君に降る華(1) | ー常永久ーシンイ二次創作

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君に降る華(1)





ザク

ザク

ザク

・・・・

・・

歩く度に雪が鳴る。

それ以外は何の音も無く、動きを止めれば一瞬耳がおかしくなった感覚にさえなりそうだ。


「・・・・・」
ヨンは足を止め、後ろを振り返った。


先程までいた騒々しい場所とは違い、全てが消えた様な雪原。
暖かい季節を待ち今はまだ眠っている木々や、動物の音さえ無く、冷たい空気の中に自分が吐いた吐息が白く舞い上がるだけ。

後ろから誰も付いて来ていないと確認をし、そこで漸く長い息を吐いた。


「・・・はぁー、面倒だな、本当に」


自ら望んだ訳でも無い隊長の座。
伝えても半分も理解しない隊士達。

「チュンソクでさえ、何を考えているかもわからん」

確かに自分の指示をよく汲み取り、隊士達に指導をしている様だが。

「もっと・・・あぁ、クソ」

王宮や重臣から依頼されるのは不正した大臣や地方の揉め事、くだらない側室の護衛。
赤月隊の時と変わらないといえばそうかもしれない。だが、だったらこんな位等必要無い。隊の責任は全てお前だと言わんばかりの眼差しを浴び、思い通りに動ける様にしごけば隊士達は尻込みして逃げて行く奴もいる。


隊長になって数ヶ月後には、結局は内功以外は秀でた能力は無いのだと陰口まで言われる始末になっていた。


「彼奴らが無駄な動きばかりするからだ」


俺のせいではない。

先程だって、何故指示に従わないで勝手に動くのか?そのせいで気が散り敵の剣を自分が受けるはめになってしまった。


――クソ、クソッ!

真っ白な雪原にしゃがみ込み、腕から流れ出た血の固まりを雪で落としていく。
傷は浅いものだったが、流れ出た血で服も袖も赤く染みている。


――・・・もっと深く切られたら良かったのだろうか?
反射的に避けてしまったが、素直にこれを受けていれば腹まで貫いていたのではないか?



――そうすれば、俺は直ぐにメヒに会いに行けたのかもしれない。


メヒや仲間達、全員がいなくなって一年が経った。
誰も自分を信じてくれなかった。
まだ隊長程の器にもなれていないと自覚はしている。

・・・それでも。

メヒだけでも、
俺を信じて欲しかった。



俺はまだあの大樹には行けていない。

近くに寄った事もあったが、足が、身体が、全力で拒否をする。

あの時見た姿は、手や足が力無くだらりと下ろされ、俯いた顔は生きていた頃の光も消え、中身が全て無になった様に見えた。
大樹から降ろし、寝かせた体温の無い身体を静かに見つめ、少しでも、指先だけでも動かないかと儚い望みさえ持ち何時までも待っていたが、変色していく肌に心の奥底では諦めろと言っている自分もいたのだ。


・・・もういないのだから、俺がこの世にいる意味は何なのだろう?
何の為に生かされて、それに従っているのだろうか?


手を動かし、白かった雪が赤く変色していく様を見ながら淡々と考えている自分がいた。




カサリ



直ぐ近くで人間の気配がした事に今気付き、慌ててヨンが顔を上げると、


白い肌の、
白い外套を羽織った、
見た事が無い、
髪色と、顔の、

女人がいた。





「・・・俺を迎えに来たのか?」




あの世からの使いの様な姿に、思わず声が出た。


迎えに来た。
俺はメヒに会いに行けるのだ。





「・・・何言ってんの?怪我してるの?救急車呼ぶ?」


天からの使いだと思った女人は、
意味のわからない事を話し出した――。


何を呼ぶだと?
知らん。

違うのか?
何だ。


「・・・お前は誰だ?何故ここにいる?」

途端に鋭い眼差しで睨み付けると、目の前の女人ははぁ?と片眉を上げて来る。

「私の実家が直ぐ近くで久しぶりに散歩に来たんだけど?アンタこそ何なの?ここは貴方の土地?」
「違う」
「だったら、散歩は自由でしょう?」

しかし、そう言った女人は周りを見て何か考えている様で・・・。



「・・・ところで、ここは何処かしら?
私2年ぶりに実家に帰って来たんだけど、家が増えてわからなくなっちゃったわ・・・近くにある公園知らない?」


・・・この女人、もしや少し頭が・・・?


「・・・お前の家は直ぐ近くにあるのだな?」
「ええ」

「だったら、さっさと帰れ。また雪が激しくなるぞ」

そう言ってヨンは立ち上がった。


おそらく気がふれている。
何があったかは知らないが、関わらない方が良さそうだ。

その時、遠くから笛音が聞こえ顔を上げ耳を澄ますと、どうやら全員集まった様だった。


「・・・いいか?直ぐに帰れよ?」

女人一人でこんな所にいては、狙われる事だってあるのだ。

「わかったわよ、ねえ?本当に怪我大丈夫なの?」


再び自分よりもヨンの怪我を聞いて来たが、
この女人はまともに会話は出来そうに無いと感じたヨンは平気だと言い、
自分が付けた足跡を辿る様に戻って行ったのだった――。







(2)に続く。
△△△△△△△△△


季節外れの話よ〜笑❄❄

イラスト描いてる最中ですがその間に出そうかと思い・・・

少し世界が違いますが、“華”シリーズでもありますのであんな感じの設定で読んで頂けると有り難いです
(*´`)
そんな長くないわよ。✨


〘注意〙
※月明かり~と違って最初からメヒはおりませんので、限定にはなっておりません。
(しかし、ヨンが少し引き摺る場面はあります)




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