学習塾の最初の教室を開くにあたって、場所選びは極めて重要です。その候補地について、条件が以下のように挙げられています。
1つ目に、その教室に通える中学校が3つあること。
2つ目に、駅から遠いこと。
3つ目に、同じ業態の学習塾が2つ以上あること。
4つ目に、大手の学習塾が2つ以上あること。
一見すると、「駅から遠くて競合が多い場所」というのは避けたくなるような条件にも見えます。しかし、この場所はむしろ戦略的に非常に有利な立地であると考えるべきです。その理由を順に説明します。
競合が多い=市場が活性化している証拠
同じ業態の学習塾や大手塾が複数存在しているということは、そのエリアに明確なニーズがあるということを示しています。つまり、学習塾を必要とする保護者や生徒がすでに多数存在し、市場としてすでに成熟しているといえるのです。
特に注目すべきは、既存の塾があるにもかかわらず、新たに塾を開く余地があるという点です。これは、「競合がいる=失敗する」というわけではなく、差別化によって選ばれる余地があることを意味します。
実際に、学習塾のスタートアップにおいて、新規生徒の半数以上が他塾からの転塾であるというデータは非常に示唆的です。塾に不満を感じている家庭が一定数おり、「よりよい選択肢」を常に探しているという現実があります。つまり、競合が多い場所ではむしろ、うまく特徴を出すことで生徒を集めやすいのです。
駅から遠い=地域密着型のニーズを満たせる
駅から遠いという点も、一見マイナスのように見えますが、実は非常に重要なポイントです。
駅チカの塾は確かに利便性が高いですが、その分、周囲に多数の塾が密集していることも多く、競争も激化しています。しかも、駅を中心としたエリアは「通塾距離が長い生徒」を対象とすることが多く、地域とのつながりが希薄になりがちです。
一方、駅から離れた場所に教室を構えることで、その地域に住む生徒や保護者との結びつきを強めることができます。近所で通える範囲に塾があるということは、保護者にとっては送り迎えの負担が少なく、子どもにとっても「地元の友達と一緒に通える」という安心感につながります。
また、駅から離れているということは、土地や家賃のコストも比較的抑えやすいという利点があります。その分、指導の質や教室環境にコストを振り向けることができ、価格以上の価値を提供することが可能になるのです。
通える中学校が3つある=安定した潜在顧客層の存在
この立地から通える中学校が3つあるということは、対象となる生徒の母数が十分に確保されているということです。つまり、ある程度の規模の「固定された顧客層」が見込めるのです。これにより、塾側は「誰を対象にするのか」というマーケティング戦略を明確に立てることができます。
さらに言えば、各中学校のカリキュラムや試験傾向を分析することで、より精度の高い指導と情報提供が可能になります。これは、塾の信頼度や満足度を高める強力な武器となります。
結論:「最適な立地」になる
総合的に見て、この立地条件はむしろ「勝ち筋」がはっきりしている場所だと言えます。競合がいるという事実は、「そこにニーズがある」ことの何よりの証拠であり、駅から遠いという特徴は、地域密着型のビジネスにおいてはむしろ強みになります。
もちろん、成功するためには、他塾との違いを明確に打ち出すブランディングや、地域に根ざした信頼構築が欠かせません。しかし、それらを丁寧に積み上げていけば、転塾組を含む安定した顧客獲得が見込める、非常に魅力的なエリアであると言えるのです。