些細なコトさ
本当に些細なコト
何もかも手に入らないことは分かっているでしょ。
・・・誰でもさ
ただね・・・私は手に入れたものは守りたいとは思うかもしれないかな。
それが強欲だというなら、致し方ない。
第5章|欲しいものすべてを、手に入れる必要なんてない
欲望って、生きるための原動力になる。
欲しいものがあるから頑張れるし、叶えたい願いがあるから行動できる。
でもさ?
欲しいものを、何でもかんでも手に入れる必要なんてないんだよね。
あれも欲しい、これも欲しい。
もっとお金が欲しい。
もっと良い生活がしたい。
もっと豊かになりたい。
そんな欲望があったって良いと思うんだ。
ただ、その欲望を叶えるために、何を選んで、何を手放すのか。
そこは、ちゃんと考えたいところだよね・・・
何が必要で、何が大切で、何を求めていて、何を欲しているのか。
私達が手に入れられるものには、限りがあるんだから。
欲に目がくらむと、とんでもないことになる
ここで、また私自身の話をしよう。
私は以前、多額の負債を抱えたことがある。
いやぁ、もうね。
とんでもない金額だったよ(笑)
きっかけは、当時の妻が持ってきた投資話だった。
仮想通貨の投資話に、ポイントを換金して利回りが出るという話。
聞くだけなら、随分と美味しそうな話だよね。
でもさ?
そんな都合の良い話、あるわけないじゃないか。
胡散臭い。
信じられない。
いやいや、ありえないでしょ?
私はそう思っていた。
ところが、元妻はガンガン突き進んでいく。
当時は、それなりにお金も持っていたし、借りようと思えばお金も借りられる状況だった。
そして、気が付いたらどうなっていたと思う?
投資話はどちらも立ち消え。
いつの間にか連絡も取れなくなり、話もうやむやになってしまった。
残ったのは、多額の負債。
いやぁ……。
欲に目がくらんだ顛末としては、よくある話なのかもしれないね。
もちろん、私は最初から怪しいと思っていた。
だからといって、結果が変わるわけじゃない。
目の前にあるのは、どうしようもない現実なんだよ。
(聞きたい?その話?会社名も内容も話しちゃうよ?でも、個人的に聞いてね。)
さて、どうする?
家がある。
車もある。
もちろん、ローンだ。
子供もいる。
学校に行けない子供もいる。
仕事はある。
でも、どうやったって返せるような金額じゃない。
さて、どうする?
誰が悪いとか、何が悪かったとか。
そんなことを考える余裕もなかったんだろうね。
いや、実際には考えたと思うよ。
腹も立っただろうし、後悔だってあっただろう。
でも、どれだけ考えたところで、借金が消えるわけじゃない。
明日の生活が楽になるわけでもない。
じゃあ、どうする?
そこで私が選んだのは、自己破産だった。
家も、車も、何もかも手放して、生活を立て直す。
田舎の古民家に格安で引っ越して、もう一度やり直す。
そういう選択をしたんだ。
もちろん、簡単な話じゃないよ。
実家の両親には猛反対された。
そりゃそうだろうね。
世間体もある。
見栄もある。
外聞だってある。
今まで積み上げてきた生活を手放して、自己破産して、田舎に引っ越して、仕事まで変える。
そんなこと、簡単に受け入れられるものじゃないだろう。
でもさ?
今の私達にとって、本当に必要なものって何なんだろう?
守りたいものを選んだら、手放せるものもあった
高価な時計もあった。
アクセサリーもあった。
服だって、それなりに持っていた。
家も車もあった。
でも、それらを維持することが、今の私達にとって一番必要なことなんだろうか?
そう考えた時に、私が守りたかったのは、もっと単純なものだったんだと思う。
生きること。
子供たちに生活を与えること。
そして、学校に行けない子供たちが、少しでも自由に暮らせる環境を作ること。
それが出来るなら、他のものは手放しても良いんじゃないか?
そんな風に思ったんだろうね。
高価な時計も、アクセサリーも、服も。
手放せるものは、生活を立て直すための資金に変わった。
それまで大切にしていたものを、何も惜しいと思わなかったわけじゃない。
でも、それ以上に必要だと思えるものがあった。
だから、選べたんだと思う。
欲望を捨てた?
いやいや。
そんな立派な話じゃないよ。
生きたいし、子供たちを生かしたい。
その欲望があったからこそ、選んだんじゃないかな。
何もかも諦めたわけじゃない。
むしろ、自分が本当に欲しいと思ったものを、手に入れようとしていたんだと思う。
格好なんて、つけていられないんだよ
引っ越しをするなら、仕事も変えなければならない。
それまでの仕事を辞めて、新しい仕事を探す。
選んだのは、自動車工場の派遣社員だった。
未経験。
そこそこの年齢。
しかも、二交代勤務の工場仕事。
いやぁ、なかなかの激務だったね。
今までの経歴だとか、肩書きだとか、そんなものは関係ない。
田舎から通えて、給料の良い仕事。
選択肢なんて、ほとんどなかったんだ。
派遣社員なんて格好がつかない?
今さら工場勤務?
そんなことを思う人もいるかもしれない。
でもさ。
格好つけてたって、飯は食えないんだよ!(笑)
生きるために働く。
生活するためにお金を稼ぐ。
子供たちが暮らせる環境を守る。
今の自分にとって、それ以上に必要なものがあるんだろうか?
そんな風に考えたら、肩書きも見栄も、随分とどうでもよくなってしまったんだよね。
井戸水に畑、古民家暮らし。正直、悪くなかったね
車は安い中古車になった。
家は田舎の古民家。
水道じゃなくて井戸水。
庭には畑を作って、野菜を育てる生活。
今までとは随分と違う暮らしになった。
便利だったものが不便になったり、持っていたものがなくなったり。
生活水準という意味では、下がったのかもしれない。
でもね。
正直、悪くなかったんだよ。
畑を作って、井戸水を使って、田舎で生活する。
仕事はきつかったし、余裕なんてなかったと思う。
それでも、必要だと思ったことに全力を注いでいた。
生きるために、生活するために。
今の自分が何を必要としているのか。
何を守りたいのか。
そのために何をするのか。
少なくとも、あの時の私は、それを選んで行動していたんだろうね。
もちろん、当時から「幸せだなぁ」なんて思っていたわけじゃない。
必死だったんだから。
目の前の生活をどうするか。
明日をどうやって乗り切るか。
そんなことばかり考えていたと思う。
でも、不思議なものだね。
今までの人生を振り返って、あの頃の暮らしを思い出すと、
あの時が、一番幸せだったんじゃないかな?
って思える自分が今いるんだ。
幸せって、終わってからじゃないと分からないものなんだろうね。
その時は、ただ必死に生きているだけなんだから。
欲望は、捨てなくても良いんじゃないかな?
私は、欲を捨てる必要なんてないと思っている。
もっと良い暮らしがしたい。
もっとお金が欲しい。
もっと自由に生きたい。
そういう欲望があるから、私達は何かを目指せるんだろう。
でも、欲望のために何もかもを犠牲にしてしまうことだってある。
欲しいものを手に入れるために、大切なものを失ってしまうこともある。
だからこそ、必要な選択があるんじゃないかな。
何が必要で、何が大切で、何を求めていて、何を欲するのか?
全部を手に入れなくたって良い。
全部を諦めなくたって良い。
今の自分にとって必要だと思えるものを選んで、そのために行動する。
もちろん、選んだからといって上手くいくとは限らない。
失敗することもあるし、後悔することだってあるだろう。
でも、あの時の私には、あの時にしか出来ない選択があった。
それを今になって振り返ると、ちゃんと自分の経験として残っているんだよね。
欲望に振り回されることもある。
欲望のために何かを失うこともある。
それでも、何を欲するのかを選ぶことまで、手放す必要はないんじゃないかな。
欲しいものを全部手に入れる人生より、自分にとって大切なものを選んで、そのために全力を注げる人生。
そんな生き方も、素敵じゃない?
ただ、私の場合は・・・欲しいモノを全部手放してから、選び直すことを強いられる人生だけどね。
悲しいかな、いつも何も手元には残らないんだ。
「恥の多い生涯を送って来ました」って言いたくないから、まだ生きてるわけだけどね(笑)



