イトシイイトシイイウココロ㉓
「・・・・・」
既に数刻は経っている。
ヨンは強く目を瞑ってそのまま眠ってしまえと半ば頭を抱えた状態で寝台に横になっていた。
兵舎の中は誰もおらず開かない窓の外からヒュウヒュウと風と木々を揺らす音しか聞こえない。
部屋の灯りも灯していない為部屋の中は真っ暗だが、この暗さは既に慣れている。寧ろ暗い方が落ち着いていた。
・・・今迄は。
・・・何故俺は今一人なのだろう?
あの方は何故チャン侍医を自分の部屋に招いたのだろうか?
それは俺では駄目だったのだろうか?
一つ疑問が湧くと次々と頭を占め、
止めろというのに止まらない。
「・・・考えるなっ」
段々と苛立つ衝動のままに懐から手巾を取り出すとそれを掴んだまま拳を柱に叩き付けた。
これをあの方から貰ってしまったのが間違いだったのだ。
だから勘違いをした。
最初からあの二人は仲睦まじい様子だったではないか。
なのに、こんな物を貰ってしまったが為に今こんな体たらくになってしまった。
叔母上が知っているという事は周りの者達にも知られていたのだ。
「情けない!」
暗い部屋の天井を睨み付けた。
木の染みや裂け部分等もう事細かく言える程見飽きた景色。
自分はこの暗さが一番似合うのに、
何を明るい方へ近付こうとしたのか?
灯りに群がる虫と同じだ。
あの方の近くにいれば自分の穢れが落ちるとでも思ったのだろうか?
「・・・いや、チャン侍医が正しいのだ」
チャン侍医は敢えて天界を忘れない様に似た物を作りウンスに渡したのだ。
わかっている。この地にいるのはあの方の意思ではないからな。
自分はそんな事をする権利さえ無い。
だが・・・
だけど・・・
はぁーとため息を吐き、手巾を握ったまま手で顔を覆った。
・・・お願いだ。
貴女から言って欲しい。
攫った俺では駄目なのだ。
それでも無理なら・・・
「・・・消える物を貰えば良かった」
今の自分の顔が安易に想像出来、ヨンは自嘲気味に笑うのだった――。
㉔に続く
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ヨンがもんもんしてますよ〜・・・。
寝不足気味でイラつくヨンが向かう先は・・・
末っ子のサンタさんに頼む物を見事誘導尋問で聞き出しました!急げ!ε≡ヘ( ´Д`)ノ💦
そしてツイステじゃなかった・・・私二次元好きだからぁ、の発言信じちゃった私って・・・
Amazonさんでは無くとらあなさんに頼む所だったわ!
あぶな!