突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。法則に沿って6人の人格が入れ替わり、脱出不能の隔絶された空間で連続殺人事件が起こる。犯人は誰の人格で、凶行の目的は何なのか?人格と論理が輪舞する奇想天外西沢マジック。寝不足覚悟の面白さ。(「BOOK」データベースより)
ただ今、ダダはまり中の西澤さん。
にも関わらず積んでいたのは、美味しいものほど後に残しておきたいタイプだから。
ちょうど図書館本も解消したので、お楽しみの一冊を読むことにした次第です。
西澤さんお馴染みのSFルール設定付きミステリ。
今回はタイトルの通り、人格(心)を別の体に移してしまう装置に入ってしまった
男女6人の中で起こる殺人事件のお話。
二者の間で入れ替えが起こる話は
ぱっと思いつくだけでもいくつか浮かぶけれど、
(東野圭吾の「秘密」とか~、ドラえもんとか~)
こんな大人数の間で入れ替わってしまうものは珍しいように思います。
複数人で人格転移とはいっても、
そこはしっかりルールが定められていて、
人格が移動する順番は決まっていて、無秩序には起こらない。
毎回書いてる気がするけど、よくこんな楽しい設定思いつくもんだ~
かなり分かりやすく描いてくれていますが、
それでも乱闘シーンではやや混乱しました^^;
メモを取りながら読むと、より分かりやすいかもしれません。
そんな心と体が一致していない状態で殺人事件が起こるのですが、
誰の体が殺人鬼と化してるのかは一目同然なのに、
犯人の人格はわからないという、摩訶不思議なミステリ。
一人、また一人と殺されていく中で、
疑心暗鬼になるクローズドサークルものを勝手に想像していたのですが、
物語の中盤で一気に片がついて、後半は推理モードになるのですよね。
正直、真相はおおよそわかってしまったのですが、
人格転移の過程とか、ドタバタ劇自体がとっても面白いので
謎にびっくりさせられなくても十分愉しめました。
以下、ネタバレ含むので反転します↓↓
これだけの人が死んだのに、ラストは爽やか。
後味も良いのですが、個人的にボビイが好きだったので、
早々に殺されてしまって、結構ショッキングでした。
嫌な女以外の何者でもなかったジャクリーンも、後半は別人のようになってしまうし。
あんな気のいいボビイを差し置いて、二人だけ幸せになっちゃうなんて。
ハッピーエンドなのに、なんだかちょっとモヤモヤしてしまいました^^;
ま、ほんのちょっとだけですけどね。
装置の存在理由(推定)は洒落ていて、なかなか良いオチだと思いましたが、
冷静に考えると、何の予兆もなくマスカレードが起こるなんて
その相手が家族だろうが、親友だろうが、絶対ムリです^^;
「最初のうちは戸惑うだろうけど、きっとすぐに慣れる」と言って、
実際なんとかなったあの二人、凄すぎだ~
西澤作品で人気を二分する「七回死んだ男」と評価に非常に悩むところですが・・・
文章は「人格転移の殺人」の方が読みやすくて好きだけど(「七回死んだ男」は極端に読点が少ない)、
ここはラストでアッと言わせてくれた「七回死んだ男」に軍配をあげておこうと思います。
★★★★☆ 4.5
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