「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。(「BOOK」データベースより)
1章を読んだ後、
少年たちの残酷さに吐き気を催すような思いがして、
1シーズン積んでいた作品です。
この手の少年犯罪の話は、もしかすると苦手なジャンルかもしれません。
図書館の本も返却してしまい、
手持ちの積読本を解消しようと最初は渋々再開。
2章を読み始めたらこれが止まらない。
面白いって表現するとちょっと違うかもしれないけれど、
なぜこのような惨事が起きてしまったのか?
どのように収束するのか?が気になって気になって。
5人の語り部が事件前後のことを告白する形式の本作。
みんな自分の言い分ばかり主張するために少しずつズレてくる。
見方を変えれば、事件の様相が全く違った風に見えてくるのが興味深い。
犯人の少年には全く共感できないけれど、
環境や周りの人を見てると、歪んでしまった理由が垣間見れて、
少し同情してしまう場面もありました。
犯人以外の登場人物も、それぞれどこかが歪んでいる。
殺人こそ犯してないけど残酷なクラスメイト達だったり、
とある未成年が起こした事件に変にインスパイアされてしまう級友だったり、
息子の愛し方を間違ってしまう母親だったり。
特にこの母親。
「ああ、こういう思考回路の人っているよねぇ」と思わず憂鬱になってしまうほど、
リアルにいそうなキャラクターなのだ。
自分の想定内のラストだったためか、
予想していたほど後味の悪いものではなかった。
1章で撒かれてる負のエネルギーで挫折しかけたときに
これはどう転んでも救いのあるお話にはならないだろうな、という予感はあったので。
復讐を完遂させるには、ああするしかないよね…。
読み返すごとに見方が変わってきそうなお話ではありますが、
陰鬱とさせてくれるので、読み返すにはなかなか気合いが要りそうです。
でも、諦めずに最後まで読んで良かったと思える作品でした。
★★★★☆
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