アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは…。史上初の第41回江戸川乱歩賞・第114回直木賞受賞作。



有名なのに、またまたはじめましての作家さんです。
図書館で見かけていたのですが、なんとなく読みにくそうなイメージで
何度も手にとっては棚に戻し・・・を繰り返して、やっと借りてきました。

でも、思ったよりずっと読みやすかった。
短めの文が多いので息継ぎも楽だし(←句読点で息継ぎするタイプ)、
なんといってもきれいな文でとても読みやすい。
会話もちょっとキザなんだけど、妙にしゃれていてかっこいい。
この作家さんの文章、好みみたいです。


なんといっても、登場人物が魅力的。
特にやくざの浅井。かっこ良すぎ。
島村との会話がかっこつけてるんだけど、
それがサマになっていてすごくかっこいい。
いつまでもこの二人の会話を聞いていたい気分。
塔子は・・・なんとなく男性ウケしそうなキャラかな。


学生運動の世代ではなく、近代史にも疎いために
安田講堂とか全共闘とかいわれても全くピンとこず、
背景が理解しづらかったかな・・・
完全に個人の問題ではありますが。
学生運動世代の方や見識のある方なら、もっと楽しめるのではと思われます。
あ、ハードボイルドがあまり得意でないせいもあるけど。

とはいいつつも、
犯人も動機もおおよそ予想できますが、
全体としてはなかなか楽しく読めました。

犯人の気持ちがちょっと理解できるような気がしました。
こんな人が近くにいたら、そりゃ嫉妬するよなぁ。
人ってそういうときに絶望するんだなと。
なんともいえず切なかったです。

ホットドッグが食べたくなる一冊でした。


★★★☆☆ 3.5

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