結局、人は自分で自分を助けるしかない

他人には、誰かを救うことなんて出来ない。

 

もちろん、心配することは出来る。
話を聞くことも出来る。
アドバイスをすることも、差し入れをすることも、病院や福祉につなげることも出来る。

 

でも、それは全部「介入」なんだと思う。

 

勝手に現れて、強制的に誰かを救い上げることなんて出来ない。

 

どれだけ必死に手を伸ばしたって、
本人がその手を掴んでくれなければ、引き上げることは出来ない。

悲しいけどね。

結局、人は自分で自分を助けるしかない

 

  他人が出来るのは「足し算」

苦しんでいる人を見ると、何かしてあげたくなる。

 

「大丈夫?」
「何か出来ることある?」
「無理しないでね」

 

話を聞いたり、励ましたり、食べ物を持って行ったり、気分転換に連れ出したり。

 

どれも善意だと思う。
誰かを想っての行動なんだから、別に悪いことじゃない。

 

ただ、それって全部「渡している」んだよね。

 

すでに両手いっぱいに荷物を抱えている人に、さらに何かを足している。

 

「心配しているよ」

その一言すら、受け取る側には荷物になることがある。

 

心配させたくない。
元気にならなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。

そうやって、また我慢して、頑張って、大丈夫なふりをする。

 

善意だから軽いとは限らないんだ。

善意だから相手に喜ばれるとは限らない。

善意なら正しいわけじゃない。

 

  苦しい時に必要なのは「引き算」

助けて欲しいと思うくらい苦しい時って、
きっと何かを持ちすぎているんだと思う。

 

仕事。
責任。
家事。
育児。
人間関係。
期待。
過去。
罪悪感。

両手で持てる量を超えているから苦しい。

 

だったら必要なのは、さらに何かを手に入れることじゃない。

減らすことだ。

 

捨てる。
止める。
諦める。
横に置く。
誰かに預ける。
誰かに任せる。

 

大切なモノと、
そうじゃないモノと、
今は大切に出来ないモノ。

 

それを自分で分けていく。

手放してしまうだけで、うんと楽になることだってある。

  救いたいなら、渡すだけじゃなく受け取れ

そして、本気で誰かを救いたいと思うなら、
何かを渡すだけじゃ足りない。

 

その人が抱えているモノを、受け取る覚悟も必要なんだと思う。

 

「頑張って」じゃなく、
「それ、こっちに渡していいよ」

そう言えるかどうか。

 

でも、受け取るなら覚悟がいる。

 

相手は、
「この人になら預けてもいい」
と思って渡したんだ。

それを途中で、
「やっぱり無理」
って返すくらいなら、最初から軽々しく「救う」なんて言うな。

 

相手の未来や命を左右することだってある。

受け取るなら、死ぬまで持っていくくらいの覚悟を持て。

 

そこまで出来ないなら、それでいい。

 

  自己満の善意でいい

別に、そこまで責任を負えないなら何もしちゃいけないって話じゃない。

 

声を掛けたいなら掛ければいい。
差し入れしたいならすればいい。
話を聞きたいなら聞けばいい。

大いに善意を押し付けたらいいさ。

 

ただ、

「私はこれをしたいからやった」

で終わらせればいい。

 

自己満でいいんだよ。

「こんなにしてあげたんだから元気になって」
「助けたんだから変わって」
「感謝して」

そんな結果まで求め始めたら、
また相手に荷物を渡しているだけだ。

 

善意を債権にするな、って話だ。

 

  救われたいなら、片手を空ける

救われたい側にも出来ることがある。

 

足りないモノを求めて、不足を補ってもらうことだけじゃない。

 

今持っているモノの中から、

「これは置いていこう」
「これは預けよう」
「これは任せてもいい」

って、自分で決める。

 

だって、両手いっぱいに荷物を抱えたままじゃ、
差し出された手を掴めないから。

 

救いの手を掴みたいなら、
片手くらい空けなきゃいけない。

 

何を捨てるか。
何を預けるか。
誰に渡すか。
どの手を掴むか。

 

それを選んで決めるのは、いつも自分だけ。

  最後に助けるのは、自分

他人に出来るのは、手を差し伸べること。

場合によっては、
荷物を受け取ること。

 

でも、その手を掴むのも、
荷物を渡すのも、
何かを捨てるのも、
何を残すのか決めるのも、

全部本人だ。

 

だから結局、
人は自分で自分を助けるしかない。

 

誰かの手を借りてもいい。
誰かに荷物を預けてもいい。

 

それだって、自分を助けるために、
自分で選んだことなんだから。

あなたが今、両手いっぱいに抱えているモノの中で、ひとつだけ横に置けるとしたら、何を手放しますか?