蝶が舞う頃に③
バタバタと何やら診療所内が慌ただしい。
トクマンはその空気を感じ取り、
薬草園の花壇端に座っていたがどうした?と立ち上がり中を覗き――。
「わぁー!」
その光景に、すぐさま目を両手で塞ぎ外に出た。
「ん?」
「トクマンか?」
トクマンの叫んだ声に、ウンスとチャン侍医が同時に顔を上げ入口を見た。
「何しているのですか?!」
焦り気味の上擦った声が聞こえ、チャン侍医がはい?と声を出す。
一瞬しか見ていないが、二人が顔を寄せ合っている様に見えたのだ。
だが、そうではなく。
「医仙の足に薬湯が掛かりまして」
「えぇー?!」
「でも大丈夫よ。足の甲に少しだけ掛かっただけだから」
「しかし、これは暫く痛みが出るかと・・・」
「軽いやけどね。でも水脹れになって消えそうでもあるけど」
深刻そうなチャン侍医の言葉と大した傷にはならないと言うウンス。だが、トクマンには見る事が出来ない為具合がわからない。
「・・・医仙、大丈夫ですか?」
女人の身体に傷が残ってしまうなど・・・。
診療所の外からトクマンも声を掛けると、ウンスはふふっと笑い大丈夫と返して来た。
「ですが二、三日程は歩かない様に」
「えぇ?!」
チャン侍医の言葉に抗議めいた驚きの声を上げたウンスだったが、医者のウンスにもそれはわかっているのだろう、渋々と頷き了承するとチャン侍医はやれやれと言いウンスの手を掴み立ち上がらせた。
「トクマン、向こうの部屋に医仙を移します」
「え?はいっ」
チャン侍医の言葉にトクマンが部屋内を伺うと、侍医がウンスの腰に手を回し、
それを支えにウンスがヒョコヒョコと片足だけで歩き部屋へと向かう二人の背中が見える。
「わぁ・・・痛いだろうなぁー・・・お可哀想に」
抱き上げれば良いだろうにと思ったが、そこは嫁入り前の女人、チャン侍医が気を使ったのだとわかった。
――いや、そんな事よりも・・・。
「・・・天人に触っている!・・・羨ましいな」
――“きっとあの天人の身体は衣の様に柔らかく軽いのだろう、それは天女の如く。”
前にトルベがそう漏らし副隊長に怒られていたが内心自分もふと思った。
医者の割には体躯のあるチャン侍医の身体に半分程すっぽりと隠れてしまった天人の背中を見つつ、トクマンはそういえばと思い出す。
時々何処かから漂う甘く爽やかな香りは、あの天人のものだった。
とても良い匂いで思い切り吸ってみたいとも思ったが、恥ずべき事だと思い止めたのだ。
それをあんな間近で――。
「いいなぁ、チャン侍医・・・」
ボソリと呟いたが、
気を取り直しトクマンもウンスの部屋へと向かったのだった――。
④に続く
△△△△△△
・・・あー・・・。(,,・д・)
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