私は、ALSに罹患して中途障害者になりました。
左手の麻痺から始まり、やがて車椅子でなければ移動できなくなりました。
そして間もなく構音障害が始まりました。
ALSの進行や初期の症状などはバラバラあり構音障害がない方もいらっしゃいます。
ただ最終的には呼吸筋麻痺により、そこで命を絶つか、気管切開手術を行い延命するかの2択となる事は共通しています。
そして後者を選択した場合は、「声を失う」ことになります。
四肢が動かせない事も辛いですが、声を出せないストレスは計り知れないものです。
コミュニケーション障害が始まるまでは、障害とは言えないとおっしゃられる方もいました。
それだけコミュニケーション障害は辛く厳しいものとなります。
前段が長くなりましたが、私が言語聴覚士に望む事を3つ挙げます。
1.常に最新のICTコミュニケ-ションツールの情報収集に励んでください。
あまりにも知らなさすぎる方が多いです。テクノロジーの進歩は凄まじいです。
まず、ALSの初期の患者には「声を残す」事を薦めていただきたいです。
今は無料で手軽に『コエステーション』というアプリで声を残す事により音声合成で自分の声が再現できます。
視線入力ソフトと互換性があり、比較的機能が残りやすい眼球運動でパソコンが扱え、声を失うという恐怖感から少し解放されます。費用も普通に購入すれば数十万円掛かりますが、助成により1割負担かラ無料になるケースもあります。
これらの情報や正しい知識がなければ、何も知らないまま患者は時を過ごす事になります。
日進月歩変わりゆくテクノロジーの情報を掴み、患者に最適な情報を与えられる人になってください。
2.臨床の現場では患者から学ぼうという気持ちで取り組んでください。
学校で学ぶ机上論と、現場はやはり違います。
例えば、声を失った患者とのコミュニケーションで「透明文字盤」を伝えるケースがあるとします。
いざ患者とやろうと思うと早々スムーズにはいかないと思います。
そんな時は慣れている患者にリードしてもらい鍛えてもらってください。きっとうまくいくと思います。
現場で柔軟な姿勢で、学ぼうという姿勢を常に持つ人になってください。
3.執念深く、諦めない人になってください。
ALS患者の多くの人は、「閉じ込め」状態になり何も発信できなくなることに恐怖感を持っています。
その為に延命を拒否するケースもあります。
患者は随意的に動く部分を見つけてもらえなければ、そこで閉じ込め状態の烙印を押されてしまえば、例え僅かに随意的に動かせる部位があっても見向きもされなくなります。
決して諦めなければ、「閉じ込め」という言葉は無くなります。
決めつけずに諦めない人になってください。
以上、3点コミュニケーションに特化してしまいましたが、宜しくお願いします。
最後に人生の先輩としてのアドバイスとしては「素直な気持ちで直向きに取り組む事」が大切です。
誰かは必ず見ています。 逆のケースも然りです。
国試頑張ってください!
以上