君に降る華(16) | ー常永久ーシンイ二次創作

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二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。



ここからは、原作と少し違う展開になります。
原作が好きという方は違和感を感じるかもしれません。それでも良いよという方はお進み下さいませね(*´`)


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君に降る華(16)




「これは天が我らに与えて下さった好機なのです!」


ウンスを王宮へと招き我らの後ろには天の使いがいるのだと民に、元に知らしめるべきだと重臣のチョイルシンは再び興奮気味に王様に語り始め、それを聞いていたチャン侍医は部屋の入口に背を付け黙って王様を見ているヨンを伺ってしまう。

先程から彼は王様と重臣の会話に入ろうとはしない、だが重く何故か息苦しささえ感じるこの部屋の空気を感じ取ったのはチャン侍医だけでは無いようで、王様はしきりに視線をヨンへと向けていた。

「・・・あの女人がいれば余の王位は守られるという。隊長はどう思う?」

王様の問いにヨンは小さくため息を吐き出したが、口を開ける前にチョイルシンが声を上げた。

「このような事は高麗に、今ままでの王様に与えられたこと等無かった。王様は天から選ばれたのです!」

それを聞きヨンのこめかみがピクリと動き、更に部屋が寒いと感じたチャン侍医は静かに部屋の隅に移動して行く。

チャン侍医は話をトクマンから聞いていたが、その話によると王様も重臣もヨンが天門に向かって叫びあの女人を呼び寄せたのを見ている筈で、二人が何らかしら関わりがある事を疎い者でも見ていれば直ぐにわかったという。

王様に、高麗に、捧げる為にウンスの名を呼んだ訳ではないとヨンの目が語っている。

チョイルシンはそれも気付いているのだ。
それでも重臣の中での天秤はヨンの事情より国の存続なのだろう。

「その為にユウンスを連れて行く訳では無い」

「そんな事はわかっている。しかし、あの女人は天から来て王妃の傷を治したのも事実だ!ただの女人が来たという訳では無い」
「・・・何?」

それではウンスが何も治療等が出来ない女だったら、役立たずと言うつもりだったのか?再び誰かが天門を潜れと指示を出すつもりだったのだと?
確かに使命は王妃の治療を出来る医者を探しに行く事だ。だが勝手な考えに、数年前と何も変わらないとヨンはギリギリと歯を食い縛った。

結局はウンスを何時も宮殿への貢ぎ物として扱おうとする。

あの時、木を倒し数年会えなくなった辛さ等知って貰う必要は無いが、再びウンスを生贄の様に皆の前に出すつもりも無い。


「医者が王妃を治しただけだ。誰が天門等信じるのか?」
「見たではないか!あの光から女人が出て来たのを・・’」

「悪いが、某には光は見えなかった」
「何?」

重臣も王様もあの空からの稲妻の様な光を見ていて、目の前にいたヨンが見えていない訳がないと驚いた。二人が唖然とヨンを見ていたが、彼は光も稲妻も見えなかったと言う。


「某は、雪しか見えていない」

その言葉にチャン侍医も、首を傾げヨンを見
たがふとある事を思い出した。


・・・“雪だるま?”

数年前に貰った甘い果実と“雪だるま”という謎の雪の像。


「・・・あれは、天界のものだったのか」

見た事無い物ばかりで不思議に思っていた事が漸くわかり、納得と頷いたのだった――。





「・・・開京の王宮に向かうが、ユウンスも一時その中で過ごして貰わなくてはいけなくなった」

暫くしてウンスがいる部屋に戻って来たヨンが沈んだ顔のまま話をして来た。

ヨンとしては王宮の外にあるチェ家が管理する屋敷に連れて行こうと考えていたのだが、重臣の意見を聞いた王様は、

「あの者に暫く王妃の傷を診て欲しい」

そう言って眉を下げる。

保身と王妃の心配とまだ高麗の内情を知らない彼は、反論する迄の威勢をまだ持ち合わせていなかったのだ。王様の言葉は頼みでは無く、使命そのものでヨンに拒否権は無い。
ヨンは無言で頭を下げ、王様がいる部屋を出るしかなかった。


「私の部屋はあるのかしら?」
「・・・おそらく」
「服は?寝具は?」
「それは用意する」

ヨンが再び向かいに座り、ウンスの為に色々用意をするという話を語って来るがウンスもここを離れたらはたして何時帰れるのかも、向こうの山に再び道が出るのかもわからない。その間自分の衣食住をしっかり確保しておきたかった。


しかも。


「・・・あー、私逃げたと思われてしまうわ」
「逃げた?」

何から?ヨンが聞き返すと、

「去年から美容整形外科に移ったんだけど、そこのリーダーの男とどうにも合わなくて・・・だから独立してやろうと考えていたのよね。でも、辞表を出したは良いものの、支援者が見つからなくて・・・だから、その、私を好きだと言ってくれた男と・・・待ち合わせを・・」
「おい、ユウンス」

何と、ウンスは独立の為に金を出させ様と男と会おうとしていたらしい。

「だって、そうしなきゃ私の夢が・・・」
「ユウンスの夢の為に、昔みたいに辛い目に合おうとしているのだぞ?」

わかっている。
たいして好みでも無い男と食事をし、甘い言葉を吐き、もしかしたらホテルにも行っていたかもしれない。

約束の場所に向かい歩道を歩きながら、自分は一体何をしているのか?と後悔し始めていた。


そして――。

雪原に立っていたチェヨンという青年を思い出した。


彼が今の自分を見たら、きっとまた冷たい言葉をぶつけて来るだろう。しかし、嘲る訳でも無く道を間違えるなと教えて来るのだ。
深い眼差しはきっと自分より大変なものを見て、暮らしているとわかっている。

そんな彼が、ウンスの髪ゴムを良いと言い欲しいと言って来た。

何て、純粋な人なのか。



――・・・あの寒い雪原にまた行きたいな。

――彼は元気だろうか?


そう考えていると、何故か自分の目の前にはあのチェヨンが立っていたのだった。

そしてまた高麗に来てしまっている。
驚愕したが、内心また来れたと安堵もしていた。
あぁ、どうやら彼は変わらず元気の様だ。
良かった。

・・・私はどうだろう?仕事に追われ、思い通りに行かない生活と支援者を探そうと必死になり、男に強請ろうとしていたなんて・・・。

やはり話すと、チェヨンに前と変わらず叱られてしまった。


「・・・私は何も変わって無いのよ・・・」

はぁーと額に手を付き、そのままウンスは俯いてしまう。
正面で見つめていたヨンだったが、俯いているウンスに手を伸ばしウンスの手に触れて来た。


「俺はあの時、後悔した事があった」
「・・・・・」
「・・・俺が触れられないのに、他の男が触る等怒りしかない」
「?!」

それが一番の心配だった。

ウンスはパチパチと瞬きをしているが、ふと気付くと確かにヨンは直ぐウンスの手を握って来ている。


「ユウンスがこの言葉に弱いというのなら、俺が言う。
俺はあの時からずっとユウンスが“すき”だ。
離すつもりは微塵も考えていない」


天界の者だと遠慮したから後悔したのだ。



「俺は、ユウンスが欲しい」


ヨンの言葉にウンスの身体が衝撃を受けた様に何かが走り、無意識に息を止めていた。


「・・・直球すぎるわよ」

ウンスの顔が真っ赤になり、空いてる手で隠そうとしたがその手もヨンに掴まれてしまう。

「返事を」
「ちょっとー!早いわ!」

「早くない。俺は数年待ったと言っただろう」
「いや、でも」

いつの間にかヨンは椅子から立ち上がり、ジリジリとウンスに近付いていた。
笑っていない為か余計にヨンから漂う圧が強く、ウンスはゴクリと喉を鳴らしてしまう。


「何て言えば・・・」
「許すとだけで良い」

――許すのは何処迄の話?

ウンスの問いに、ヨンは少し目を薄めムッとなる。

「全てに決まっている」

・・・やっぱり?!

仰け反り始めたウンスに気付き、逃がさないとばかりに椅子を押さえ付け上から見下ろして来た。

机とヨンの腕に囲われ逃げる事が出来ないウンスは、間近にあるヨンの顔を見上げるしかなく――。


「言ってくれ」


――・・・純粋と直球な性格の違いとは?


先程から早打ちする鼓動で頭が回らないのをわかっていないのか?と言いたい。

だがその時、部屋の外からガタガタと慌てた物音と、階段を降りて来た数人の足音にヨンは瞬時に顔を扉に向けた。

「王妃が目を覚ましました!」
「わかった」

外からの隊士の報告にヨンが即座に返事をし、視線をウンスに向けて来る。

「出立する準備をするので」
「え?」
「ウンス、の荷物は無いが・・・部隊が揃い次第直ぐ出るつもりだ」

・・・結局、あの来た場所から離れるのか。


「ウンスは俺が守るから大丈夫。だから離れないでくれ」
「・・・う、うん」

ウンスの返事を聞いたヨンは、ゆっくりと顔を近付けウンスの頬に自分の唇をそっと触れ・・・。


「男の性では無いからな」

ユウンスだから、言うのだ。


そう言うとヨンは身体を離し、素早く部屋から出て行った。


・・・あれ?

――・・・雪原に佇んでいた純粋なあの青年は?


ウンスは感触が残っている頬を抑え、

呆然と扉を見つめるのだった――。









(17)に続く
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そりゃあもう30になるのだから攻めるわよね。




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