ジグザグ♣2 | ー常永久ーシンイ二次創作

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ジグザグ[KとUの話]②




「知らなかったのが悔しい訳じゃなく、

そこまで自分はまだ信頼されて無かったと・・・。

そこは、うん、もういいんだけど・・・」


自分で言いまた落ち込みそうになったヨンは、コホンと咳をするとソファーに向かい合わせに座っているウンスを見た。


まだ理解出来ていないウンスは先程からはぁ?としか声を出していず、ヨンもきっとこのウンスに問い詰めても、わからないだろうとは見てとれた。


・・・しかし。


「・・・ウンスがまだ病院にいた時だけど」

「うん」
「オウ医師から嫌がらせを受けていたと聞いたんだ」

「・・・あー、それね。でもその後病院を辞めたし何も無かったわよ?」



・・・それはわかっている。


ウンスはただの親睦会だと思っていて、あの時会場内で何があったのかは知らないままだった。だが知らなくて良いし、これからも知る必要は無いとヨンは思っている。

自分があの場所で何て言ったのか、

ウンスが聞いたら絶対に笑う想像しか思い浮かばないので自分としても言いたくない。


――いや、話しはそこじゃない。


「・・・あと、ウンスが時々美容関係のイベントや講習会に行っていたと聞いた」
「・・・誰から?」
「・・・イ先生」

「あぁ、なるほどねぇ」



口を尖らせ少し拗ねたウンスを見ていたが、ヨンは視線を下に向けると、


「・・・知らなかった」


ヨンの呟く声にウンスも眉を下げそれは、と口篭りぶつぶつと呟いていた。


「・・・いや、仕方ないと思っているから・・・」


怒っている訳では無い。
ウンスがあの時の自分に話したく無かったのだろうとわかっている。自分だって都合の良い話ししかしていなかった訳で、弱い所を見せたく無いという事だろうと充分にわかっていた――。

「・・・いや、そこでもなくっ」


そう言うと、いきなり距離を詰めて来たヨンに仰け反り距離を取るウンスを逃がすまいと手を握りしめた。


「イベントや講習会に一人で行っていた訳じゃないよね?」

「ん?、まあ、時々キム先生と一緒に・・・」


だって同じ美容整形外科なのだし、彼も一緒に行くと言うのだから一人よりは二人の方が話し相手がいて良いだろうと・・・。


うん、わかる。

一人だとまた余計な考え事をしてしまうからね。

ヨンは目を瞑り静かに頷いている。


・・・意味がわからないんだけど?


しかし、ヨンにその話は何時かは伝わるだろうとは思っていた。キム医師やパク医師だけでなく、古株のイ医師だって知っていてもおかしくはないし、この前も再び出掛た自分をキムは直ぐ見つけてしまっていた。

自分のストレス発散方法など、周りから見れば発散にもなっていないと思われているのかもしれない。

それでも別な事を考えている時は過去の辛さを忘れられるくらいには自分の中で消化出来ていたのだ。


「・・・もうしていないけど?」

「違うんだ、責めている訳ではなくて・・・」


困った顔で返すウンスを見て焦り気味になったヨンは、ウンスの手を強く握った。


「・・・他には何もない?」

「何って?」


きょとんとしているウンスをジッと見ていたヨンは、やはり彼女までに伝わっていなかったかと安堵しウンスをそのまま抱き締めた。


「はぁ?何なの?」

「何でも無い。ウンスはもうストレス発散で行かなくても良いんだよね?」


――俺の気持ちを知っているよね?

何か辛い事があっても自分が傍にいる。


ヨンは微笑みウンスに問い、ウンスもパチパチと瞬きした後、まぁそうね、と恥ずかしそうはにかんだ。


まだ完全には一緒に住めていない二人だが、つい2週間前にユ家にウンスとお付き合いをしている報告と結婚を前提にした関係、婚約者としての許可も頂いた。来週はチェ家にも行くつもりで用意もしている。クリニックのオーナーの叔父さんの話では、帰って来たばかりの父親がまた海外に行ってしまうという事で、チャンスは来週しかないと聞かされ自分も覚悟を決めている。


――そんな事もあり、自分達の周りでまた不穏な空気や噂を漂わせたくはなかった。


「明日は休みだし、今日はゆっくり出来るね」


ヨンは微笑み、三日前に嗅いだ筈なのに直ぐ懐かしく感じて離したくなくなる衝動を抑えながら、

ウンスの髪に鼻を埋め細くしなやかな腰に手を回し自分の身体を徐々に密着させていった――。






――・・・だとしたら、やはりキムに聞くしかないようだ。





――噂①


『キム先生が同じ病院内で恋人を作らない理由はユウンスにある。』





「――よぉ、顔を貸して貰おうか?」



美容整形外科のスタッフルームの入口に凄味を効かせた美丈夫が、仄暗い気を纏ってキムを睨んでいた。



――・・・ヤダ。行きたくない。



「早く来い」


微かに首を横に振ったキムに対し、問答無用で顎を上げ出ろと促して来る。



近くのデスクにいた男性医師はキムに小さな声で“頑張れよ”と囁いた――。





③に続く

▽▽▽▽▽▽▽▽▽


・・・何だってぇ?(’◇’)何が・・・

ヨンとウンスの同棲編は、また別にありますので・・・今回はキムとウンスの話です。


🌟【25.9修正済】



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