自戒ノート 〜JACROW「くろはえや」を終えて〜 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

JACROW #21「くろはえや」
おかげさまで終演いたしました。

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(撮影・鈴木淳さん)


ご来場くださったお客様、本当にありがとうございました。

作品を楽しんでいただけていたら嬉しいです。


頼もしいスタッフやサポートの皆様、劇団の皆様、共演者の皆様、素敵な会場SPACE雑遊様、お世話になりました。




個人的に振り返ります。

とてもシビアな公演でした。
前述のように周りのサポート環境は盤石でしたので、完全に俳優としての話です。

特に初日がそうでしたが、こんなに本番前に緊張したのは十何年ぶりだろうと。



なにしろJACROWの舞台は「空気」が一番重要で、今回のように災害を扱う作品では特にものすごい緊迫感が我々俳優陣になければ成り立たないので。

本番の時間が近づくたびに楽屋の俳優陣で「あと◯回の我慢だ…」と、うめくような会話をしておりました。

普段わりと「リラックスして集中した」状態でプレイすることが多いので、今回の緊迫感はとてもいい経験になりました。身体はもうガチガチになってしまいましたが(>_<)




もうひとつ負荷になったのが、僕が演じる五味くんが「左下半身麻痺」という障害を持っていたこと。

お芝居のなかで災害の状況が刻々と変化し皆が忙しく動き回るなかで、五味くんはほぼずっと座りっぱなし。

とにかく左足の筋肉を、絶対に能動的に動かしてはいけない。

そして何度か立ち上がる時の、立ち上がり方や歩き方・いちばん繊細な、座る時の動き。
これは本当に気を(同時に身体、いやホント神経を)使いました。
それと同時に、五味くんを演じる上でこの負荷が精神的な推進力になることも実感しました。



また、今回演出ののぶさん(中村暢明さん)が掲げたテーマが「朝ドラのような作品」。
詳しくはこちらのJACROWブログにのぶさんご本人が書かれているので、ご覧ください。

僕なりの演技の解釈は「舞台上で起きていることの中で、どれが今一番重要なことか、をシンプルに見せる。余計なノイズは入れない」ということでした。


つい舞台上でいろいろやりたがってしまう我々俳優にとって(そうじゃない俳優さんにはすみません)、いちばん物語にとって大事なやりとりを他のキャラクターたちがシンプルに見てるとか、そこを際立たせるためにじっと動かないでいるとか。
それによって物語がグッとお客さんに伝わりやすくなって、舞台上全体も空気に統一感が出て。そういうのが新鮮でした。




ひとつお詫びがあります。

6月8日(火)20:00の回で、僕はタイトルに関連する大事な台詞を間違えてしまいました。

正しくは、
・梅雨の前後の大雨のうち、恵みをもたらすのは「白南風(しらはえ)」、被害をもたらすのが「黒南風(くろはえ)」です。

当該回をご覧になって混乱された方、本当に本当に申し訳ありませんでした。




言い訳じみたことを書いてしまいますが、僕は今回の11ステージの中でミスをしたのは、この一回のみです。

緊張感のある作品だからこそ、準備にもいつも以上に気をつけて、毎回舞台に上がっていました。
それでも、たった一回、本当に意識が1mmだけ薄れた瞬間の2文字のミスで、作品の価値を揺るがしてしまう。


本当に怖いと思いました。




今後の活動でお返ししていくしかできません。




いろいろと個人的なことを書きましたが、今回は脚本と演出の強い地盤の上に、本当に皆が一瞬一瞬に集中し続けていたからこそ、出来上がった作品だと感じています。

このような刺激的な作品に関わることができて、本当によかった。
ありがとうございました。




次は7月末の時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』です。
稽古にも合流しまして、ガツンと右往左往しております。
この日の稽古のもようは、客演の五十嵐優さんが時間堂ブログに書いてくれています。


合流初日から音楽スタッフ後藤さんの生演奏に合わせての芝居や転換稽古・はてはダンスの振り移しをしてもらっての練習など、自分がどこで何をしているのか不思議な気持ちになりました。


これも1週間くらいで慣れるでしょう。
気を引き締めて、いいもん作っていこうと思います。



最後の一言。
「気がつけば、ケータイの画面が割れていることにすっかり慣れてしまった」
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