「優しさ」「善意」「親切」ってなんだろう?
「優しさ」「善意」「親切」は、どれも他者に対して思いやりや配慮を示す行動や態度を表していますが、
それぞれ微妙に異なる意味を持っています。
ここでは、それぞれの違いをわかりやすく説明し、例を交えながら解説します。
優しさや、それっぽい言葉たちの言葉遊び
1. 優しさ(やさしさ)
意味:
優しさとは、他人に対する温かい気持ちや思いやりのことを指します。感情的な側面が強く、相手の気持ちに寄り添い、安心感や癒しを与える行為です。
例え:
例えば、友達が仕事で落ち込んでいるときに、ただそばにいて話を聞いたり、慰めたりするのが優しさです。相手に具体的な助けを提供するわけではなく、心の支えになるような態度や言葉で相手を思いやる行動が含まれます。
具体的な例:
「辛かったね、大丈夫だよ」と、辛い状況にある友達を抱きしめる行為は優しさの表現です。
2. 善意(ぜんい)
意味:
善意は、他者の利益や幸福を意図して行動する気持ちや意図を指します。自分の利害を考えず、純粋に他人のためになる行動をしようとする心の持ち方です。動機が大切で、その行為が相手にとって必ずしもポジティブな結果をもたらすとは限りません。
例え:
例えば、電車で重い荷物を持っているお年寄りに「手伝いましょうか?」と申し出る行為が善意です。しかし、そのお年寄りが「大丈夫です、ありがとうございます」と断る場合もあります。この場合、相手の拒否があっても、手伝いたいという気持ち自体が善意に基づくものです。
具体的な例:
スーパーで買い物をしているお年寄りが重い荷物を持っていたら、あなたが「持ちましょうか?」と提案するのは、相手のためを思った善意の行動です。
3. 親切(しんせつ)
意味:
親切は、実際に他者に対して助けとなる行動を取ることを指します。具体的に相手のためになるような行為を行い、実際に相手に利益や快適さをもたらすものです。親切は、行動として表れることが多く、善意から来ることが一般的ですが、必ずしも感情に基づくとは限りません。
例え:
例えば、道に迷っている観光客に道を案内するのは親切です。相手にとって実際に助かる行為であり、具体的な支援が含まれています。
具体的な例:
困っている人に道を教えてあげる、または荷物を持つなどの行動は、親切の例です。これによって相手は助けられ、実際に利益を受けます。
4. 思いやり(おもいやり)
意味:
思いやりとは、相手の立場や気持ちを理解し、その人に配慮する気持ちを表します。相手の苦労や感情に対して共感し、それに基づいて行動する心の働きです。
例え:
例えば、仕事で忙しい同僚に「何か手伝えることはある?」と聞く行為は、同僚の疲労や状況に対する思いやりです。
具体的な例:
雨の日に友達が傘を忘れたとき、傘を持っていないことを気にかけて「傘に一緒に入ろう」と誘うのは思いやりの行動です。
それは何か:
思いやりは、優しさに似ていますが、より具体的に相手の立場を理解し、その人の状況に合わせて行動することを指します。感情だけでなく、相手の必要を想像して行動に移す要素が強いです。
5. 配慮(はいりょ)
意味:
配慮とは、他人の状況や感情に注意を払い、それを考慮に入れた行動や言動をすることを意味します。具体的には、相手に不快な思いをさせないように気を配ることです。
例え:
例えば、会議中に発言が少ないメンバーに対して「◯◯さんの意見も聞きたいです」と発言を促すのは、その人が発言しやすいように配慮した行為です。
具体的な例:
飲み会でお酒をあまり飲みたくない人がいたときに「無理に飲まなくて大丈夫ですよ」と声をかけるのは、その人の状況に対する配慮です。
それは何か:
配慮は、思いやりと似ていますが、相手が置かれている状況や感情に対して、より具体的に気を配り、その人に対する影響を考慮して行動を調整するという点で異なります。
6. 寛容(かんよう)
意味:
寛容は、他人の欠点や失敗を許し、寛大な心で接することを指します。他人に厳しくせず、柔軟に対応することです。
例え:
例えば、仕事でミスをした部下に対して、「誰にでも失敗はあるから、次に気をつけよう」と励ますのは寛容な態度です。
具体的な例:
子どもが部屋を散らかしてしまったときに、すぐに怒らず「片付けようね」と優しく言うのは寛容な行動です。
それは何か:
寛容は、優しさや善意の一部ともいえるかもしれませんが、特に相手の間違いや欠点に対して、許容する心の広さに焦点を当てています。
7. 同情(どうじょう)
意味:
同情は、他人の苦しみや悲しみを理解し、その気持ちに寄り添うことです。特に、相手が困難な状況にあるときに、その痛みを自分のことのように感じることを指します。
例え:
例えば、友達が失恋して落ち込んでいるときに「辛い気持ち、わかるよ」と言って一緒に寄り添うのは同情です。
具体的な例:
災害に遭った地域のニュースを見て、そこで暮らす人々に対して「何か自分にできることはないかな」と感じるのは同情の例です。
それは何か:
同情は優しさに似ていますが、特に相手の困難や苦しみに焦点を当て、それに共感し寄り添う気持ちが強調されます。
8. 助力(じょりょく)
意味:
助力とは、他人の成功や目的達成を手助けすることを意味します。具体的な行動を通じて他人を支援することであり、親切の一形態とも言えます。
例え:
例えば、引っ越しを手伝う友達に「家具を運ぶのを手伝うよ」と言う行為は、助力です。
具体的な例:
プロジェクトの締め切りが迫っている同僚に「少しでも作業を分担するよ」と申し出るのは助力の一例です。
それは何か:
助力は親切に似ていますが、相手の目的や成功を直接支援する行動を指します。助けたいという気持ちに基づいて、積極的に相手をサポートすることが強調されます。
まとめ
- 思いやりは相手の立場や感情に共感し、それに基づいた行動をすること。
- 配慮は相手の状況に注意を払い、その人が快適でいられるように行動すること。
- 寛容は相手の欠点やミスを許し、寛大な心で接すること。
- 同情は相手の苦しみや悲しみに共感し、心から寄り添うこと。
- 助力は相手の目的や成功を支援するための具体的な行動を取ること。
- 優しさは感情的な思いやりで、相手に寄り添う態度や気持ちが中心。
- 善意は相手を助けようとする純粋な意図や動機であり、必ずしも行動が伴わないこともある。
- 親切は具体的な行動を通じて相手を助けることで、実際に相手にとっての利益を生む行為。
これら3つは密接に関係していますが、優しさは感情、善意は動機、親切は行動として区別できます。
優しさ、善意、親切に似た言葉やそれに準じた言葉として、以下の5つを挙げることができます。
これらの言葉はすべて、他人に対する思いやりや配慮を表現するもので、それぞれ異なる角度から他者との関わりを表しています。
逆の言葉たち
ここでは、前に挙げた「優しさ」「善意」「親切」などに対する対義語を、それぞれ説明し、例を用いてわかりやすく解説します。
1. 無関心(むかんしん)
意味:
無関心とは、他者や物事に対して関心や興味を持たないことを意味します。相手の感情や状況に対して無反応で、配慮や思いやりが欠けている状態を指します。
例え:
例えば、友達が仕事で悩んでいるときに、話を聞かず、自分の話ばかり続けるのは無関心です。相手の気持ちや困難に対して注意を払わず、関心を持たない態度です。
具体的な例:
街で困っている人がいても、見て見ぬふりをするのは無関心の行動です。
それは何か:
無関心は、優しさや思いやりの対義語として、他者に対して関心を持たず、その人の気持ちや状況を無視する状態を示します。
2. 利己主義(りこしゅぎ)
意味:
利己主義とは、自分の利益や欲望を最優先に考え、他者の利益や幸福を無視する考え方を指します。自己中心的な行動を取り、他人を配慮することなく、自分のためだけに行動することです。
例え:
例えば、重い荷物を持っている人を見ても手伝わず、自分のことだけを優先するのは利己主義的な行動です。
具体的な例:
職場で、自分の仕事が終わった後は他の人を助けることなくさっさと帰るのは、利己主義の一例です。
それは何か:
利己主義は、善意の対義語として、自分の利益や快適さを最優先にし、他者の利益や幸福に無関心である態度を示します。
3. 無慈悲(むじひ)
意味:
無慈悲とは、他人に対して情けをかけず、冷酷で厳しい態度を取ることを指します。他者の痛みや苦しみに共感せず、むしろ厳しく接する姿勢を表します。
例え:
例えば、誰かがミスをして困っているときに、「自分でどうにかしろ」と厳しく突き放す行為は無慈悲です。
具体的な例:
交通事故にあった人を目にしても、助けるどころか何もせずに通り過ぎるのは無慈悲な行動です。
それは何か:
無慈悲は、親切や寛容の対義語として、他人に対する共感や情けがなく、冷たい態度や行動を示します。
4. 狭量(きょうりょう)
意味:
狭量とは、他人の考え方や行動に対して寛容でないことを指します。他者の違いや欠点を受け入れることができず、批判的で短気な態度を取ることです。
例え:
例えば、部下が小さなミスをしただけで、激しく叱責し続けるのは狭量な態度です。
具体的な例:
新しい考え方や方法に対して「そんなのは認められない」と拒絶するのは狭量な行動です。
それは何か:
狭量は、寛容の対義語であり、他人に対して厳しく、欠点や違いを許さない態度を表しています。
5. 無配慮(むはいりょ)
意味:
無配慮とは、他人の感情や状況を考慮せず、自分の行動や言葉が相手に与える影響を全く考えないことを指します。結果的に相手を傷つけたり、不快にさせる行動に繋がることが多いです。
例え:
例えば、疲れている友人に対して「まだやる気が足りないんじゃない?」と言ってしまうのは、無配慮な発言です。
具体的な例:
パーティーでみんなが静かに楽しんでいるときに、大声で騒ぎ立てるのは無配慮な行動です。
それは何か:
無配慮は、配慮の対義語であり、他人の感情や状況に注意を払わず、自分本位な行動を取ることを指します。
6. 無情(むじょう)
意味:
無情は、他人の感情や苦しみに対して無関心で、冷淡な態度を取ることを意味します。他人の感情に無感動で、共感や思いやりが欠如している状態を表します。
例え:
例えば、友達が失恋して落ち込んでいるときに、「そんなことで落ち込むなんてバカバカしい」と言ってしまうのは無情な行動です。
具体的な例:
職場で同僚が困っているのを見ても、何も手伝わずに「自分で何とかしろ」と言うのは無情な態度です。
それは何か:
無情は、同情や思いやりの対義語として、他人の感情や困難に対して冷たい態度や無関心を示すことを指します。
まとめ
- 無関心は、他者に対する関心や配慮がない状態。
- 利己主義は、自分の利益や快適さを優先し、他者を考慮しない態度。
- 無慈悲は、他者に対して厳しく、冷淡な態度。
- 狭量は、他者の違いや欠点を許容できず、批判的な態度。
- 無配慮は、他者の感情や状況を考慮しない行動。
- 無情は、他者の感情や苦しみに無関心で冷淡な態度。
これらの対義語は、優しさ、善意、親切に反対する性質を持ち、他者に対して配慮が欠けたり、冷淡な態度を取ることを指します。
私見のお話し
本当にただの言葉遊び。
でも、その本質は、自己満と自己満じゃないなにか?に感じてしまう。
相手・他者が居て、その存在に何かをしようとする。
影響っていうと、語弊があるかもしれないけれど・・・・
「なにかをしてあげよう!」
って言う気持ちがあるか?ないか?の違いと、そこに損得があるのか?ないのか?
くらいの違いしか分からない。
善意の行動、親切で相手を想っての行動も、正しいこととは限らない。
相手を想ってする行動が、素敵なのは間違いないのだろうが、それでもただの自己満でしかない時もある。
それで良いって言ってしまえばそれまでなんだけど、それで良いのは結局自分だけですからね。
誰かのコトを想うからこその行動が、必ずしも相手の為の行動になるとは限らない。
そこを自分の為に正当化するための、言葉遊びなんじゃないのか?とさえ思ってしまう私は、悲しい人なのかもしれない。
自己満で誰かに何かをしてあげて、自分の気持ちを満たす為だけに自分の行動を正当化して、
良いことにしていくための、「善意や親切や思いやり」ちょっと苦手です。
自己満なのは大いに結構!
むしろ共感するし、感銘さえ受ける!でも、他人に対しての行動を正当化して、相手に押し付けるのは好きじゃない。
それでも、表現して伝えるためには必要な言葉。
そんな言葉で私達の現実が作られているんなら、素敵に言葉とさえ付き合っていけたら嬉しいな!
って、思うよ?
いや・・・でも、実際・・・
今回紹介した言葉は、自分で言ったら残念なの・・・・
誰かがその姿を見た時に、表現するために使ってもらえたら嬉しいなって思うかな。
だから、私は言ってしまう。
私は、優しくないし、善意も親切も持ち合わせてない。
私は、私の為に、あなたが大切だから、そうしているだけ。
それだけのコト。




