ジーン・ワルツ読了。
著名な方なのにはじめましての作家さんです。
ミステリっぽくない作品って久しぶりかも。

今回はちょこちょこ軽いネタバレ含みますので、
未読の方はお読みにならないでくださいね。
また、不満が多い感想になってしまいましたので、
ファンの方は不愉快になるかもしれません。ご注意を。




帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていたー。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。(「BOOK」データベースより)


ごめんなさい。
私にはちょっと合わなかった。

理恵がとにかく不快で不快で、
何度も読むのをやめて放置してしまいました。
なんて傲慢で自己中心的な主人公なんだろう。

勉強になる部分はあったし、
後半に入ってからははそれなりに面白く読めました。
特にお産のシーンはドラマティックでもありました。
でも、そんなのを吹っ飛ばすくらい、嫌悪感をめいっぱい残して読了。

苦しみつつ不妊治療を長年してる友人がいるので、
不妊治療の大変さはある程度知っているつもりだし、
私だってそれはまったくの他人事でもないので、
読んでて少々苦しくなる部分もありました。
でもそんなことはいいんです。

官僚批判をして(数頁おきの役人叩きがとにかくしつこい)、大学批判をして、
「私たち医療現場はこんなにがんばってるのに○○のせいで…」
という主張がやたら目に付きました。
確かにそういう面があるのは事実だろうし、
問題提起してみせたのは意味があることだと思う。

理恵の境遇は確かに気の毒だとは思うけど、
それを考慮しても、彼女のしたことは到底許されることではないでしょう。
せめて悪役なら悪役らしくいてくれたら、
ここまで嫌悪感を感じることもなかったろうに。
自分が絶対的に正しくて、産科の革命児にでもなったかような
正義感ぶりがどうにもこうにも受け付けなかった。
利用され、コテンパンに叩きのめされた清川先生が気の毒でなりません。

ううん、清川先生より何より、5年以上辛い不妊治療を続けて、
ラストチャンスである荒木さんに対してあまり酷い行為じゃないか(怒)
自分もフェアだったとか言い訳するけど、一体どこがどうフェアなんだ。

どうも”悪い役人達と、滅私奉公する医者”という、
ある意味(マスコミっぽい)わかりやすい構図を終始見せられてるようで、
なんか気持ち悪かったです。


メインテーマである代理母問題については賛否両論ありますが、
理恵が放つ「代理母を禁止する産科学会や役人は非人道的」という台詞は
著者のお考えでもあるのでしょうか。
”技術的にできることとやっていいことは別物”と考える私は
個人的には神をも恐れぬ越権行為じゃないかとも思うのですが。

「代理出産で産まれてきたこどもに罪はない」のは確かにそうだけども、
だからって、ルールを無視したもん勝ちみたいなのもなんか違うような。


海堂さんの作品は初めてなのだけど、
主役がもしこんなタイプばかりだったら読めないかも^^;

青井ユミはヤンチャだけど、素直でイイ子だったな。
彼女の登場シーンだけ少し癒されながら、頑張って読みました。

★★☆☆☆


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