[旧ブログより転載 2011.6月読了]


十角館の殺人』を読みました。
綾辻行人の館シリーズはかなり有名なのに、初めて。



[あらすじ]十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!



いや~、なんで今まで読まなかったんだろう。
面白かった!
伏線を拾おうと意識して読んではいたけど、まさかそうくるとは。
脱帽です。

トリックも凄いけれど、文章も読みやすく、
登場人物は個性豊かで、しぐさや表情も頭に浮かべやすい。
雨降りの週末に、部屋にこもって一気読み。
綾辻さんの他の本も読んでみたい!と強く思わせてくれました。
一つ前に読んだ『東京島』の文章がどうも苦手で、
読むのがしんどかったので、余計そう感じたのかも。
(桐野さんの他の著書は読んでないので、『東京島』の性質上だったのか、
 作者の文章の特徴なのかはわかりませんが。)


動機がちょっと弱いようにもみえるけど、
自分が犯人と同じ立場なら、人殺しまでは考えなくても恨まずにはいられないだろうし、
実際には、もっと些細なことで事件を起こす人もいるのだから、
これくらいで良いのだと思う。
一方で、被害者のミス研メンバーは、変わり者こそいれど、
殺されるほど悪意のある人間はいなかったようにも思う。
特に最初に殺された人は、感情移入しかけていたこともあって、
余計悲しく思えました。
ラストも好きです。

嵐の孤島や冬の山荘といった、クローズドサークルものは大好きなので、
ワクワクドキドキ。
緊迫した島と、ちょっとのんびりな本土が二元中継で交互に進んでいくのも
緩急がついて良かった。
館シリーズ、順番に読もうと思います。


以下、ネタバレあるため反転します↓↓


いつもamazonでさらっとレビューを見てから本を買うのですが、
今回は先入観なしで読みたかったので、
珍しく何も知識をいれず、読み始めました。
帯に「たった”一行”が世界を変える」とあったのも
すぐカバーをかけてしまったため、気づかず。

問題の一行に当たった時、
あぁ、もう一人同じあだ名の人がいたんだなぁと、スルー。
文中に「優秀な後輩にあだ名を譲り渡す風習がある」という内容があったので、
てっきり先輩後輩かと思ったのです。

で、直後の新聞記事を読んで、初めて人数が一人足らないことに気づく!
誰が生き残ったのか、この時点でもまだ理解できず、
物語の初めまで戻って学部と学年を確認しに行き
あぁ、○○だったのね~と考えたところで、
やっとあの一行の意味がわかった私・・・

古典ミステリーはアガサ・クリスティくらいしか読んだない私でも、
犯人含め、メンバーのあだ名の元になった作家の名前のほとんどは知っていたのに、
なんというおマヌケ^^;
気持ちよく騙されて、久しぶりになんともいえない爽快感を味わいました。

このトリックを実行するのはかなりの精神力と体力が必要で、
よくもまぁそんな大変なことを、とは思ったけれど、
ミステリにありがちな「それはない!絶対無理!」なんてことはなかったので、
完全犯罪を遂げた犯人(作者)に素直に感心。


★★★★★


昔は早読みだった私ですが、どんどん読むのが遅くなる最近。
さーっと読んでもストーリーは概ねわかるのですが、
文言の一言一句を理解したいために
一つの文を3度も4度も読み返す癖がついてしまいました。
漫画でも同じ読み方をするので、普通の人の倍はかかる。
この小説も、以前なら一日(数時間)あれば読めそうな文体と内容でしたが、
20時間以上かかってしまいました。
特にミステリは伏線を見逃さないようと(実際は見逃してばっかりですが)
余計目を凝らして読むので、時間がかかってしょうがない。
読みたい本がたくさんあるのに、全く追いつかない現状です。


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