進路指導は「一緒に考える」ことから始まる | 福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

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進路指導とは、進学先や職業を一方的に指示することではなく、「一緒に考える」プロセスそのものだと私は思います。多くの場合、進路指導の場面では「この高校が向いている」「あの大学に行けば将来の選択肢が広がる」といった助言が飛び交います。こうしたアドバイスには善意が込められていることも理解しています。しかし、それが必ずしもその人にとって最良の道であるとは限りません。

 

特に注意すべきなのは、親の価値観が、時として20年、30年といった昔の社会状況や常識に基づいていることです。社会は常に変化しています。仕事の在り方も、求められる能力も、学びのスタイルも、私たちがこれから生きていく未来は、過去とはまったく違うものかもしれません。そのような中で、過去の成功体験や固定観念に基づいたアドバイスを押しつけることは、時に若者の可能性を狭めてしまう危険性があります。

 

進路指導において大切なのは、指導者自身の「私見」をあまり押し出さず、客観的な情報に基づいて選択肢を提示し、生徒自身が納得いくまで考えられる環境を整えることだと思います。もちろん、生徒が迷っているときには情報提供や助言は必要ですが、それは「決定」を下すためのものではなく、「考える材料」を提供するという姿勢が求められます。

 

また、進路というものには、そもそも「正解」がありません。たとえ誰かにとっては魅力的な道であっても、自分にとっては苦痛となることもあります。だからこそ、相談してきた相手と向き合い、一緒に悩み、考えることが大切なのです。進路について真剣に考える経験は、その人にとって「自分の人生を自分で選び取る」という大きな力を育むことにつながります。

進路指導は、短期的な「合格」や「就職内定」を目指すものではなく、その人がどんな価値観を持ち、どんな人生を歩みたいのかを考えるきっかけとなるものです。つまり、進路指導とは人生指導でもあるのです。

 

「答えを出すこと」よりも、「一緒に問いを深めること」に重きを置いた進路指導こそが、これからの時代に求められる姿ではないでしょうか。進路指導の本質は、指導する側が何かを「教える」ことではなく、「共に考える」ことにあるのだと思います。