ジグザグ4
彼がアメリカと言った時に驚きはしたが何故かとても似合っていると思った。
だからウンスはすんなりと「ヨンなら大丈夫。頑張ってね!」と言葉が出ていた。
するとそこからはあっという間にヨンはアメリカに向け準備を始め、呆気なく簡単な挨拶だけをして行ってしまった。
唯一彼と最後まで一緒にいたのは空港迄送って欲しいと頼まれ見送ったウンスだけだった。
「ウンスも一緒に行かないか?」
なんて淡く抱いていた期待はヨンからは微塵も出なく、泣く気持ちも出ずに手を振って行くヨンに引き攣る笑顔を向けていた。
本当に私は馬鹿な女だ。
ポツンと残された空港のロビーで熟自覚し、乾いた笑いしか出なかった。
その彼を見送って4年。
約束したレストランに向かうと既にヨンが来ていると店員にテーブルに案内された。
ウンスが向かうと彼は壁全体がガラス張りの窓に顔を向け久しぶりに見た景色に魅入っている様で、その横顔を見て本当に綺麗な顔だと感心してしまう。
物理的距離からヨンとは疎遠になったけれども、時々連絡を受けたり物が届いたりと繋がりは途切れなかった。
場所は違えど同じ職業柄か、チェヨンと名前を出すと自然と噂は耳に入る。彼は多くの経験を経て大人としての貫禄や知性、容姿に劣らない立ち振る舞いを身に着け更に輝いていく彼の話を聞き、ウンスはやはり自分とは違う世界の住人なのだと寂しく感じていた。
スラリとしながらも立派な体躯のヨンは濃いグレーのスーツがよく似合っている。
手紙を渡さなくて良かったかもしれない。
あの横に立つ勇気は無い。
しかしウンスの気配に気付いたヨンが振り返り此方を見ると、これまた周りが見惚れる程の笑顔で向かい入れられた。
「ウンス」
「久しぶりね。何年ぶりかしら?」
「えぇ?声は昨日聞いたじゃないか?でもウンスを見たのは4年ぶりになるかな」
お互い最後は空港で、その間声やメールのみだった。懐かしい様な最近の様なおかしな感覚になってしまう。
ヨンはウンスの顔、首、手、身体をグルリと見渡していたが、
「あれ?」
「え?何?」
「・・・いや、何でも無い」
そう言うとヨンは少し下に視線を落とし項を掻いていたが直ぐ顔を上げた。
「ウンスに会って色々話をしたかった」
優しく微笑んで来るヨンにウンスはグッと奥歯を噛み締めていた。
彼に対して自分は何の反応もしない。
気持ちもこれ以上動かない。
呪文の様に頭の中でずっと唱えていたのだった。
(5)に続く
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
レストラン予約したのはヨン。
*言っておきますが、
現代のヨンはきちんと喜怒哀楽を出しますからね・・・。(;´д`)
※このお話は、
6~9時間おきに上がりますので
その辺りで見ていただくと良いかと・・・f^^*)
これもそんな長くないの筈なんですが・・・
