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簡素な暮らしーSimple of life

日々の暮らしの中での”シンプルな”そして”簡素な”ものやことについて綴っています。





一旦、自分の身の周りを客観視するかの如く冷静に見てみると
「これ・・必要?」
「これは・・・いらないでしょ?」
というモノで溢れかえっていることに驚くのではないだろうか。

服やバッグなどが
その最たるものの代表格かもしれない。

これは個人的嗜好の問題なので
私のお話しすることは
あくまでも個人の好みであって
正解も不正解もないことを最初にお伝えしておきたい。

例えば今の季節。
タートルネックセーターが2、3枚。
カーデガンが2、3枚。
ストールが2枚。
これはカシミヤもしくは上質のウール。
スカートはカジュアルなものとオフィシャルなものが各1枚。
デニムは2本。
クルーネックの1年中着れるボーダーシャツ1枚。
オーガニックやスイスコットンのシャツ2枚。
ビロードとウールのジャケット各1着ずつ。
トレンチコート1着。
ダウンジャケット1着。
・・・このくらいで充分こと足りている。

私は一度購入すれば
10年は使い倒すものが多い。

購入時はかなりの値段がするものもあるが
質の良いものはとにかく手入れが楽なのだ。
ニットやストールなどはぬるま湯で丁寧に押し洗いしたら
大きく広げたバスタオルにくるくると丸めて
そっと水気を取り、平らに乾かせば良い。

冬は空気が乾燥している分、
実は汚れやすい。
ニットは肌に付く面が案外多いから
マメに洗濯したいもの。

カシミヤは汗を吸い取り、
新鮮な空気を取り込んでくれるから
セーターやストールは
3シーズンは活躍してくれる。

シャツも手洗いして
衣替えの時だけクリーニングに出せば良いし、
何度もやさしく丁寧に洗濯すれば
自然と風合いも良くなるものなのだ。

20代の頃、
あるラグジュアリーブランドで
ゴム引きの素材のコートで有名なイギリスのブランドと
ダブルネームで発売されたコートに出会った。
高かったが、頑張れば出せなくはない金額。
シンプルなデザイン。
そしてそれは珍しく私の体に
まるで誂えたようにぴったりだった。

そしてそれを購入しようと決めたのは
担当してくれた店員さんの言葉だった。
「とにかくお手入れが簡単です。
ハンガーにかけたこのコートを
お風呂場へ持って行って
全体的にシャワーをかけるだけ。
クリーニングも必要ございません。
当店のお品物はお手入れが大変だとお考えの方が
多く見受けられますが、それは大きな誤解でして
殆どのものがご自身でお手入れして頂けるものなのです。
それを愉しむことができたら
何年もの間、どんな時にでも
お召しになられるものばかりなのですよ。」と。

そしてそのときに
ニットやストールの洗濯方法も彼女に教わったのだ。

最近はだいぶ減ったとは思うが
以前はヨーロッパのインポートものの服は
”玉どめ”がされていないことから
クリーニングに出すと返って残念な形で返ってきたりもした。

手で洗うこと自体はさほど時間がかからないし、
乾けばすぐ自分の着たい時に着れる。
バッグも皮製品であれば
頻繁に使えば使うほど
いい”アジ”が出てくるし、しっくりと自分に馴染んでくるものだ。

丁寧に手洗いをする。
バッグや靴を使ったら丁寧に磨く。
自分が家に帰ったら
着替えて、体を清めて
手入れをするのと同じこと。

これら一連の作業をしてみれば
必然とそのひとつひとつに愛着が湧き
数はさほど要らなくなってくる。

すると俗に言う”定番のもの”が多くなってはくるが
今、流行っているものは
加えたければ
色や小物で加えれば良いと思っている。

安価でさほど考えずに購入すれば
「安かったんだから、いいかぁ・・・」
と扱いもぞんざいになる。

だが反対に何度も何度も悩んで
思い切って大枚をはたいて購入したものはそうはいかない。
丁寧に扱えば、
自らの所作も丁寧になるから不思議なものだ。

きちんと磨いた肌。
その上に乗っかるは上質な服と小物。
質が良ければ余計な装飾は必要としなくなる。

丁寧に髪や体を日々ブラッシングすれば
自らが持っている”油”が内側から出てきて
余計な”上塗り”も減る。

きちんと食事や睡眠を摂っていれば
肌や髪の艶も出てくるものなのだ。
そしてとびっきりの笑顔で過ごせば
どんどん自分の身の周りの無駄なものが見えてきて
削ぎ落としたくなってくる。

この作業をしてみれば
住まう空間は広く、快適になり、
自分自身の身もなんだか軽くなってくる。
全体的に”風通しが良く”なってくるのだ。

「せっかく買ったのにもったいない。」
などというネガティブな感情は一旦足元に置いておいて
「これなら毎日身に付けていても飽きない!」
と誰かに恋するような気持ちで
自分の持ち物を見てみるといい。

自分の気持ちに正直になってみれば
自然と損得勘定は消え、
自分の中での快適さを求めるようになる。
そうなれば後悔も何もないはず。

天気の良い休日。
耳に心地よい音楽を聴きながら
自分の身の周りを削ぎ落とす作業をしてみるのはどうだろうか?