エントランスホールで女神は微笑む⑯ | ー夢星石ーシンイ二次創作

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☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。



※ゲーム用語やマニアックな話が含まれます。
意味等を書いてはいますがわからない部分はさらりと流して構いませんよ・・・。
※こちらはチャンビンの行動になります。

エントランスホールで女神は微笑む⑯




イベント会場から出たチャンビンは、振動したスマホに気付きポケットから取り出し見ると、
相手はユン氏からだったが来る事は想定内だと画面をタップし何ですか?と声を出した。

だが。

『何ですか?じゃないよ!チャン氏、今招待状に書かれてあったホテルにいただろう?』
「ええ、事情がありまして結局来る事になったんです。一応会社名も書いて名刺も出しました」
『あ、ありがとう、一人も行かなかったからな・・・この先の取引も心配だった・・・じゃなくて!』

ユン氏が唐突に声を上げ、チャンビンは思わずスマホを耳から遠ざける。

製薬会社のデータをヨンに渡したと連絡しておいたから、その報告を先にしろとの事か?とチャンビンはため息を吐き出した。

「あぁ、すみません。あれは無事チェヨン氏が内部の裏切者達に・」
『それだよ!』
「は?どれです?」
『おそらく同じフロアの誰かが撮っていたのだと思うがその動画が会社に送信されて来たんだ。チェ製薬会社の次期社長と上層部のいざこざがそのまま流されているやつが』
「・・・何だって?」

ユン氏の話では、いきなり会社のメールに会場で起きた出来事がそのまま動画として送信されて来たという。

とりあえず来た部署がチャンやユン氏がいるセキュリティメンテナンス部のメールだった為他の社員達に見られる恐れは無かったが、間違って他の部署やSNS等に配信される様ならとんでもない騒ぎになっていた可能性がある、とユン氏は話す。


『製薬会社次期社長チェヨン氏、セキュリティ強化で社内の反乱分子を一掃か?』

『まさかの下克上?
謎の御曹司チェヨンの正体!』

『ドラマの様な次期社長チェヨン氏の宣告。
チェ製薬会社の株価に影響か?』




「・・・・・」



うるさい色使いのゴシック体が並ぶ、騒ぎを更に煽る様なサムネの動画が一斉に並んだ想像に、チャンビンは思わずスマホを耳に付けたまま後ろを振り返った。

エントランスホールにはまだ誰も出て来ていない。
だとすると、動画を撮った奴はまだあのフロア内にいる事になる。

しかし。

おかしいのは何故うちの会社に送信して来たかという事だ。
ユン氏が調べる限り、まだ動画配信サイトにはその様な物は流れてはいないらしい。

チェヨンを脅すつもりなのか?
はたまた、証拠を此方に送っただけなのか?


「・・・まてよ?」

会場に行く前にヨンは何処に行っていた?
その話をしている時に、自分も調べた事があった筈だ。

チャンビンは急いでスマホの画面を見て、ヨンの電話番号を探したが・・・。


「・・・家に帰れば、会社名がわかるか」


セキュリティ会社に送信して来たという事は、此方に用があるという事だ。

――あの二人には、今は知らせない方が良いだろう。

はたして“チェヨン”の敵か味方か?
我々がチェ製薬会社というより、既にヨンの為のセキュリティ会社になっている気もするが彼だけで無くウンスの為でもありそこはチャンビンとしては仕方がないと諦めてもいる。
それに漸くお互いが心が通じ合ったというのに、邪魔をしてヨンから恨みを買う事はしたくない。

ユン氏との会話を終わらせたチャンビンは暫く佇み、顔を上げホールの天井を見つめていたが――。




「・・・あまりこういう事はしたくないんですけどね」


そう呟くとチャンビンは再びスマホを掛け始めた。


「・・・あー、“アーク”氏?お疲れ様です。この間はありがとうございました、結局僕は地下52階までしか行けませんでしたよ。いやぁ、まだ武器の強化が浅かったって事で・・・へぇ、ラスボスまで行けました?羨ましいな・・・、あはは、そのうち運営もナーフ(※武器やシステムの弱体化)を考えるんじゃないでしょうかねぇ?切に願いたいですよ」

オンラインゲームで知り合った“アーク”氏とはギルド(※オンライン上でのグループ、組合)を組んでおり、電話で会話をしながらミッションをする仲にまでなっていた。どうやら在住は大邱市らしいが、オンライン上で知り合った知人の個人情報は本人が話すまでは聞かないのが暗黙のルールでもある。

だが、この彼は・・・。

「今度新作プロテクター(※防御装備)が配信されたら教えて下さいね。
・・・所で、ギルドメンバーに連絡して欲しい事がありまして・・・」

チャンビンの話を聞いた彼は少し間の後、

『・・・リアルの方ね?了解。』
「ありがとうございます」

チャンビンが礼を言うと通話は切れた。



表に英雄がいるのなら自分は影から支える。

チャンビンの得意とする所であり、それは時代も役職も違えど役に立たない場所等一つも無いのだと思っている。
何処で何と繋がりがあるかが大事だと、今までの人生で学び自分に合う役割をはたして来た。


それは今も昔も変わらない。


それに――。



「・・・表舞台にいる人間だけが、強いって訳でもないんですよ?」


チャンビンはスマホをポケットにしまい、かわりに車の鍵を取り出し足早にエントランスホールを後にする。


鍵には、小さな白梅の飾りが付いたノリゲの様なキーホルダーが付いていたのだった――。







⑰に続く
△△△△△△

エントランス~はお久しぶりです。
ヨン、ウンス側はアメ限としてちょいちょい入っていきます😌その間は表はチャンビン側の話になりますので、興味がある方は読んでやって下さいませ🍀
しかし、何せチャンビン側はゲーム用語やマニアック用語が入りますので少し※で意味も入っております。
わからない方は本当にはて?🙄状態になるかもしれません。
彼の話の中には何個かあった【特別話】の内容も入ってきます。

不憫な男だけでは無いのがチャン侍医よ。✨







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