今回は解釈の変更の話でしたね。


有名な話では、雹(ひょう)の被害を受けたりんごの話があります。ご存知かもしれません。


雹は氷の粒が雨のように降る現象ですが、収穫直前のりんごがこの雹の被害を受けたことがあります。氷の粒がぶつかったりんごの表面には傷跡が残りました。通常、こうなったりんごはジュースの原料として安く取引されるのですが、このときは通常のりんご以上の人気で販売されました。


朝夕が特に冷え込む高原で育ったりんごは、りんご本来の甘みが増すといわれています。そんな高原の特徴のひとつは、雹(ひょう)が降ること。

今回わずかですが入荷したこのりんごは、そんな高原で育てられました。

その証拠は、その皮に残る雹の跡。

雹の降る高原育ちのりんごをお試しください。


と書いたかどうかは知りませんが、雹降る高原りんごはたちまち完売したということです。


翌年、雹降る高原りんごの入荷はまだかという問い合わせが多くて困った、という話もありますが。


もうお分かりですよね。


雹による皮の傷という決定要素の否定的特性を、決定要素の肯定的特性に変えたわけです。


もちろん、りんご自体が変わったわけではありません。皮の傷がりんごの品質を落としていないこと、りんご自体がおいしいことなどの条件があってのことですが、おいしいりんごなのに見栄えが悪くなってしまってジュースになるところを逆転したわけです。


これを解釈の変更と呼んでいます。


これから設計を始める工業製品ならば、特性の変更も可能ですが、変更できない商品もたくさんあります。


これを解釈の変更で売れる商品にするわけです。


この場合の注意点はひとつ。販売者側の都合で解釈を変えてはならないということです。

あくまでも顧客の視点で、顧客の問題を解決できるという解釈を見つけるということが重要です。


めったに入荷しない、雹降る高原りんごを味わうという楽しみを顧客に提供したからこそ、翌年のリピートがあったわけです。


先にも書きましたが、雹降る高原りんごの話は有名ですが、その話だけでは自分のマーケティングに応用することはなかなか困難だと思います。単なるいい話になってしまいがちです。


特別な才能がある人にしかできない名人芸のようになってしまいます。


アトリビュート分析の効用はここにあって、どこにフォーカスして新しい特性を見つけたり新しい解釈を考えたりすべきかを明確にできるわけです。


その一点に集中することによって、天才でなくても大逆転の可能性を見出せるということですね。


なるほどと思ったら、やってみてください。この記事を読んだ人のほとんどは、なるほど、といったきり実行しませんから、差をつけるのは簡単ですよ。


では、今回はここまでです。