【5章だての連作です。最初から読んでくれたら嬉しいな♪】
結局、言葉とは『何を言うか』ではなく『誰が言うか』に尽きる。その『誰が』に値する生き方をしたい。
って言うのは、イチロー選手の名言ですね。
最近は、誰?の部分もあやふやになりかけている気がします・・・
第2章|相談相手には、その人の人生がある。
さて、AIに相談するのが便利なのは分かった。
でもさ、ちょっと考えてみたい。
そもそも、相談って正解を教えてもらうためにするものなのかな?
例えば、恋愛相談。
「好きな人がいるんだけど、告白した方がいいかな?」
こんな相談をされたとする。
「相手との関係性や状況を考慮して、適切なタイミングで気持ちを伝えましょう」
……うん。正論だね。
で?って話なんだけど(笑)
そんな一般論が欲しいなら、恋愛マニュアルでも読んでいればいい。
相談って、そういうことじゃない気がするんだよね。
「好きなら言っちゃいなよ!振られたっていいじゃん!」
「いやいや、今の関係が壊れるかもしれないよ?」
「そもそも、その人のどこが好きなの?」
きっと、相談する相手によって答えは違う。
恋愛に積極的な人もいれば、慎重な人もいる。
失恋を繰り返してきた人もいれば、ひとりの相手と長く付き合ってきた人もいる。
結婚して幸せな人もいれば、結婚なんて懲り懲りだと思っている人もいるだろう。
それぞれに経験があって、価値観があって、偏見だってある。
その人が生きてきた人生が、相談の答えに現れるんじゃないかな?
私は、それが相談の面白さ?っていうか、それこそが「実りある時間」だと思うんだ。
相談の答えにも、色合いが欲しい。
もちろん、経験談が正しいとは限らない。
失恋した人の恋愛論が正しいとも限らないし、結婚生活が長いからって夫婦関係の専門家になれるわけでもない。
むしろ、偏見だらけかもしれない(笑)
なんなら、私なんて失敗談しかない(笑)
さらに言えば、これをしたらダメになるって言えるくらいです!
(これが結婚相談員なんだからお任せください!逆に言えば、良くも悪くも酸いも甘いもお任せあれ!)
でも、それでいいんじゃない?
相談相手の言葉を、全部正解として受け取る必要なんてないんだから。
「なるほど、あなたはそう考えるんだね」
「いやあ、私はそうは思わないな」
そんなやり取りがあってもいい。
だって、誰かの意見を聞くことと、その意見に従うことは違うでしょ?
私は占いも好きで、時々見てもらうんだけど。
占い師の先生にも、相性ってあるんだよね。
同じようなことを言われても、
「この先生の言葉は、何だかしっくりくるなあ」
って思うことがある。
逆に、何を言われてもピンとこないことだってある。
まあ、プラセボなのか、バーナム効果なのか、そんな心理的な作用もあるんだろうけどさ。
それでも、誰が言ってくれた言葉なのか?って、案外大切じゃない?
厳しいことを言ってくれる人が好きな人もいれば、優しく背中を押してくれる人が好きな人もいる。
占い師を選ぶように、相談相手だって選ぶ。
その人の考え方が好きだから。
その人の経験を聞いてみたいから。
その人なら、どう答えるんだろう?
そんな興味もあると思うんだ。
じゃあ、AIの言葉はどうなんだろう?
AIには、人間のような人生経験がない。
失恋したことも、結婚生活に悩んだことも、職場で理不尽な目に遭ったこともない。
でも、膨大な情報をもとに、研究データや心理学の知見を使って答えることはできる。
それなら、個人の体験談より信頼できるのかもしれない。
……いや、そうとも限らないか?
統計的に正しいことが、目の前の私にとって正しいとは限らないんだから。
それに、AIの回答だって間違うことはある。
でも、AIにはAIの良さがある。
相手の価値観に合わせて、話し方も、答え方も変えられる。
「もっと優しく言って」
「遠慮せずに反論して」
「私の考えを前提に話して」
そんな注文にも付き合ってくれる。
だったら、相談相手としてAIが一番しっくりくる人がいたって、おかしくないよね。
人間のようなバックボーンはなくても、自分に合う言葉を返してくれる。
それで十分だと思う人もいるだろう。
ただ、ここで一つ気になる。
人間は相談相手を選ぶけれど、AIなら相談相手そのものを自分好みに変えられるんだよね。
これって、なかなか凄いことじゃない?
現実の人間関係では、そう簡単にはいかないんだから。
でも、AIなら変えてしまえばいい。
さて、そうなると。・・・
私たちが求めているのは、相談の答えなんだろうか?
それとも、自分にとって都合のいい言葉を返してくれる相手なんだろうか?
……いやあ、便利な世の中になったもんだ(笑)


