大切なひとへ―生きることば
大切なひとへ―生きることば
瀬戸内 寂聴 著 / 光文社
2007年02月28日第1刷発行
現在84歳になられている著者が多くの親しい方々との「死別」を経験され懐かしい思い出深い方々--そういう方々も多いのだろうがその一部の方々--との「縁の不思議」が書かれている。
出家して33年にもなる著者だからこそあの世の存在を、またそこでの死に別れた方々との再会を信じ、「自分の死さえ親しい方々のところへの旅立ちと思えば苦も怖れも生まれない」という言葉はすがすがしささえ感じる。
水上勉、淡谷のり子、美空ひばり、宇野千代、川端夫妻、三島由紀夫、吉行淳之介、勅使河原蒼風、岡本太郎、遠藤周作、ほか
- 警察裏物語
警察裏物語
北芝 健 著 / バジリコ株式会社
2006年06月16日第1刷発行
元警視庁刑事であり漫画の「まるごし刑事」などの原作者。
「伝説の警察官」という章では「喧嘩の達人」だとか「モテモテ絶倫警官」、「公安刑事が認定した真性ホモ警官」などのどうでも良い内容も多いがなかなか一般人からはわかりづらい警察組織の
内容(警察庁vs.警視庁、何課がどういう担当なのかなど)や関連する団体(検察庁、弁護士、ヤクザ、メディアなど)との関係性などの理解の一助とはなるだろう。
「踊る大捜査線」などをより理解してみるのには役立つか。
- 「捨てる!」技術
「捨てる!」技術
辰巳 渚 著 / 宝島社新書
2000年04月24日第1刷発行
個人的には基本的に「モノ」が好きでちょこちょこ買ってしまい気が付けば部屋の中にモノが溢れている状態に・・・また基本的に「捨てる」ということが苦手でその上整理が不得手ときたらモノが溢れることを助長してしまう。そんな危惧からこの本を手にしたのだが・・・モノが捨てられない状況やその心理状況などがよく整理されているように思う。個人的にも「もったいない」とか「いつか必要になるのでは」「資料は必要・・・」と思ってなかなか捨てられないところをずばりと指摘されているようだ。
本書のタイトル「「捨てる!」技術」に対して半分は「捨てられない」状況説明に要していて本当に「技術」と呼べるところは少ない。が、「捨てる」ためのモノの考え方の参考にはなったし自宅を見渡すと気になるモノが多くあることに気が付く・・・
本田宗一郎 男の幸福論
梶原 一明 著 / PHP研究所
1992年12月25日第1刷発行
1982年に発刊されたものをそのままに加筆することなく「新装版」として発行されたもの。
昭和48年に副社長の藤沢氏とともにあっさりと社長を辞したため時代が少しずれることもあって個人的に興味はあったもののその言動などを記したものなどを手にする機会が少なく今回その機会を得られた。
非常にオープンな人柄だったと聞いていたが想像以上のオープンさに驚く。特にこの本の最後にHONDAの10年目を記念(?)してかの社内報だけに出した一般の人が目に触れることのない座談会の模様が記されているが通常座談会などの内容となるとかしこまったものとなるものだと思うが出席者全員が非常にオープンでざっくばらん、その辺りの井戸端会議のような調子で綴られているがこれがまさに本田宗一郎という人と、HONDAという会社の一面をあらわしているのだろう。
「本田宗一郎のものの見方・考え方」という項目では本田宗一郎の語録が記されているが自身が実践してきた生きた「言葉」がそこにある。またゆっくりと確認したい。