◆ 3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」 ◆
☆★☆――――― 2011年3月18日(金) 特別版 ―――――☆★☆
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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:特別版
「東日本大震災~真の震災復興とは何か?」
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まず、この震災にて被害にあわれた皆様、心よりお見舞い申し上
げます。
かく言う私自身も千葉県浦安市、新浦安氏周辺に住んでおりまし
て水道そしてガスのライフラインを絶たれ、避難する形にて日々を
過ごしております。
この状況下において、痛感したことは、まず携帯電話などの連絡
手段が寸断されたこと。
それに対照的に、電話できない分、携帯からのWebアクセスは多少
融通が聞いたなかでTwitterなどからの情報が本当にタイムリーで有
難かったということです。
Twitterの新しいアカウントを開き、社員全員の安否確認のために
使用した企業、早々に震災後の就業、そして経済活動はもとより、
支援活動に関しても方針を発表した企業などなどさまざまな形での
通信インフラを変貌を感じた次第でした。
そのなかで、皆さんもご存知かと思われますが、Twitterにおいて
http://prayforjapan.jp/tweet.html
というサイトが立ち上がり一気にそのムーブメントは拡散していき
ました。
私も被災地にいる元同僚や取引先のことを考えて出来るだけこの情報
を人づてに伝えていきました。
不安感などを招くそれではなく、いわゆる良いチェーンメールです。
そして送る先に送る先からそれに賛同して下さる皆さんが更にそれを
拡散してくれました。
そのようななかで・・・
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「ノスタルジーに浸っている場合ではない。」
「貴方が更に一週間ボランティアするより、貴方が仕事に戻り、ビジ
ネスで稼ぎ、沢山の税金を納める方が価値がある。」
私の震災は、この言葉で大きく変わった。
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というコラムを送り返したくれた人がいました。
私の仕事におけるそして人生における師である人からものでありまし
た。
是非、このタイミングおいて皆様にお伝えできればと思っております。
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「ノスタルジーに浸っている場合ではない。」
「貴方が更に一週間ボランティアするより、貴方が仕事に戻り、ビジ
ネスで稼ぎ、沢山の税金を納める方が価値がある。」
私の震災は、この言葉で大きく変わった。
それは、身体を張ってボランティアをすることだけが、震災復興では
ないと気付いた瞬間であった。
今、東北関東大震災のニュースで毎日いっぱいである。
そういう環境の中にいると多くの方が、いても立ってもいられずに、
ボランティアや募金、支援物資の送付へと動きたくなる。
しかし、私自身、阪神大震災を身近に接し、自らを自らがボランティア
になるのではなく、復興に貢献するぞ!と決意した者からすると全く
違う動きを皆さんに提案したくなる。
(それは、この一瞬の復興支援ではなく、3年5年10年と継続的に、
今の気持ちを思い続けるという復興支援と言う意味合いであること
ご理解頂きたい。)
私は、「貴方が更に一週間ボランティアするより、貴方が仕事に戻り、
ビジネスで稼ぎ、沢山の税金を納める方が価値がある。」という言葉
を浴び、がむしゃらに仕事をした。
会社でもナンバー1の業績をあげ、税金で復興を支援しようと決めた。
実際、自分が丸々一年ボランティアしたところで、その価値は「ボラ
ンティア1名分」の力でしかない。
しかし、例えば税金500万円納めるような個人になれば、その税金
でいったい何人のボランティアの力をお借りすることが出来るのだろ
うと考えるとその差は歴然である。
事実、震災から数年後に私は芦屋市の高額納税者掲示板に掲示される
までの税金を納めることに成功した。
(当時は個人情報保護法制定前なので、一定の税金を納めると掲示板
に掲示されてしまった)
被災地兵庫県、被災地芦屋市への私の復興貢献のひとつの節目であっ
た。
さて、今回はそのようなことを申し上げたいのではない。
実は震災復興には、表面の復興と裏側の(真の)復興とがあるという
ことを、お伝えしたいのである。
神戸の震災の際も、表面の復興は、結構スムースに進んだ。
1995年1月の震災から、2~3年も経つと表通りの再建が進み、
きれいな町並みが戻ってきた。倒壊した家々も、新築で新しい家を建
て始めた。
5年も経つと、ほとんど復興が出来たような印象を与えたものであっ
た。
しかし、実際は違った。
行政の資金で復興できる部分は復興できた。
裕福な個人資産で復興できる部分は復興できた、に過ぎなかった。
念願のマイホームが被災をしてしまった家庭。ご高齢者のみの家庭。
ご事情のある家庭の家々の復興は遅々として進まず、表向きの復興
が終わったとされる、15年以上経った今でも、その復興が終わっ
ていない地域がいくらでもあるのである。
今回の震災は、神戸の非ではない。
つまり、その復興にかかる期間も2倍3倍5倍かかる可能性がある。
いや、必ずかかる。
多くの人々の記憶から消え去った後でも、復興のために歯を食いし
ばる方々がいらっしゃるのである。
今、この瞬間、Pray for Japan等で話題になることも大変価値ある
ことであるが、是非お願いしたいのは、この復興は20年続くとい
うことを忘れないということである。
他人への思いやり、ご苦労をされている方への思いやり、その重要
性を耳にするが、日常の思いやりには、ついつい無関心になりがち
な私たちであるが、実は、それも、ロングタームで見直すと、大変
注目をした被災の延長が長期化していることの連続なのかもしれな
い。
今の気持ちを是非書きとめて、3年後も5年後も思い出してほしい。
10年後も20年後も思い出して欲しい。そして行動して欲しい。
むしろ、時間が経った後に行動をして欲しい。
なぜなら、そこにこそみんなが本当に必要な、みんなの助けを本当
に待っている方々がいらっしゃるからである。
今、仕事で提携しているグローバル教育の第一人者の「渥美育子」
氏がこのようなことをおっしゃっている。
「グローバル時代に必要な教育とは、私たちが作っているたくさん
の壁を取っ払い、地球上に住む68億の多様な人々と何千万の生命
多様体を“地球家族”とみなして抱擁できる教育です。
壁を取っ払うとこれまで“国”単位で進めてきたため山積してしまっ
ている問題の本質やそのソリューションが良く見えるようになり、
よりよい社会の構築に向かって走り出したい衝動にかられます。
グローバル教育とは人間や地球にとっての問題を次々に解決し、
オリジナルなアイデイアで日本のためだけではなく“地球家族”
全体のために貢献できるような、総合能力を持つ人材を育てる教育
です。
自己の選択ではなく恵まれない環境に生まれてきた人たちへの強い
思いやりに裏打ちされ、新しいフェアな地球規模のルールづくりに
参画するといった、途方もなく大きな発想と実行力を持つ人材を育
てる教育にほかなりません。」
自己の選択ではなく恵まれない環境に生まれてきた人たちへの強い
思いやり改めて私たちの、心の持ちようについて、考え直す、震災
復興である。
一瞬の支援は誰にでも出来る。
継続的な支援、継続的な思いやりの気持ちを持つことの重要性を、
今こそ感じるべきではないだろうか。
私は変わります。
頑張ろうぜ、ニッポン!
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私から敬意を表して、
「いつまでたっても私の上司です。本当に本質をいつも指し示して
頂けることの感謝とともに意識と行動を変えていきます。」
とメッセージを入れました。