どこ鉄171 〜カナダの片田舎 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



ここ数ヶ月メインで戦っていた写真を今回はお送りしていきましょう。




それは、てっしーさんからの1枚。

ローカルな踏切から捉えた、雪と枯れ木の間に伸びる線路。

2つ前の記事でもチラリと紹介しましたが、見た瞬間は東北か北海道だろうと思ったものです。

遠くに写っている車両が何となくJR北海道のキハ281系に見えなくもないし。



しかし拡大してみると。

青黒の四角い機関車と、ステンレスに青の客車。

この車両が世界中どこの国の車両なのかは分かりませんが絶対に日本ではない事は一瞬で判別できます。



ヤバい写真に手を出してしまった!




まずは「アムトラック 客車」検索。

アムトラックとはアメリカの国鉄みたいな鉄道会社で、ステンレスの客車が大都市や荒野を走っているのを子供の頃から本で見ていた記憶がある。

ステンレスの客車は出てきたけど、色合いが違うかな……


写真で雪が積もっていたという事は、南国ではないだろう。

ヨーロッパも含めいくつかの国を調べたものの、ヒットせず。



逆にざっくりした検索。

日本のブルートレインに混じって、VIA鉄道ってのが出てきた。

どこの国かと調べてみると、カナダの鉄道会社とのこと。



カナダ………また巨大な国だ!!!



とは言え本当にVIA鉄道の車両なのか?

さらに検索。

真ん中に展望席?のある青いラインの客車を発見。



問題写真↓

うむ、、、「ぽい」と言えば「ぽい」。

検索車両では展望窓があったところが、こっちの車両では青くなっている(塗装orカバー?)のが気になるけど。。



先頭の機関車もチェック。

しかしカナダの機関車は黄色がアクセントカラーのものが多く、また前面がボンネット状に突き出した迫力満点の車両ばかり。



うーむ。

それでもとりあえずカナダを探すしかないか……あんなに広大な国をどうやって、、、


しかも駅ならともかくこんな田舎にある途中の踏切、探し出せる気がせん!


…などと写真を前にガクブルしていると、ふと写真の下に出ているキラッとした「i」に気づきました。


これは、AIがこの写真の中に何かの情報を見つけた印。


これまでヨーロッパの橋を大分県ですとか言ってきたり、いまいち頼りにならないAI君だけど……藁にもすがる思いで見てみるか。



タップ。

ストローブマツ、、アメリカンエルム、、

後ろに生えている樹木に反応したんだな。


Wikipediaへ飛ぶと。

おおっ!!

まさにカナダが含まれている。

しかも右側(東側)半分だけ!!!!


一方アメリカンエルムのWikipediaは↓

分布しているのはほぼ同じエリア。


これは良い!どの植物のことを言ってるのか知らないけど、こちらにとって都合のいい情報なので信じ切っちゃおう!!よっ、さすがAI君!



さあカナダ東部の捜索決定だ。



同時にVIA CANADAの運行範囲もチェック。


モントリオールやトロント、オタワと大都市がある東側だな。最西端はウィニペグまでにしておこう。



捜索開始。

写真は森の中の踏切という風情なので、大都市の中心部ではなく郊外だろう。



とは言えまずは首都オタワで駅を見つけるところから。


さあ駅はどこだ?

街中をうろつき回って駅を発見、

黄色いVIA Railが目指すべき路線なのでタップ、浮かび上がる黄色いラインをひたすら追っかけて怪しい踏切を探す旅へ。

線路が右へ緩やかにカーブしている地点だけに最中目。ここは線路が合流してるし踏切はなさそう…


いい感じに車両が停まってるけど、ここも踏切なしか…



黄色いラインとは別の線路が分かれてる…すごい気になるけどあっちを追いかけていくと遭難するだろう。


広大なカナダを走る路線を数時間追いかけ続けていると。

森の中に怪しいカーブとその手前に踏切発見!!!


これは、、、来たか???



固唾を飲んでストリートビュー。

違ったーーーー!!!!



大きな落胆を引きずりつつ捜索継続。

ここはカーブだけど田園地帯なのでスルー。

というかほとんどがこんな景色。

ほんとにこんな捜索で辿り着けるのか?



数時間かけてトロントに無事到着。

今度はトロントからの路線に切り替え。

ナイアガラの滝行き列車を発見。

言わずと知れた観光地。

これはあり得るぞ!!


付近を慎重に捜索。滝付近に限っては黄色いライン以外も探してみよう。

ここは線路が分岐してから踏切か…惜しい!!



滝を過ぎてもやけに黄色いラインが続くなと思いながら追っかけ続けていると、

ニューヨークに着きました。



極めて小さな視野で見ていくしかないから、自分がどこに向かっているか、どれだけ移動したのかなど全く分からん!



それでも手を出したからには解かなければ、、

電車乗車中にはスマホでも捜索。

線路が分岐しまくり。

プラレールみたいに気軽に線路を敷くんじゃないよ!!


てか何これ。

貨物操車場?車庫?バカデカすぎ!!



その後も広大なカナダの地でみみっちい捜索を繰り返し。



東京ドームの人工芝を1本1本調べてまわるような苦行の連続でとうとう燃料切れ。



こんなの見つかる気がしない!



丁度てっしーさんと仕事の話をする機会があったので苦労している事を伝えると「カナダは合ってます!」とのこと。



じゃない、って言われたらそりゃ衝撃だけれども、だからと言ってカナダだけじゃ何の前進にもならん!



1ヶ月以上放置したのち、覚悟を決めて再捜索開始。


改めてVIA Rail Canada公式ホームページから、詳細な運転系統を入手。東側から全部の路線を調べてやる。同じ都市間で2手に分かれているところはもちろん両方とも捜索するぞ。



さあ出発進行。

クーーーッ!!!



ふと気になった列車の行程。

13時に始発駅を出て、何時に着くんだろう?


↓↓↓

翌日の朝10時前!


さすが広大なカナダを走る夜行列車!!!

もちろん終点まで全捜索、SUKA。



徐々に西へと進み。

車両が停まってていい感じだけどカーブが逆!


ぬううぉうーーーー!!!!



そしてとうとう捜索最西端のウィニペグに到達。


おっ、ストリートビューが雪景色!!


期待を込めながら街中の線路を調べたものの、見つからず。



こうしてカナダ東側の全VIA路線、捜索無事終了。



もう無理だろこれは。

こんなカナダの片田舎の踏切を見つけるなんて。



黄色いライン(おそらく営業列車が走る線路)は全部見たけど、気軽に分岐していく無印の線路が多すぎて、それ全部まではとてもじゃないけど調べきれない!



残された手は、、、やはり車両に立ち戻るしかないか。


この青黒の機関車。

「カナダ  VIA 機関車」などの日本語検索でさんざん空振りしてきたので、ここは「Canada locomotive」検索発動。



日本人向けではない現地のサイトなら、もしかしたらあの機関車も出てくるんじゃないか?という望み。


※機関車は英語でlocomotiveと言います。

蒸気機関車はSteam Locomotive、頭をとってSLといえばお分かり頂けるでしょう。



さあ検索開始、VIAを付けたり外したり、blueを加えたりと試行錯誤を重ねながら深くまで画像を漁っていた時。


ああっ!


初めて出てきた水色とブルーの機関車……



まさにコレじゃないか!!??



画像ページへ入ったもののライセンス画像だったためここには載せられませんが(↑↑の検索スクショもアウトっぽいけど汗)、説明文に注目。



えーーと、、、Magogというのが地名っぽいか?

メーゴグ?の…ダウンタウンの…メリーパークにあるってことか?…ケベックは分かる!ケベック州なのか?



とにかくカナダ最東部・ケベックシティ付近へ。

今回、再捜索を始めたのがあの街からだった。



拡大しながら周囲を探索。

あった!


…かなり小さな街だな…!



さらに接近。

公園あった!

ポワント=メリー公園と言うんだったか!



公園上空へ。

カーブする線路、停まっている車両、踏切。




着いた。やっっっっっと辿り着いた。




それでは大変お待たせしました、問題の写真↓


ようやく辿り着いたカナダの片田舎の踏切↓

ウワーーーー!!!(意味不明の叫び)



というわけでカナダ・ケベック州のメーゴグという街にある踏切、2ヶ月かけて確保!!!!




いやー厳しい問題だった!!




達成感を味わうべく、ストリートビューで車両の近くへ。

やはり展望窓にカバーがかけられていた。

廃車なのか分からないけど、VIA鉄道で使われなくなった車両が留置されている感じ。


さんざん探し回ったVIA鉄道の線路から、これだけ離れた街。そりゃ見つからないわけだ。



それにしてもなんでこんな田舎町に?と思い、てっしーさんに聞いてみるとカナダ人の友人の実家があって皆既日食を見に行ったとのことでした。

いろいろ凄いな!まあ皆既日食が見られるなら行く価値は大ありか。



そして毎度の↓

みんな警戒しすぎ!

気にせず上げちゃってくださいよ!





(見てるけどね)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



最後までお読みくださり、お疲れ様でした。



次回は国内に戻って、しかし全く安心できない写真に取り組んでいきたいと思います。



ではまた!