ー常永久ーシンイ二次創作 -53ページ目

ー常永久ーシンイ二次創作

☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。




心、境界線⑨




いきなり玄関口に佇む大男にウンスと母親は唖然と見上げ反応が出来ないでいた。


ヨンは表情を変えずウンスを見つめていたが、彼女の服装に気付いたのか眉を顰め始める。


「・・・出掛ける所だった?」

「え?」

「その格好」


ハッと自分を見下ろしそうだと思い出す。


「これから予定があって・・・っ、そうでは無くて、どうして貴方がここにいるの?!」


こんなのどかな場所にヨンがいる違和感・・・ではなく何故彼がウンスの実家に来ているのか?


数年前も現在も彼には実家など話した事も住所を教えた事も無い。するとヨンは微かに焦りを見せ、視線を彷徨わせると小さく答えた。


「・・・イ医師から聞きました」

「イ先生?」


イ医師とは同期で仲は良かったし、地元の話もよくしていた。

だが、住所まで教えていただろうか?


「・・・頭を下げ頼み込んで、漸く教えて貰いました」


「・・・何してんの、貴方?」


おそらく後程イ医師から謝罪の連絡も来るかもしれない。教えたイ医師もだが、突然実家に来たヨンの考えがわからず困惑していると、


「ウンス、この方は?」


すっかり母親の存在を忘れていたウンスは慌てて母親に向いた。


「前の病院の元同僚よ!」

「はじめまして、チェヨンと申します。江南病院で外科医師をしています」

「あ、はい、はじめまして。江南病院?前にウンスがいた所よね?」

「べ、別に挨拶は良いからっ・・・ヨンも挨拶しないでちょうだい」


しかし、ヨンはちらりとウンスを見た後、母親に向き直りいきなり頭を下げた。


「ユウンスさんと少しお話しがしたいと思い此方に伺いました」

「はあ」

「え、だから嫌だってば」


拒否するウンスにヨンは頭を上げ見て来る。


やはり悲しそうな眼差しではあったが、それでも先日の様な苦悶さは消えている。


何なのか、一体・・・?


「ウンスを傷付けた事を謝りたいし、もう一度ちゃんと話がしたい」


「だから・・・」


「ウンスを傷付けたとは?」


何時の間に来ていた父親が言葉を発し、ヨンは勢いよく深々と頭を下げ話し始めた。


「チェヨンと申します、ウンスさんとは数年前に江南病院で一緒に仕事をしていました。

入った時期も近かった為仲良くなり、そのうちお互いの家に通う仲に―」

「ちょおーっと待なさい!」


ヨンの話を遮りウンスはバタバタと手を振り上げ、間に割り込むとヨンを玄関外へと引っ張り扉を閉めた。


「何を言いに来たのよっ、・・・お母さん達には話してないんだから余計な事言わないでっ」


後半は小声でなるべく両親に聞こえない様ヨンに話し掛け、兎に角帰って欲しいと言うが、


「嫌だ」

「はあ?」

「ところで今から出掛ける予定だったんだろう?場所は何処?」

「駅前に・・・ヨンには関係無いでしょう」

「駅前か・・・車で送る」

「・・・えぇー・・・?」


まさかわざわざ車で高速料金を払いここまで来たというの?


何時も仕事以外は日常に興味無い様に振舞っていた彼の姿しか記憶が無く、理解不能なヨンの行動の連続にぽかんとしていると玄関扉が開き母親が顔を出して来た。


「ウンスに会いに来てくれたのでしょう?上がって貰いなさい」

「え?」

「いいえ、ここから駅前までは距離がありますし、ウンスさんを送って行きますので」

「えっ?」

「あら、いいのかしら?」

「はい」

「私は嫌よ!」

「せっかくだから送って貰いなさい。今バスも行っちゃったし時間に間に合わなくなるわよ?」


ウンスが慌てて腕時計を確認するとバス時刻は数分過ぎておりもう行ってしまった。次は1時間後になっているがそれでは打ち合わせに間に合わない。


「・・・」


――乗れなかったのは元々はヨンのせいではないか?


黙ってしまったウンスを見てからヨンは両親へと振り返り再び頭を下げた。


「彼女の用事が終わりましたら、お家に送りますので」

「は?」


帰りも家に送り届けると言うヨンを唖然と見つめてしまったウンスに対し両親は、


「送って下さるなら・・・」

「えっ?」


病院の元同僚とわかった途端の返事に了承し更にウンスは驚愕する。



――何?一体何を考えているのか?


「急いでいるんだろう?」

「・・・っ?」


はたして素直に従って良いのだろうか?


考え始めた時には助手席を開けたヨンに押し込められ既に車は動いていた――。






見慣れた流れる風景をこんな息が詰まる空気の中で見たのは初めてかもしれない。


会話も無いままお互い顔を見合わせる訳でも無く、真っ直ぐ正面を向いていた。ヨンもまたウンスに話し掛けはせず駅前へと車を走らせている。


時々強引なのはやはり数年前から変わっていないと再会してからの事も含めウンスは思っていた。

彼は自分の懐に入れた者を思い通りにしたいタイプなのだ。

だから、付き合った女性が飽きれば離れる。



・・・だと思っていた。


「・・・実は、ウンスが務めていた病院に行った」

「どうして?」

「あの男性と話がしたくて」

「ヤン先生?」


信号待ちで止まり、ちらりとヨンはウンスを見る。


「恋人がいるのに、何故ウンスが病院を辞める事になったのか。まさか何かあったのかと思って・・・」

「・・・で?」

「怒られた」

「多分そうだと思ったわ」


ウンスが呆れたため息を吐き出すと同時にヨンもまたため息を吐いた。


「最初に彼からは『君のせいでユ医師の才能を大病院で生かす事が出来なかったんだ』と罵られた。だが、『謝ってそれで終わりなのか?』とも言われた」

「?」

「悪いと思っているなら、・・・好きならちゃんと追いかけろ。と」

「はあ?」


ヤン医師のアドバイスの意図は何なのか?


彼を焚き付け此方に来させるなんて・・・。


「ウンスが独立してクリニックを建てる計画なのもそこで初めて知った。・・・彼に相談して自分には無かった事が悔しかった」

「貴方と一緒にいた時は別にそんな事考えていなかったもの」

「・・・そう、だよな」


その後無言になったヨンと何かを話す訳でも無く、直ぐに車は目的地の駅前にある不動産屋へと着いた。



てっきり車の中で待っていると思っていたヨンも車から降りて来て、ウンスは怪訝な眼差しを向けたが反応せずヨンは不動産屋の扉を開けている。

時間通りに着いて不動産屋の男性は2人を見て接客用笑顔で挨拶をして来た。


「お客様が希望していたテナントですが、以前は小児クリニックだった場所があってしかもビルの中にあるんです。駅傍だから客の入りもあるかと・・・」

「そうですねぇ・・・」


もう少し駅前に近い場所が良かった・・・。しかし、自分に出来る信用度の限界がこれなのも自覚はしている。

だが、仕方ないと書類に手を伸ばしたウンスの手をいきなり隣からヨンが止めてきた。

そして。


「この店は支店で本店はソウル特別市にありますよね?」

「は、はい、東大門に・・・」

「今から連絡出来ますか?」

「・・・?、はい」


突然の言葉に不動産屋は慌てながらも電話を掛け始め、東大門の本店へと繋げると貸して欲しいと言うヨンに戸惑いながらも受話器を渡した。


「・・・チェヨンです。依頼の件ですがありましたか?・・・それで構いません。ここの支店にデータを送って頂けませんか?・・・此方の担当者に変わります」

「は、はいっ、・・・え?パソコンに?はいはい、少しお待ちを・・・」


デスクに置いてあるパソコンに向かい何やら慌てながらも操作を始め、暫くしてから何枚かの書類を持って来たが、何の展開だと再び唖然となるウンスの前に書類が並べられそれに目を通したウンスは驚愕で思わず椅子から立ち上がった。


「か、江南区?!ええー!?」


他のも漢江や東大門のテナントが並んでいる。


「別に大邱じゃなくても良いと思う。美容整形外科は都市の方が客の入りだって全く違うのだから―」

「そ、それは確かに・・・でも私には・・・っ!」


あまりにも高過ぎるテナント料金に建てる前から不安しかない。

お金も心配だが、悪くは言いたくないが両親だけの保証人だけで借りるなど到底――。


「俺も保証人になる」

「貴方は他人だわ!」

「他人だとしても、俺は江南病院から転勤するつもりは毛頭無い」


大都市の大病院の医師という保証人もいれば、ウンスへの信用は保てるだろう。

ウンスはどうすべきかと不動産屋を見ると、彼もまた少し悩んでいる様だった。


「保証人になるのは構いませんが、何時か男性様がこの国を離れるとかご結婚などしたら問題になりませんか?」

「国を出るつもりは無いし、そんな事はならない」


他の女性と結婚はしないとばかりにヨンはウンスを見る。


「そ、そんな・・・」


ウンスに結婚してくれと伝えている訳では無い。

無いが、彼はこれからはウンスの人生に付き合うと言っているのだ。

確かに自分もヨンとの結婚を考えた事は無かった。しかし、一緒にいて他の人とは違う安らぎを感じたのもある・・・が。


「・・・ウンスが俺に対し、どう思っているのかは知っている。だが俺は・・・これが実際の俺の本性なんだと思う」

去るもの追わずでは無く、夢中になると執拗い位に付き纏う人間になる。


「・・・貴方ってそんな人だったの?」


「・・・だと思う」


「はあ」


今更ながらに自覚した本来の自分に嫌気さえも感じる。

しかし、これが俺らしいとさえ思ってしまう。



ウンスは額に手を当て悩み始めた。


正にソウル市での独立は夢だった。

実家に帰って来た事に後悔しないと思っても、願っていた夢は中々諦めきれるものでは無く、だからここでのテナントも拘りたかった。

父親はそんなウンスを見ていたのだろう、聞いて来たのはそういう気持ちが見えていたからだ。



「・・・ご両親と話をすれば良いと思う」


「・・・ヨン」


彼もまたウンスの気持ちを誰かから聞き、知ったのだ。


「・・・我慢するな」


「・・・っ」


大丈夫。

大丈夫。

思い通りに行かなくても時間が掛かるだけだと、何時か明るい未来がある。


そう言い聞かせて誤魔化していたのは自分だった――。





⑩に続く

△△△△△△


別にヨンは結婚してとも言ってないです。

数年の溝はあるからね。


次回最終話(明日ね〜(*´︶`*)ノ)


🐥🐥🐥


2023年でんべ様の年越し企画に今年漸く参加いたします!⸜(*ˊᗜˋ*)⸝

仕事はありますが今からコツコツ書いていけば大丈夫かなぁと・・・。

短編ですので、1話完結ですが(多分ブログ上長くなる笑)もし良かったら読んで下さいませ。


真面目なのが良いのか、少しラブラブ💕なのが良いのかご希望がある方は今のうちにコメントかメッセージ✉✍にお願いいたします🌼


多分りまワールド・・・👉


りまでした( ◜ᴗ◝ )

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