連載形式での投稿をしていきます。
『自己を見失いながらも、哲学の思索を通して少しずつ自己理解を深めていく』
姿を描いていきます。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。
主人公:加代子
正しくあろうと、正解を選びたいけど選べない葛藤の中で、
自分を否定したくなる気持ちを持っている。
友人:理子 遥
『“わたし”に耳をすませる』
第43章:「でも、わたしは、わたしを置いていかない」
日曜日の午後。
子どもと夫が遊びに出かけた家の中で、加代子は久しぶりに静かな時間を手に入れていた。
窓のそばで、ノートを開き、ペンを手にする。
「問いって、なんだろう?」
ふと湧いたその言葉を、ノートの端に書いた。
以前の加代子だったら、こんな静かな時間さえも不安になっていた。
家族にとって役に立っていないと感じることが、焦りを生み、
「この時間をどう意味あるものにすればいい?」と自分を急かしていた。
でも今は——静かで、いいと思えた。
ノートの余白に、加代子は少しずつ自分の“変化”を書き出していった。
◇ わたしは、問いを怖がらなくなった。
かつては、問いが“答えの扉”であるように思っていた。
だから、問いの先に「正解」がなければ、不安になった。
でも今は違う。
問いとは、「答えの手前で立ち止まること」。
そこに佇むことで、見える景色がある。
答えを見つけるためではなく、自分を生きるために問いを持っているのだとわかった。
「問いは、急がず、まわり道をして、わたしをわたしに連れ戻す」
◇ わたしは、人の目を恐れすぎなくなった。
「どう思われるか」ばかりを気にしていた。
ママ友の一言にぐらつき、職場の何気ない沈黙にビクビクしていた。
でも本当は、「人にどう見られても、自分が自分を見てあげる」ことの方がずっと大事だった。
今の加代子には、そんなまなざしが育っている。
「他人の声より、自分のまなざしが育つこと。
それが、“自分と共にある”ということ」
◇ わたしは、“選べない自分”も抱きしめられるようになった。
思えばずっと、「間違いたくない」と思っていた。
正しさを探して、選びきれない自分を責めていた。
でも、選びきれないのは、迷っている証拠じゃなくて、誠実でいたいという証だったのだ。
だから——
「わたしは、間違ってもいい。
選びきれなくてもいい。
正しさよりも、“今のわたしが大切にしたいこと”を選んでもいい。」
加代子は、ペンを止めて、窓の外を見つめた。
陽だまりのように、心の奥がじんわりとあたたかくなる。
けれどふと、こんな問いが心に浮かんだ。
「じゃあ、わたしはこれから、どうしていきたい?」
いまだに、自信を持って言えない。
人に何かを伝えるたびに、「本当にこれでよかったのか?」と自問する夜もある。
けれど、それでいい。
答えを出すことよりも、問いを手放さないことが、大切なのだと今ならわかる。
加代子は、ノートの最後のページに、こう書いた。
「わたしは、わたしを置いていかない」
誰かの期待に応えるためでも、過去の後悔を塗りつぶすためでもなく、
今ここにいる“わたし”の声を、ちゃんと聞きながら生きていく。
それが、変わった加代子の決意だった。
玄関が開く音がした。
湊と夫の笑い声が、リビングに広がる。
その声に包まれながら、加代子はそっと目を閉じ、心の中でつぶやいた。
「わたしは、あの頃のわたしが恥ずかしくない。
泣いていた日々も、誰かに追いつこうと焦った夜も。
ぜんぶ、ぜんぶ、ここにつながってる」
◆ あなたへの問い
あなたは、いま、どんな問いを持っていますか?
その問いに、急いで“正解”を与えようとしていませんか?
どうかその問いが、あなた自身への“やさしいまなざし”となりますように。
そして、どんな選択も、“あなたがあなたを置いていかない”ものでありますように。
独り言・・・
私はまだ、加代子のように受け入れることが出来ていない。
でも、それでいいのかもしれない。って、この物語を通して感じている。
私は沢山の過ち・・・失敗と間違いの繰り返しをしてきた。
正解を求めているはずなのに、あえて正解以外の選択をしてしまう。
単純に性格の問題もあるんだろう・・・
みんなと同じが正解だとしたら、みんなと違う答えを選びたくなってしまう。
天邪鬼なのは自覚している。
きっと、それが・・・私を苦しめる理由で、私の私らしさなのだろう。
結果が今ですよ・・・後悔と懺悔の繰り返しの日々・・・
だから、言葉を綴っているんです。
過去に意味を持たせたいから。でも、簡単じゃないですね・・・。
スピリチュアルも自己啓発もマインドフルネスも私には合わなかった。
それは、答えと正解を求めていたからなのかもしれないって、最近感じてる。
「私は知らないことを、知っている。」
この言葉の深さにやっと気が付くことが出来た。でも、まだ分からない。
それで良いって思いたい。
そして、伝えたい。
全部、私の自己満で我が儘
『“わたし”に耳をすませる』の物語はあと数話で終わる・・・
私の物語はまだ終わらない。
私の独り言は、何一つ答えを出せていない。
シンプルフレーズは何を想い何を感じるのか?
私はシンプルフレーズなのか?それとも、中身の誰か?なのか・・・
次回:最終章:それでも、わたしは問いながら生きていく
