―久遠― | ー夢星石ーシンイ二次創作

ー夢星石ーシンイ二次創作

☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。



一気に載せました。(長いかな?どうかな?)

お時間ある時にでもどうぞ😊





―久遠―





『私を忘れないで』


自分に舞って来たあの布はそういう意味だと思っていた。


忘れない。

ずっとお前を慕う。

死ぬ時は俺を迎えに来てくれ。


師匠から託された剣に巻き付け、自分の中でそれが消えぬ様に錠を掛け誰が何と言おうとその鍵は外さないと心に誓った。


「俺は何時かここを出る」


呟いた言葉を聞いたテマンは一瞬寂しそうな眼差しを向けて来たが、その視線を無視し隊の中へと歩いて行った。

任務放棄をする訳では無い。

今の任務を終了した後に次の王にでも役目を外して貰うだけだ。

元々自分が起こした隊では無いし、あの者らは自分よりもチュンソクの言葉を聞いているのだから大した引き継ぎも無く出来る筈だ。


ふと、感じた視線に顔を向けると侍医のチャンビンが此方を見ている。


「・・・何だ?」

「・・・何処に行こうと思っています?」

「何処とは?」

「此処とは違う場所でしょうか」


チャン侍医の言葉に黙ったヨンをちらりと一瞥し、彼はその場を離れて行く。


一人になったヨンは舌打ちを頭の中だけでし、土で汚れた外套を身体に巻き付けた。




不運なのか、ただ自分は常に死と隣合わせなのか、天候さえも味方になってくれず開京に帰るだけなのに何時もの倍の時間を費やし皆はほとほと憔悴していた。

会話もしない王と王妃に変わり、口煩いチョイルシン参理にチャン侍医でさえ馬車に近づかなくなっている。


「まだ着かぬのか?まさか道に迷ったのではないか?」

「でしたら先に歩いて確かめて来たら如何か?」

「何て無礼な隊長だ!王様、小奴らは信用出来ませぬ。違う部隊を呼んだ方が良いかと!」

「誰がそれを呼びに行くのだ?そもそもこの国に知る者等おらぬのに・・・」


王の発言は人質の様に元に連れて行かれ、元の思惑通りに再び高麗に戻された王族の血への皮肉にも感じ、だがこの場に同情出来る者は誰もいない。

唯一言える立場の王妃は別な馬車の中だが、隣にいたとしてもきっと何も言わないだろう。

王妃もまた元から高麗へと人質の身で連れて来られたのだから。



強雨に泥濘む道に時間を食い、宿屋に着いたのは予定よりも遅かった。だからなのか、川を渡る為の船が全て出ているという。


「そんな訳がないだろう!」


怒鳴るトルベに船頭は狼狽えながらも商人が大量の荷物を積む為に使ったと言って来る。


「隊長・・・」

「だったら別な船を探せばいいだろう。いちいち報告するな、取れたら教えろ」


そう言い階段を登って行くヨンの背中を見つめチュンソクは長いため息を吐いた。



こんな世はうんざりだ。



「早く会いたいよ」


誰に?

師匠にも兄弟子にも、

そして何よりメヒに会いたい。

この地に未練はもう無く、あの世ならば皆から祝福されメヒと婚儀を挙げれるだろうと考えてもいる。

唯一心残りは叔母と自分が拾ってしまったテマンだけだろうか?


ボロボロに紐の様になってしまった布を指先で撫でると、楽しかった赤月隊の頃を思い出す。


特殊な部隊だった為にその功績を全て知る者も殆どいなくなった。いても緘口令(かんこうれい)で話せなくなり7年経った今は気付けば話が上がる事も無い。

それでもいい。

それでいい。

あの部隊は自分だけのものだ。

仲間を知らない者は何も言うな。


――どうにかして、あの世に行けないか?



その機会が来たのだと思った。



刺客の奇襲で負傷した王妃の姿に、呆然と打ちひしがれる王と高麗は終わりだと嘆く参理。

この責任は護衛出来なかった我々の責任になり、開京に帰れば自分達は処罰対象になるだろう。


「・・・俺が全て責任を取る」

「たかが一兵のお主の命等引き換えにもならない!」


ヨンの言葉に無駄だと喚くチョ参理に鼻で笑う。

一瞬だけチャン侍医がこちらを見たが、視線が交わる事無く壁へと顔を向けた。


「華佗です!」


唐突な言葉にまだ騒いでいるチョ参理を見ると、彼は赤い雲を見たと話し出した。


「赤い雲の下には華佗がいるのです。先程山の上にあった、あれは華佗が降りて来た証です!」


まともに聞いた自分が愚かだったとチャン侍医はため息を吐き、王は再び頭を下げて行く。



華佗は天医だという。

天の者を下界に連れて来たら自分に下されるのは何だろうか?

褒美か、罰か?


「・・・」


立ち上がろうとガチャリと剣を震わすと、その音にチャン侍医はヨンに向き、


「・・・行くのですか?」

「・・・いるのなら、連れて来なくてはな」





そうだ。

そうだった。



自分は、

何の為に天の者を連れて来たのか――。









――どうして今更、そんな事を。



胸の奥に押し込めていた事を思い出し、ヨンは進ませていた足を止めた。

向かう先は典医寺でもう何百回も歩いているというのに、何故か先に進める事が出来ない。


あの方が高麗に帰って来て、一つの季節が終わっている。


待った四年などあの方の顔を見た途端、短いとさえ感じてしまったのだから気持ちとは勝手なものだと改めて思う。

それでも再び高麗に帰って来てくれた人を抱き締めないという選択は無く、自分が土に汚れている事も忘れ温もりを思い出したいと鎧のまま閉じ込めていた。


再会の場所があの草原で本当に良かった。

おそらくあの時の衝動は室内だったら、そのままあの方を押し倒していた可能性もあったからだ。

だが抱き締めた身体が四年前よりも痩せ細っている事に即座に気付き、一気に押し寄せた不安に急いで部隊がいる宿へと向かっていた。


毒は既に消え去ったとあの方は言った。

後遺症も無いと言う。

しかし、話を聞くと元の場所では無く高麗の更に前の時に行っていたという。


「・・・やはりでしたか」

「・・・?」


ヨンの言葉に不思議そうに首を傾げる姿が可愛らしいと感じながらも懐から小瓶を出すと、驚いた表情で瓶とヨンの顔を交互に見た。


漸く言える。


「・・・お待ちしておりました」


ヨンの言葉に、

あの方は瞳を再び潤ませ、

懐かしい微笑みを、

返してくれた。





なのに――。



ヨンは固まってしまった自分の足を見つめる。



手に握った巻物を無意識に強く握り締めており、我に返って慌てて皺を直した。


漸く自分とあの方の婚儀の許可が王様から下りたのを、急いで知らせ様と来た筈なのに・・・。


「・・・俺は・・・」


何故、あの方を選んだのか。

今なら直ぐにわかる。

実は一目で気になっていた。

いや、気に入ってしまったのだ。


『あの女人が良い。』


そう判断したのは瞬時だった。


それが、慕う気持ちだと気付くのが遅くなり四年も離れてしまったが、今は体面など気にする事もしない。さすれば感じた事もない程の幸福感を感じ、これをもう二度と離せないとさえ考えている。


ヨンの横を通り過ぎて行く薬員は、止まったままの姿に心配そうに眺めるが大護軍になった彼に声を掛ける事はなかった。


今自分が幸福なのは、他の者の犠牲の上に成り立っている事を忘れた事は無く散って行った者の名を全て覚えている。



――自分は、何て愚かな。



ヨンは手に握った巻物を見つめてから、踵を返し兵舎に戻ろうとした。




「どうして戻るの?」


「ッ!?」



即座に振り返り典医寺の入口を見ると、大きな目を更に広げきょとんと此方を見るウンスがいる。

ヨンは咄嗟に手を背中に隠し、身体をウンスへと向けた。


「私に用事じゃないの?」

「・・・」


黙ったヨンにそうなのだとわかったウンスは何なの?と不思議そうな眼差しに変わる。


――愛しい。

しかし、先程まであった浮かれた気持ちは瞬殺され、何故か不安と恐怖でヨンはウンスを見つめてしまう。

ウンスをこの地に連れて来た時の話をする事は無く、腹を刺した事も負い目を感じて欲しくないと思い出す事もしなかった。


それなのに。

まさか、更に前の事を思い出してしまうとは――。


無意識に喉が乾き、小さく嚥下した。


「・・・ありましたが、用事を思い出し考えていました」

「ふーん、何の用事?」


――許嫁の自分よりも優先させる用事とは?



ウンスの言葉にグッと喉が詰まってしまう。


――許嫁。

この方を自分の許嫁として呼ぶ事の幸せに息が詰まる。


そう呼んで良いと了承を得たのもつい最近で、それまではまだ王様の客人として扱わなくてはならなかった。ウンスが天人だという話が消えた訳では無く、四年も経つのに変わらない容姿に更に訝し気に見て来る者もいた。


「再び災いが来るのではないか?」

「医仙が起こした災いとは何です?」


重臣の声にヨンが珍しく噛み付き、矢を射る様な眼差しを向けられた重臣は口籠ったが、まだ不満があるのは目に見えてわかっている。


だが直後、


「医仙ユ氏は王の客人である。無礼な行いは許さない」


王様の言葉で議論は直ぐ様終了したのだった。



それからニヶ月経ち、漸くこの巻物を賜った。


緩む頬を耐え受け取り、早足で此処に向かって来たというのに・・・自分は。



『お互いが不安にならぬ様に何でも話し合いましょう』


再会し、再びウンスはヨンにそう言った。

自分が行っていた時代の話。

そこで自分を想い一年間一人耐えていた事。

聞くだけであの草原で座っていた自分が役立たずだと言うと、


「・・・でも、貴方なら必ず待っていると思っていたから」


――信じていたわ。


ウンスはそう言った。



はぁと肺から吐き出した様な苦しい息が出た。


「・・・許さないなら、罵っても構わない。

だが、許嫁を止めるのは・・・勝手な願いだとわかっている。だが・・・」


「何?まさか内緒で怪しい事でもした訳?」

「違う」

「なら、話を聞くわ。でも部屋の中でね」

「・・・はい」


ウンスが許してくれなかったら許してくれるまで土下座をしよう。


ヨンはそう決めて、典医寺の中へと漸く入って行った――。





「・・・・・はぁー」



長い時間の後、ウンスは更に長いため息を吐き出した。


正面にはウンスと目を合わさず淡々とした口調で、だが苦しそうに過去の話をするヨンがいて、ウンスのため息を聞いたヨンは更に顔を伏せてしまった。


これが幾つもの戦を勝利した男だろうか?

ウンスには大きな身体を丸め低い声を更に低くし、所々聞き取りづらい声を発している目の前の男があの百戦錬磨大将軍の崔瑩には到底見えなかった。

確かに彼は強い。

特別な力を持って、師から引き継いだ剣を一振りすれば大勢の敵さえ一瞬にして倒す。


だが、ウンスの前で彼の戦う姿を見たのは四年だけでそれからはわからない。

知ったのは彼は意外と喜怒哀楽がはっきりしており、何より年相応の男性だった。


無口で常に不機嫌なサイコ人間だと思っていた自分が懐かしいと感じる程に、彼の性格は違っていたのだ。


・・・だからだろうか?


典医寺の前で困惑気味に立ち竦むヨンに、何かあると直感的に感じ部屋に招き入れた。

言い訳めいた言葉を吐いたと思っていたら、彼が話し始めた内容は何と私をコエックスから拐った時の話だった。


「・・・つまりは、王様の命令で私を拐ったが内心は自分が何かの罪で死んでも構わないと、あの世に行っても良いという考えが頭の片隅にあったと。そう言いたい訳ね?」


「・・・・・・はい」


――何て馬鹿正直者なのか、この人は。

有名な策士ではないのか?


気にならなかったとはいえお互い30歳を越えている人間であり、しかも彼の元許嫁の話は以前に叔母様から聞いていた。彼にだってそれを伝えているのだから知らない筈はない。

つまりは、ヨンは今更この世界に連れて来た事を懺悔して来たのだ。


出会っていなかったのだから、その時の彼の気持ちを兎や角言う権利は自分には無い。


確かに当時怒りがなかったか?と問われれば、無いとは言えない。しかし、この四年(自分には一年だが)離れてわかったのは自分がいたあの世界よりも彼を選んだのは正しい、という事だった。


“今、私は後悔しているか?”

100年前に飛ばされ、その間ひたすら考えた答えは、「していない」という事。


なのに、彼の気持ちは再びあの時に戻ってしまった様だ。


「・・・怒っても許嫁は取り止めないで欲しい。なるほどねぇ、全く自分勝手な人だこと」

「・・・・・」


ヨンの顔色が微かに白くなったのは気のせいだろうか?ウンスは肩を竦めてしまう。





「何?まさかそう考えて結婚式、・・・婚儀を遅らせ様とでも思ったの?」


「えっ!?」



ウンスの言葉にヨンが驚愕し、ガバリと伏せていた顔を上げた。



「な、何故、それを・・・」

「その巻物でしょう?王様から頂いたのは」

「え!?」 


再びヨンが慌てふためきウンスと巻物を見返し、反対にウンスは小さく頬を膨らませ顔を逸らせた。


「・・・何ていうか、数時間前に王妃様からチラッと聞いてしまって、いや、聞くつもりは無かったのよ?

でも聞いちゃったし・・・落ち着きなく待っていた自分が何だか・・・バカみたいじゃない・・・」


徐々に顔が熱くなっていく。


それを聞いてから部屋でまだかまだかとヨンが来るのを待っていたのだ。しかし、漸く結婚を待ち望んでいた女だと思われたらと恥ずかしくなって思わずクールな女性を演じてしまった。


だが、そう言おうとチラリとヨンを見たウンスはそのまま固まってしまう。


おそらく赤くなった自分よりも更に顔を赤らめ、口を一文字にぎゅっと結び此方を凝視しているヨンがいた。



「・・・それは、了承したと捉えて良いのですか?」


強い眼差しは、そうだと肯定の返事だけを待っている。


「・・・こんな、勝手な気持ちで拐った俺の妻になって下さるのですね?」


「・・・コホン、私が選んだのは貴方なんだから。良いに決まっているでしょ、っ」


言い終わらぬうちにウンスはヨンに苦しい程に強く抱き締められていた。


頬を掠めるヨンの息が擽ったく肩を竦めば、ゆっくりと彼の唇がウンスの唇へと近付いて来る。


――そういえば、彼の体温を感じたのは何時だったか?


あの草原から開京へ帰るまでに寄った宿屋だったかもしれない。それでも、耳が良いテマンや隊の者らが気になるとウンスが言い最後まではしなかった。

王宮でも時々口吻はしていたが、

『真(まこと)の夫婦になるまでは』

などと言って来たヨンの眼差しが名残り惜しそうにしていたのを覚えている。


とはいえ、外にも王妃が付けた武閣氏の護衛が見張りがいるのだが。


「・・・そうね、夜なら・・・」

「?」


口を背け話し始めたウンスに微かに拗ねたヨンが何が?と聞いて来る。


「・・・部屋に来ても良いけど・・・どうする?」


「・・・。――っ!?」


一瞬間があり、

意味に気付いたヨンは大袈裟に顔を上げ窓や壁を忙しなく見た後直ぐにウンスを見つめ返した。


「・・・来ます!」


言う前に小さく咳をするヨンに、何故か可愛らしいと感じてしまうのはやはり惚れた弱みだからだろうか?

夕餉はウンスはトギと食べ、ヨンは兵舎で済ませている。

恋人であり許嫁とはいえ、夫婦になるまでは不埒な行動は慎めというこの時代の掟に従ってはいるがウンスとしては恋人が出来たのだから甘い一時だって欲しい。



――ごめんなさいね!

そんな事さえも憧れていた女で!



そして、ウンスからの誘いに否などヨンが言える筈も無く――。



「夕餉が終わりましたら、直ぐに参ります」

「湯浴みもあるし、そんな早くは・・・」

「湯浴みなら俺が手伝います」

「えぇ?」


ヨンの勢いのが強くなっていると感じながらも、ウンスが頷くと彼の唇が再び口へと向かって来る。



「・・・一度だけ。それで、夜まで耐えます故」



――あれは夜一緒に見ましょう?



机に置いた巻物をチラリと見てヨンが言う。

何処でとは言わなかったし、おそらく広げて確認するのもまた暫く後なのだろう。


ヨンが背中に手を回し徐々に密着していく身体に、ウンスはそれでも良いかと彼の唇を受け止める為に自分もまた彼の厚みのある腰へと腕を伸ばすのだった――。








後日――。



「・・・あぁ、そうだねぇ。あの頃の赤月隊は選ばれた者しか入る事は出来なかったし、そうそう特殊な血を薄める訳にもいかない。偶然でなく必然的に誰かがメヒと夫婦になると決めていたんだよ。それが年が近いヨンだったという・・・おそらく、ムンチフもそこは了承していた事だったと思うよ。何せ、ヨンが次の隊長になるのは決まっていたからね」

「・・・そ、そうだったんですか?」

「内功を操れる者なんて、練気してもなれるもんじゃない。落とされた者だって沢山いたからね」

「彼らはエリート中のエリートなんですね」

「えり?まぁ、あれが初恋だとは思うが・・・うーん、ヨンのあれは浮かれだった様にも見えるね。だって今のあいつときたら・・・」


「マンボ姐!何故ウンスを連れて来た!」


「キャッ!」


突然店に入って来たヨンに食べていた客達は、あの大護軍だと驚愕し、慌てふためいている。

ウンスもまた大きな声に肩を跳ねさせてしまった。


「煩いよ!店内なんだから静かに入ってきな!」

「だったら、ウンスを連れて行くな!・・・イムジャ、大丈夫か?」


先程まで怒りの表情がウンスには心配そうに眉を下げ話し掛けるヨンに、その素早い豹変さに客達は唖然と遠くから様子を伺っている。


「典医寺に行ったら市井から迎えが来たと聞き、またかと思ったが・・・帰りましょう、イムジャ」

「え?まだお酒が来てない・・・」

「酒は夜に俺と飲めば良いのです」

「おつまみがないと・・・」

「作らせます。だから、もう行きましょう」

「・・・仕方ないわね~」


いそいそとウンスを椅子から立ち上がらせ、周りからの視線を防ぐ様に肩を抱きヨンとウンスは店から消えて行った。


「見たかい?今の最後の睨み。“自分の妻を見るな”と言わんばかりに客を睨んで行ったよ」


確かに野暮ったい客の中でウンスだけは清涼な風が吹いている様に爽やかな上、華やかだった。食べている客達もこの女人は一体と不思議そうに眺めてもいたのだ。


「元々がヨンがあんな性格なんだろう?俺はあんな姿しか見た事なかったからな」


数年前から知る仲間はそう言い、飯を食い始めている。

しかし、マンボはゆるりと首を振った。


「違う違う、昔のヨンはメヒにあんな姿は見せなかったよ。多分、本来のヨンはああなんだろう、自分の妻を独り占めしたい。ガキみたいな奴って事さ」

「おーおー、熱い事で。婚儀が終わったばかりだが子が授かるのも早いかもな・・イテッ!」


余計な事を言うなとマンボは仲間の頭を叩き、仕事に戻るべく厨房に戻って行った。





しかし、

それから三ヶ月経ち、再びヨンが煩い音を立て店に入って来た。



「相変わらず、お前は静かに入って来る事が出来ないのかい!」

「そんな話をしている場合ではない!・・・ウンスが、ウンスが倒れた・・・」

「え?」

「・・・吐くと言って外に出ていたら、目眩がするといきなり倒れた・・・」

「・・・何時から具合が悪かった?」

「え?いや、少し前から・・・兎に角、早く屋敷に来てくれ!」


大きな体躯で狼狽えるヨンに再び客達は、唖然とする。


しかしマンボは、


「大丈夫だろ。あんたの女房は医者じゃないか」

「ああ!?」


「・・・薄々気付いているだろうさ、兎に角準備するから待ってな」



――漸く、崔家にも新しい命が出来たって事だね。



まだ店内で頭を抱え狼狽しているヨンの姿を見たマンボは、ククッと笑ったのだった――。





―久遠―







△△△△△△△△

夫婦事が少し入りますので、カテゴリーは秋夕にしました(笑)

そんな結婚前💍でも良いかなぁ・・・と思いましてね( ˙꒳​˙ )🪷



🐥🐥🐥🐥🐥


お久しぶりです。

りまです。

以前言っていた絵のお仕事はとりあえず一段落致しましたのでまたシンイの世界に戻ってきました(^-^)

イラストと言っても普通の会社の色々な物のデザインですので、二次作品身は一切無いという。

しかし、そんなデザイン的な仕事も楽しいなぁ♡と思いましたね。(何回も修正しましたが・・・💦)


また時間も空いたし、自分の趣味に没頭しなくては!

ですねぇ💞


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🦌🦅🦮🐧🦊🐈🐥もうすぐ来日❣️