大学2年の秋、それまでやっていたアルバイトをやめ、バイト探しをしていた私に中学の先輩から電話がありました。その人は去年近くにオープンしたスイミングスクールで働いていました。
「佐藤君、うちのスイミングスクールでアルバイトしない?」
そうして、面接を受け、スイミングスクールでのバイト生活が始まりました。
思えば、大学3年、4年の2年間は、学校よりもこのアルバイトが中心に自分の生活が廻っていたように思います。
この仕事に魅力を感じた僕は、そのままこの会社の入社試験を受け、社員としてスポーツインストラクターの道を歩み始めました。
スポーツを通し、お客様と接する仕事は、とてもやりがいがあり、毎日が楽しさの連続でした。
20代後半で施設を任されるようになり、インストラクターのほか、フロント業務も任されるようになると、いままで聞けなかった声が聞こえてくるようになりました。
会員の母親から「うちの子はスイミングから帰ってくると、目が痛い、体がかゆい、と訴えて困っているんです。」
また、「スイミングに通わせたいんだけど、アトピーがあるので・・・入れませんよね・・・」
そうか、親は子供の健康のためにスイミングにかよわせようとしてる。しかし、プールの水によって、体を壊している人もいる、また、持っている症状のために通いたくても通えない人がいるんだ。
確かに、退会届をみていると、「体の不調」でやめて行く人が多いのに気付かされます。
一方、当時レジオネラ菌による事故が問題となっていたこともあり、保健所からは、夏場の塩素濃度を高めに設定するよう指導もされていました。
「塩素を入れなければ菌が繁殖する、しかし、塩素を入れれば肌の弱い人が体調不良を起こす。何とかならないものか・・・」
健康になりたくて泳ぎに来ているのに、健康を害してやめて行く・・・しかも、これはクレームになりにくい事実もあるのです。
スポーツクラブは法で定められた水質基準を守っています。それでも肌に合わない人へは対処のしようがないのです。お客様もそれをわかっていて、「肌に合わなかったね。仕方ないね。」といってやめていくのです。これは止める事ができないのです。
このことに疑問を持ち始めた30代の半ばでした。
つづく。
シンプル生活
佐藤 晋一
http://www.my-simplelife.com