元セミナー講師 坂井義尚の           「3分で学ぶ『シンプル・マネジメント』」 -3ページ目

元セミナー講師 坂井義尚の           「3分で学ぶ『シンプル・マネジメント』」

経営コンサルタントとして、20年にわたって、お手伝いして参りました。その結論は、「経営をいかにシンプルに捕らえるか?」シンプルに捕らえてこそ、初めて実践につながる・・・3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」をお届け致します。

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    ◆ 3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」 ◆

☆★☆――――― 2011年3月18日(金) 特別版 ―――――☆★☆

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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:特別版

   「東日本大震災~真の震災復興とは何か?」

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 まず、この震災にて被害にあわれた皆様、心よりお見舞い申し上
げます。
 かく言う私自身も千葉県浦安市、新浦安氏周辺に住んでおりまし
て水道そしてガスのライフラインを絶たれ、避難する形にて日々を
過ごしております。

 この状況下において、痛感したことは、まず携帯電話などの連絡
手段が寸断されたこと。
 それに対照的に、電話できない分、携帯からのWebアクセスは多少
融通が聞いたなかでTwitterなどからの情報が本当にタイムリーで有
難かったということです。
 
 Twitterの新しいアカウントを開き、社員全員の安否確認のために
使用した企業、早々に震災後の就業、そして経済活動はもとより、
支援活動に関しても方針を発表した企業などなどさまざまな形での
通信インフラを変貌を感じた次第でした。

 そのなかで、皆さんもご存知かと思われますが、Twitterにおいて

http://prayforjapan.jp/tweet.html

というサイトが立ち上がり一気にそのムーブメントは拡散していき
ました。
私も被災地にいる元同僚や取引先のことを考えて出来るだけこの情報
を人づてに伝えていきました。
不安感などを招くそれではなく、いわゆる良いチェーンメールです。

そして送る先に送る先からそれに賛同して下さる皆さんが更にそれを
拡散してくれました。

そのようななかで・・・

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「ノスタルジーに浸っている場合ではない。」

「貴方が更に一週間ボランティアするより、貴方が仕事に戻り、ビジ
ネスで稼ぎ、沢山の税金を納める方が価値がある。」

私の震災は、この言葉で大きく変わった。

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というコラムを送り返したくれた人がいました。
私の仕事におけるそして人生における師である人からものでありまし
た。

是非、このタイミングおいて皆様にお伝えできればと思っております。

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「ノスタルジーに浸っている場合ではない。」

「貴方が更に一週間ボランティアするより、貴方が仕事に戻り、ビジ
ネスで稼ぎ、沢山の税金を納める方が価値がある。」

私の震災は、この言葉で大きく変わった。

それは、身体を張ってボランティアをすることだけが、震災復興では
ないと気付いた瞬間であった。

今、東北関東大震災のニュースで毎日いっぱいである。
そういう環境の中にいると多くの方が、いても立ってもいられずに、
ボランティアや募金、支援物資の送付へと動きたくなる。

しかし、私自身、阪神大震災を身近に接し、自らを自らがボランティア
になるのではなく、復興に貢献するぞ!と決意した者からすると全く
違う動きを皆さんに提案したくなる。

(それは、この一瞬の復興支援ではなく、3年5年10年と継続的に、
 今の気持ちを思い続けるという復興支援と言う意味合いであること
 ご理解頂きたい。)

私は、「貴方が更に一週間ボランティアするより、貴方が仕事に戻り、
ビジネスで稼ぎ、沢山の税金を納める方が価値がある。」という言葉
を浴び、がむしゃらに仕事をした。
会社でもナンバー1の業績をあげ、税金で復興を支援しようと決めた。

実際、自分が丸々一年ボランティアしたところで、その価値は「ボラ
ンティア1名分」の力でしかない。
しかし、例えば税金500万円納めるような個人になれば、その税金
でいったい何人のボランティアの力をお借りすることが出来るのだろ
うと考えるとその差は歴然である。

事実、震災から数年後に私は芦屋市の高額納税者掲示板に掲示される
までの税金を納めることに成功した。
(当時は個人情報保護法制定前なので、一定の税金を納めると掲示板
 に掲示されてしまった)
被災地兵庫県、被災地芦屋市への私の復興貢献のひとつの節目であっ
た。

さて、今回はそのようなことを申し上げたいのではない。

実は震災復興には、表面の復興と裏側の(真の)復興とがあるという
ことを、お伝えしたいのである。

神戸の震災の際も、表面の復興は、結構スムースに進んだ。

1995年1月の震災から、2~3年も経つと表通りの再建が進み、
きれいな町並みが戻ってきた。倒壊した家々も、新築で新しい家を建
て始めた。
5年も経つと、ほとんど復興が出来たような印象を与えたものであっ
た。

しかし、実際は違った。

行政の資金で復興できる部分は復興できた。
裕福な個人資産で復興できる部分は復興できた、に過ぎなかった。

念願のマイホームが被災をしてしまった家庭。ご高齢者のみの家庭。
ご事情のある家庭の家々の復興は遅々として進まず、表向きの復興
が終わったとされる、15年以上経った今でも、その復興が終わっ
ていない地域がいくらでもあるのである。

今回の震災は、神戸の非ではない。

つまり、その復興にかかる期間も2倍3倍5倍かかる可能性がある。
いや、必ずかかる。

多くの人々の記憶から消え去った後でも、復興のために歯を食いし
ばる方々がいらっしゃるのである。

今、この瞬間、Pray for Japan等で話題になることも大変価値ある
ことであるが、是非お願いしたいのは、この復興は20年続くとい
うことを忘れないということである。

他人への思いやり、ご苦労をされている方への思いやり、その重要
性を耳にするが、日常の思いやりには、ついつい無関心になりがち
な私たちであるが、実は、それも、ロングタームで見直すと、大変
注目をした被災の延長が長期化していることの連続なのかもしれな
い。

今の気持ちを是非書きとめて、3年後も5年後も思い出してほしい。
10年後も20年後も思い出して欲しい。そして行動して欲しい。
むしろ、時間が経った後に行動をして欲しい。

なぜなら、そこにこそみんなが本当に必要な、みんなの助けを本当
に待っている方々がいらっしゃるからである。

今、仕事で提携しているグローバル教育の第一人者の「渥美育子」
氏がこのようなことをおっしゃっている。

「グローバル時代に必要な教育とは、私たちが作っているたくさん
の壁を取っ払い、地球上に住む68億の多様な人々と何千万の生命
多様体を“地球家族”とみなして抱擁できる教育です。
壁を取っ払うとこれまで“国”単位で進めてきたため山積してしまっ
ている問題の本質やそのソリューションが良く見えるようになり、
よりよい社会の構築に向かって走り出したい衝動にかられます。
 グローバル教育とは人間や地球にとっての問題を次々に解決し、
オリジナルなアイデイアで日本のためだけではなく“地球家族”
全体のために貢献できるような、総合能力を持つ人材を育てる教育
です。
自己の選択ではなく恵まれない環境に生まれてきた人たちへの強い
思いやりに裏打ちされ、新しいフェアな地球規模のルールづくりに
参画するといった、途方もなく大きな発想と実行力を持つ人材を育
てる教育にほかなりません。」

自己の選択ではなく恵まれない環境に生まれてきた人たちへの強い
思いやり改めて私たちの、心の持ちようについて、考え直す、震災
復興である。

一瞬の支援は誰にでも出来る。
継続的な支援、継続的な思いやりの気持ちを持つことの重要性を、
今こそ感じるべきではないだろうか。

私は変わります。

頑張ろうぜ、ニッポン!

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私から敬意を表して、

「いつまでたっても私の上司です。本当に本質をいつも指し示して
頂けることの感謝とともに意識と行動を変えていきます。」

とメッセージを入れました。
 
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   セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:

   「事業継承~現社長との接し方について」

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 皆さん、いかがお過ごしですか?セミナー講師の坂井です。
3月に入りました。
そして、日本で一番早い開花の「河津桜」ももう満開の盛りを越え
一気に春に向けての準備を始めた今日この頃、皆さんいかがお過ご
しでしょうか?

今週のWeb相談は、「事業継承~現社長との接し方について」の
内容です。
現社長がお父様でいらっしゃる息子さんからのご相談です。

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「事業継承~現社長との接し方について」(広島県:運送業)

「(前略)昨年ご相談させて頂いてからイヤでも顔を合わせると
  いうアドバイスのとおり私なりにやってきたつもりですが、
  状況は一向に良くなっておりません。
  コミュニケーションを取る気がないわけではないのですが、
  とれないのです。
  帰り際に「こうした」という話をしたら、「聞いたときに
  何ですぐに言わないのか」という文句が出ますし、こっちは
  コミュニケーションを取るためになんでもない話をしたら、
  「それがどうした」、で話は終わりです。
  社長(父)の一番タチの悪いのは、暇になると重箱の隅を
  つつくようなことを言ってきます。
  結局それが原因でケンカになることが多いのですが、
  事務員いわく「どこの社長もそんなもんよ」と言いますが、
  これがとても会社にプラスになっているとは思えません。

  それはさておき、社長は今年70歳で持病もあり、これまで
  いろんな意味で仕事で無理をしてきているので、本人がギブ
  アップするか本人の体がギブアップするかわかりませんが、
  いずれはその時期がやってくるでしょうから、
  私としても今こうしてある程度の時間があるときに
  その準備をしておければと思っています。

  そこでまず何から始めるのか?
  私のない頭で考えてみましたが、大企業の社長のように企業
  理念だの帝王学を勉強している場合ではないと思うので、
  とりあえず日次月次の決まった業務について書き出してみる
  ことから始めようかと思っています。
 
  私は父とは良い意味でも悪い意味でも性格も人間性も違います。
  違うというか正反対だというほうが近いかもしれません。
  それゆえ、私は父と同じやりかたで商売をしても自分にスト
  レスがかかるだけで、決して良い方向に行くと思っていません。
  だから日頃から私と社長でやりかたや考え方が違いますから、
  トラブルになるんだろうと思うんです。
  父のやり方が、私と100%違うのかと言われれば
  そうは思いません。
  父には何十年も積み重ねてきた経験があるのですから、
  見習うところがあることも事実です。

  先日ある人から「あなたは社長と違うやりかたをしているよう
  だけど、それならあなたが社長になってもそのやりかたを続け
  ないと、周囲は評価してくれない」という趣旨のことを言われ
  ました。
  私自身はそれはそれで大いに結構だと思っています。

  そこでお伺いしたいのですが、現状の私の状態での交代の準備
  は何をしたらよいでしょうか。
  またその中の何から始めたらよいでしょうか。
  
  そのあたり御指導頂ければ幸甚に存じます。
  よろしくお願いします。」

--------------------------------------------------------

(坂井からの返信)
「なかなか難しい状況ですね。
 とはいえ、事業継承においては、2つのポイントを是非ご理解
 頂きたい。

 1)ひとつはそのタイミングです。
 現在、お父様はおいくつでいらっしゃいますか?
 事業継承を考える際に現経営者が気にすることがその区切りです。
 つまり、自分自身の年の区切り70歳とか75歳というように
 区切りのいいときでないと踏ん切りがつかないということです。

 後継する側が仮に45歳で区切りがよくても、
 現経営者が72歳となるとなかなか難しいという感じです。

 今の状況はいかがなものでしょうか?

 2)次に「想い」です。
 現社長の「想い」を受け継ぐべきです。親父だから、息子だから、
 分かるだろう、そんなこと言わなくてもいいだろうと思っている
 ことから、なかなかコミュニケーションが取れていないものです。

 是非、社長をバトンタッチする時に受け継ぐべき想いをお父様に
 聞いてみて下さい。

 お父様が大事にしていて、
 「こういうことを受け継いで欲しいんだ」という想い
 があるはずです。

 私達が受け継ぐべきなのは基盤ではなく、
 社長が次の代に残したいという想いです。

 一度あるセミナーで、「現社長の想いを聞いて来る」という課題
 を出したことがあります。そうすると、15社中10社が、
 「お前の代になろうと、会社のだれもが、家族をうちの会社に
 入りたい。とそう思えるような会社にしてくれ。」
 というものだったのです。

 難しい言葉は必要ありません。その想いさえ守れば、
 何をやってたって目をつむるし、アドバイスをくれるものです。

 現経営者は言いたいけど、その想いを伝える術が無いのです。
 我々から聞かなければならないのです。
 病気で倒れてからでは遅いのです。
 何があるかわかりませんから、早ければ早いほど良いです。
 
 そして何より重要なことが、
 社長とはうまくコミュニケーションできないという意識
 を取っ払ってください。
 きっとその思いが表情やしぐさに出ているのではないかと推察
 します。
 ですので、社長のほうもそのような感じで受けてしまう…。

 簡単なようですが、一番この辺の接する姿勢が
 コミュニケーションを決すると思います。

 是非、負けずにトライしてみてください。」

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このように、親族間における事業継承では往々にして起こりやすい
コミュニケーションギャップの問題。
言わなくてもいいだろうではなく、聞かなくてはわからない
というスタンスで望んで頂きたいと思います。

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☆★☆――― 2011年2月26日(土) vol.115 lp―――――☆★☆

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  セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

   「戦略立案の6つの視点 2)傾向と推移
          ~その2~顧客が決める商品価値~」



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「戦略立案の6つの視点」にて

1)商品・市場マトリクス
2)傾向と推移
3)ターゲットと消費特性
4)最悪のシナリオ
5)ブルー・オーシャン戦略、レッド・オーシャン戦略
6)SWOT分析 

前回の「2)傾向と推移 ~その1~数字が示す顧客の声」という
テーマにて、「キットカット」の販売攻勢について、チョコレート
という商品価値ではなく、「縁起を担ぐ」という価値を見出した
お話を致しました。

そのポイントは、売上の「傾向と推移」のターニングポイントに
対して、

「なぜ?」

と思うところということでしたが、皆さんの会社の推移・傾向を
ご覧になられましたでしょうか?


さて上記の成功のその裏にはなにがあったのか?

前回のお話の通り、各販売店の売上の「傾向と推移」とにらめっこ
し、そのなかにおける

「異常値」

つまり、折れ線グラフを見ているなかでの凸凹に対して、
「なぜ」そのような状況になっているかを分析、
また他のエリアでもそのような事象が起きているかの比較をしながら、
良い点はその内容を標準化して全国各店に広め、
悪い点は早急に改善策を講じる、
いわゆるスーパーバイザー機能を担っている状況でした。

そんな中、あることが表面化してきました。
それは、売上の傾向がいわゆる西高東低の状況がここ数年、
顕著に現れていることでした。
そして、西日本のなかでさらに掘り下げていくと、西に行けば行く
ほど高く、とどのつまりは鹿児島県が非常に好調であるということ
でした。

そのような状況のなか、こういうときにこそチャンスは訪れるもの
で、鹿児島のバイヤーさんから1本の電話が入ります。
内容は発注に関するものですぐに解決するものでしたから、
普通であれば用件が片付き、受話器をおきます。
しかし、頭のなかには鹿児島の売上が異常に高いということが
インプットされているので、好調である旨を問いかけます。

やはり、バレンタインのある2月は高く、なんらかの効果的な
キャンペーンを実施しているかの確認をすると、
先方から意外な返答がかえってきました。

「バレンタインは別に売れてませんよ。特に何するわけでもなく…」

「!?」

「あぁ、強いてあげるとすれば受験シーズンだからですかね。」

「受験シーズン!?」

「いやぁ、縁起を担いでこっちの子供たちは買うんですよ。」

「縁起担ぎ!?」

「えぇ、受験ですから勝ちたいでしょ。
 カツ丼食べたり、カツカレー食べたりするじゃないですか。
 ですから、勝ちたい。きっと勝ちたい。
 きっと勝つ!鹿児島の方言で言うと、

 『きっとかつど』

って言うので、これ食べると受験してきっと受かると
縁起担ぎしてるってことじゃないですかね。」

私の時代であれば、それはそれだけでその地域にとどまって
終わっていたかもしれません。
しかし、世の中は予備校もサテライトやオンライン授業、
ネットや携帯の世の中となり、受験生同士のメールの交換や
良い意味でのチェーンメールなどでじわじわと九州、西日本
そして、東へ口コミで伝わっていったというのがその顛末です。

そして、そこから前回もお話しました徹底的なターゲットを受験生
に絞り込んで、怒濤のマーケティング戦略が実施されました。

どんなに派手な販売促進策であったとしても、業績好調の企業に
しても、重要なポイントは、

「ターゲットが明確であること」

です。
ただ単にご利用頂けるお客様がターゲットではなくて、
その中でも、お客様が一番満足されていらっしゃるのか?

一番我が社がこれは絶対負けないという客層はどこにあるのか?

往々にして、企業は絶対に負けない商品は認識しています。
しかし、【戦略は商品と顧客のかけあわせ】です。
そのターゲットの方により満足して頂く商品を届ける。
商売の基本中の基本ですが、

「ターゲットが明確であること」

という視点、そして本当のお客様の声が見えている企業は
少ないのです。

顧客の声は、「傾向と推移」のなかに隠れています。
そして、そのターニングポイントが何を示しているのか?

「なぜ」

そのような事象が起こるのかを突き詰めなくてはなりません。
単月単月で追っていっても処理だけしていても真実は見えません。

「傾向と推移」そして「なぜ」

皆さんの心に留めて頂き、是非、実践に移して頂ければ幸いです。

次回、「戦略立案の6つの視点 3)ターゲットと消費特性 
~その1~ 消費の仕方のイメージ~」にをお届けします。

☆★☆―――――――― vol.115 lp End ――――――――☆★☆
☆★☆――――― 2011年2月4日(金) vol.115―――――☆★☆


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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:

   「自社の属する業界の市場規模の見方について」

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 皆さん、いかがお過ごしですか?セミナー講師の坂井です。
暦の上では立春を過ぎて、厳冬から春の兆しが見え始めようとして
いる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今週のWeb相談は、「市場規模の読み方」についての内容です。

これは、企業の目標設定におけるひとつの設定として、
どのくらいのシェアの獲得を設定するか、

「クープマンの目標値」というものがあります。

  独占的市場シェア→73.9%
  相対的市場シェア→41.7%
  市場的影響シェア→26.1%
  市場的並列シェア→19.3%
  市場的認知シェア→10.9%
  市場的存在シェア→ 6.8%

----------------------------------------------------------

「自社の属する業界の市場規模の見方について」
(神奈川県横浜市:建材特殊加工業)

「(前略)さて、講義の際に解説頂きましたクープマンの目標値に
 関してですが、私どもの取扱商品はまだ競合という競合もない、
 全く新しい業界でもあり、目標値のシェアという考えからいうと
 どのような計算で市場規模を計ればよいかがわかりません。
 前述の通り、新しい業界の市場規模を計ることの方法があれば、
 是非ともご教示頂きたいと思っております。」

----------------------------------------------------------

(坂井からの返信)

「では、市場規模の算出及びクープマンの目標値を含めて、
 活用法に関してご連絡申し上げます。

 前提としては、事業推進に伴って常に目標を意識して社内統一の
 意識を醸成するものと考えておりますので、社内においての
 納得感が重要です。厳密な計算式というよりもそちらを重視して
 頂きたいと思います。

 通常、「市場規模」とは、
  購買予測人口×販売予定単価=需要見込額
 で捉えるのが一般的です。
 「市場規模」の数字は、発表主体ごとに違います。
 市場規模を捉えるための変数の設定に違いがあるためです。
 変数とは、例えば、人口動態、販売単価、数量予測、季節変動
 などです。
 
 マーケットサイズを把握することは、セミナーでも触れた通り、
 過去を知って未来に対応するための戦略設定で必要になります。
 ですから、単純に過去を知ることだけではなく、
 環境変化・競争状態・技術革新などの要素を織り込んだ、
 未来の予測を踏まえて市場規模を捉える必要があります。
 このため、商品やサービスのライフサイクルがどこにあるかで
 計算の仕方が異なるものと思います。

 例として挙げると、
 ・導入期にあるもの (新規導入が見込める用途別需要予測+
            代替される既存設備の数量)×価格
 ・成長期にあるもの  前年の販売高×市場の成長率
 ・成熟期にあるもの  過去の年平均販売高
 ・衰退期にあるもの  前年の販売高×市場の縮小率

 ということが考えられます。
 「もの」が生産財なのか、消費財なのか、耐久財なのかなど
 用途・性質によっても捉え方が異なりますが、貴社の場合
 基本的には○○○となると耐久財でしょうか?

 これを特定のサービスや商品に関する自社の需要で考えることと、
 単一企業だけではなく同業他社も含めた需要で考えることの両方
 が重要で、他社と自社の差分は競合他社のシェアを示しますから、
 自社の競争力(価格や品質あるいは流通)を強化することに
 よって期待できる成長余力を意味します。
 
 以上を鑑みますと、現状を市場導入期(もっといいますと萌芽期)
 と考えますと、同様商品・類似商品を扱う競合企業の売上の総計
 をまず市場として捉え…市場が企業の売上の伸びによって形成
 されて行くという感覚です。
 その売上総計のなかでどのくらいのシェアをとって行くか?
 
 このあたりの数字に対してクープマンの目標値をひとつの指標と
 して行くことが良いかと思います。
 その後、市場が形成される3年から5年のなかで、
 着工数に対しての5%という目標にシフトして行く
 という流れではいかがでしょうか?

----------------------------------------------------------

このように、企業の目標設定おいて定性的…つまり状態目標の
設定もしくは売上目標などの設定は思った以上に容易に設定されま
すが、一つこのようなシェアという捉え方も検討頂くことも一考か
と思われます。

☆★☆――――――― vol.115 fp [end] ――――――――☆★☆
☆★☆―――― 2011年2月3日(木) vol.114 lp――――☆★☆

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〔2〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

   「戦略立案の6つの視点 2)傾向と推移 
        ~その1~ 数字が示す顧客の声」

―――――――――――――――――――――――――――――

「戦略立案の6つの視点」にて

1)商品・市場マトリクス
2)傾向と推移
3)ターゲットと消費特性
4)最悪のシナリオ
5)ブルー・オーシャン戦略、レッド・オーシャン戦略
6)SWOT分析 

前回、「1)商品・市場マトリクス~その2~2つのマトリクス」
というテーマをお話致しました。

今回より、2)「傾向と推移」についてお届けします。

例えば、何らかの商品の3~5年の月次推移の資料を
準備されましたでしょうか?
では、そこから「顧客の声」をいかに引き出すかと
いうことになります。

その答えは、推移と傾向においてグラフ化すると、
当たり前ですが、山があり、谷があります。

そのターニングポイントこそが「顧客の声」です。

???

という声が聞こえてきそうですが、皆さんも良くご存知な事例を
再度紹介させて頂きます。

今のチョコレート菓子のシェアにおいてはちょうど5年ほど前に、
「キットカット」がその首位の座を獲りました。

その背景には、チョコレートという商品価値ではなく、
「縁起を担ぐ」という価値を見出し、
そのターゲットを受験生に絞り、
フレーバーも数十年間変わらなかったところに、抹茶やストロベリー、
現在ではご当地フレーバーに加え、大人向けのビターまで様々な
バリエーションをもって、今でもそのシェアを不動のものとしています。

ここまでの話を聞いても、別にうちの会社は食品でもないし、
まぁ、そういうアイデアがポンポン出るようであれば苦労しないよと
皆さんは言われるかもしれません。

しかし、そのキッカケは、前述の推移と傾向のターニングポイントの
存在に気づいているかいないかですべてが変わってしまうのです。

では、どのような経緯だったのでしょう?

キットカットの商品部においては、月次の全国の販社のデータを
分析していました。月次のみならず販売数量が上向きになった店舗
また地域において、どのような事象が起きているかの情報収集を行い、
その内容を全国の販社へ伝播させていくという動きを継続的に…
この継続的というところが一番重要なのですが…見ていたわけです。

あるときに全国のデータと参照した際に、西日本の売上が
東日本の売上に比べて多いことに気づきました。そして、

「なぜ、西日本のほうの売上が高いのか?」

と思うのです…ここもポイントです。
なぜと思わなければ何も始まりません…
たまたまだろうという認識では見過ごすだけです。
そこから、西日本の売上の内容をより精査していくと、より西つまり
九州に行けば行くほど売上が高くなっていることに気づきます。

その環境下において、鹿児島のバイヤーから連絡が入ります。
前述の流れのなかから売上好調な点に関してヒアリングをします。

「2月の売上も特に上がっていますね。バレンタインの
 キャンペーンなど何かされていらっしゃるのでしょうか?」

しかし、よく見ると2月のみならず1月も、
そしてバレンタインを超えて3月も売上が上がっています。
すると、鹿児島のバイヤーはこう言います。

「いえ、バレンタインは別に売れませんよ。
 もっと高価な海外のブランドものにはかないませんよ。」

予想外の返答でした。

「では、なぜなのですか?」

「それは受験シーズンだからですよ。」

!!!

ご存知の方はご存知ですね。
しかし、まだまだ、ご存知ではない方もいらっしゃるようです。

では、なぜそこから販売攻勢に出れたのか?

今日のポイントは推移と傾向のターニングポイントに対して、
なぜと思うところです。
皆さんの推移傾向の資料もそのような点で見てみてください。

その際には、業界特有だからとか、これはいつものことだからと
いうような固定概念は取り去ってください。

まずはそこまでを見てください。
ただ話を読むだけではなく自社になぞらえて下さい。

次回、「戦略立案の6つの視点 2)傾向と推移~その2~顧客が
決める商品価値~」にてその全貌をお届けします。

☆★☆――――――― vol.114 lp [end] ――――――――☆★☆

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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:

   「組織風土診断結果の見方」


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 皆さん、いかがお過ごしですか?セミナー講師の坂井です。
年明けからは文字通り冬らしい日々が続いて、乾燥した空気に喉を
保護するためのマスクが欠かせない毎日、皆さんいかがお過ごしで
しょうか?


では、今週のWeb相談は、前回の「組織風土診断実施に際しての
質問」に対して、その結果の見方について解説致します。


一応、

<組織風土チェックリスト>
http://vl-fcbiz.jp/pdf/soshiki_Q.pdf

<【集計表】組織風土チェックリスト>
http://vl-fcbiz.jp/pdf/soshiki_C.pdf

は念のためアップしておきます。

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「組織風土診断結果の見方」のポイント


<【組織風土診断アンケート結果(サンプル①)>

http://firestorage.jp/download/98feb3d11e09a4a4c4766979c1e0a8949feb1309

まず、診断結果のチャート図おいて一番最初に見る視点は、


1)いかに正五角形に近いか?


そして、その五角形の大きさが意識の高さを表します。
逆に言うといびつになっているところに問題点があると言えます。

次に見るのが、基本的に一番意識の高い、つまり一番大きい五角形
が社長、次に幹部そして一番小さくなるのが社員という


2)五角形の順番になります。


社長、幹部そして社員の順に五角形が小さくなるパターンが標準的
な意識レベルです。
逆転している場合は、その逆転している階層のコミュニケーション
ギャップが存在します。
となると上記の傾向概要の3点が浮き彫りとなってきます。


3)さらに、各階層のギャップ


5つの要素において、各階層ごとに特にギャップの大きい点が最大
の改善を要するポイントとなります。

まず、その一番大きいギャップの要素を改善して、順次優先順位を
つけて改善します。

このような手順で改善点を見出していきます。


もし、皆さんのほうでアンケート収集及び集計されたものの分析の
ご意向がございましたらお気軽におっしゃって下さい。



☆★☆――――――― vol.114 fp [end] ――――――――☆★☆

☆★☆――― 2011年1月21日(金) vol.113 lp―――――☆★☆

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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:


   「戦略立案の6つの視点 1)商品・市場マトリクス
        ~その2~ 2つのマトリクス」


―――――――――――――――――――――――――――――

 皆さん、いかがお過ごしですか?セミナー講師の坂井です。

前回お話致しました通り、今回は内容を分けてコラムの内容をお届
けしたいと思います。


「戦略立案の6つの視点」


1)商品・市場マトリクス
2)傾向と推移
3)ターゲットと消費特性
4)最悪のシナリオ
5)ブルー・オーシャン戦略、レッド・オーシャン戦略
6)SWOT分析 


における「1)商品・市場マトリクス」において、企業戦略として
進むべき方向性に関して、皆さんの会社はどの方向に進むべきか?
を宿題としました。


皆さん、いかがでしたか?方向性は見出せましたか?


 営    |       |     
   新規 | 市場浸透 | 新規事業
 業    |       |
       |------------
 構    |       |         
   既存 |  本 業   |  多角化
 造    |_____ |______
          既存     新規
         

商品(技術・サービス)      
 
上記のように本業を伸ばしていくためには、企業は3つの方向性、


「市場浸透」
「多角化」
「新規事業」


この3つの方向のどの方向に戦略の舵取りをされますか?


様々な視点から方向性を決められた方もいらっしゃれば、全く見当
もつかない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、皆さんがどの方向を見定めて頂くべきかに際して、2つの
ものを準備して頂きたいと思います。


まずひとつは、

(1)商品(技術・サービス)別の売上データ・・・皆さんが提供
されていらっしゃる商品(技術・サービス)の月次でも結構です、
その商品別の売上を算出してみて下さい。


(2)取引(納入)先別売上データ・・・こちらは上記の商品別の売上
よりはもしかしたらデータとしてなかなか算出するのは困難かもし
れませんが、いわゆる提供されていらっしゃる商品(技術・サービ
ス)を誰に販売しているかのデータになります。


上記の(1)(2)を算出する際にどのくらいの分類にすればいい
かという質問をよく受けます。


だいたい、商品別も取引先別も5~10の商品別のカテゴリー、取
引先も同様に5から10の取引先、一般の消費者の場合にはター
ゲットに分類する感じで考えてみて下さい。


例えばある企業の例として、


商品  |  ① |  ② |  ③ |  ④  |  ⑤ | |
 \     |金属 |ギフト |ギフト |ギフト |下請 | 合計 |
顧客\   |トレー  |A群 |B群 |C群 | 製造 | |
---- |----------------------

百貨店 |  0 | 800 | 400 | 300 |   0 | 1500 |

---- |----------------------

ホームセンター |  0 | 100 |  75 |  50 | 100 | 325 |
---- |----------------------

結婚式場 | 50 | 200 | 200 |  75 |   0 | 525 |

---- |----------------------
通信販売 |   0 | 100 | 100 | 100 |   0 | 250 |
---- |----------------------

家電メーカー | 0 |   0 |   0 |   0 | 150 | 150 |
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

合 計 | 50 |1200| 725 | 525 | 250 |  2750 |

という表を参考に見てみましょう。


皆さんには見えますか?いちばん強いラインが?  


強いライン???


つまり、縦と横のラインの合計値の1番目そして2番目の値を見て
下さい。

横は百貨店の1500と結婚式場の525ですね。
その合計で2025。
縦はギフトグッズA群1200とB群725の合計で1925。

ワンツーの合計値では横のラインが強いですね。
ということは前述の強いラインは横ということになります。
       
そこで思い出して下さい。
上記の商品-市場マトリクスを作成する意味は下記の


 営    |       |     
   新規 | 市場浸透 | 新規事業
 業    |       |
       |--↑---/-----
 構    |       |         
   既存 | 本 業  →  多角化
 造    |_____ |______
既存      新規
         

商品(技術・サービス)      
 
における3つの方向性、つまり、


上は、「市場浸透」
右は、「多角化」
右上は「新規事業」


とどの方向に戦略の舵取りをするのがいちばん適切であるかを見極
めるためのものでした。


本業の中身が上記の商品-市場マトリクスですので、横のラインを
ずっと伸ばしていく方向性、つまり、「多角化」への戦略立案が企
業としてスムースな戦略の方向性であるということを示します。 

 

コンパスは「多角化」を示しているということになります。 


もちろん、それぞれの戦略のミックスになることも現実ありますが、
企業として成功確率を上げて、適切な舵取りをするには無理の無い、
得意な方向性に進んでいくことが重要となります。


このように商品-市場マトリクスを作成すれば、その指し示す方向
性は見えてきますが、何故、今までそれが見えなかったか?


それは、商品別売上はもしくは営業構造つまり顧客(取引先)別売
上はそれぞれ単体で管理されていらっしゃいますが、それを掛け合
わせて見ることをされていないからです。


戦略は申し上げました通り、営業構造と商品の掛け合わせであり、
それ以上でもそれ以下でもありません。


是非この表を参考に、皆さんも自社の商品別・取引先別のデータの
作成に挑戦してみて下さい。


実践あるのみです!


次回は「戦略立案の6つの視点 2)傾向と推移 ~ 数字が示す
顧客の声~」をお届けします。



☆★☆――――――― vol.113 lp [end] ――――――――☆★☆

☆★☆――― 2011年1月18日(火) vol.113 fp―――――☆★☆


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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:


   「組織風土診断実施に際しての質問」


〔2〕セミナー情報(1):変化はチャンス!
〔3〕セミナー情報(2):これから販路拡大を強化したい企業様に贈る
 

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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:
   
   「組織風土診断実施に際しての質問」


―――――――――――――――――――――――――――――

 皆さん、いかがお過ごしですか?セミナー講師の坂井です。

本来であれば、毎週金曜日つまり、21日に発行するところですが
従来のメルマがとは異なりブログであることから、そのボリューム
に読みづらいという有難いご指摘を頂きました。


今後は、試験的ではありますが、従来のWeb相談とコラムを2回
に分けてお届けしてみたいと思います。


さて、まず今回は前回のご相談にありました「ライフプラン」作成
に際して、多くの方よりそのフォーマット及び記入例をもらえない
かというお問い合わせを頂きましたので、PDF形式ではあります
が、下記リンク先よりお取り込み頂くよう致しましたので、是非ご
利用下さいませ。

尚、ダウンロードに関しては7日間となりますので、出来る限りお
お早めに。


<ライフプランシート>
http://firestorage.jp/download/a25e200b58f589c63596fff7e89be51d595b95aa

<【記入例】ライフプランシート>
http://firestorage.jp/download/614a7ed88b2f08a3ac18c9a819181468f87f1f4d


では、今週のWeb相談です。

----------------------------------------------------------


「組織風土診断実施に際しての質問」(広島県:食品加工業)


「(前略)先般配って頂いた『組織風土チェックリスト』に関して、
  その書き方がいまいち理解出来ていません。(しっかり聞いた
  つもりでしたが、まさにつもりだけでした。
  出来れば、その書き方について、二度手間となり大変恐縮です
  が、ご教示願えませんでしょうか?」
  
----------------------------------------------------------

折角ですので、お読み頂いている皆さんにもどのようなシートかを
共有します。


<組織風土チェックリスト>
http://firestorage.jp/download/dcd83a126e6125a358e3dac3303fbeb3274309e4

<【集計表】組織風土チェックリスト>
http://firestorage.jp/download/ccf4081db86e39415da894216b2c31174d25df4d


チェックの手順としては、

1)セルフチェックリストを人数分ご用意下さい
2)セルフチェックリストにご自身や社員それぞれ、評価点を項目
  毎にご記入下さい
3)それぞれの評価点を記した人数を、上記の【集計表】にご記入
  下さい
4)評価点毎に、記入した人数を集計し、合計をお出し下さい
5)4)で出した合計に評価点を掛け、その合計をお出し下さい
6)5)の合計から4)の合計を割って、要素全体の平均をお出し
  下さい
7)レーダーチャート図に各要素の平均点を記入し、貴社の特徴を
  ご確認下さい


また、チェックリストを使う際のポイントとしては、


・ポイント1 無記名であること。記名式にすると正直に書かない
       可能性大です。

・ポイント2 社長、幹部、社員の3つの階層に分けてアンケート
       収集して下さい。
       無記名なので、社長はお一人ですので、幹部や社員
       はふくすうとなります。ボックスなど用意して収集
       して頂くとスムースです。


また、注意点としてセルフチェックリストの設問のなかに、
「あなたは部下に・・・していますか?」
という質問がいくつかあります。

部下がいない社員さんに書いてもらう場合、受動態つまり受け身に
して答えて頂いて下さい。

例えば、「あなたは上司から・・・されていますか?」と読み替え
る感じです。


ご興味ございましたら、是非トライしてみて下さい。


次回はその結果のチャート図の見方について解説致します。


☆★☆――――――― vol.113 fp [end] ――――――――☆★☆


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〔2〕セミナー情報(1):変化はチャンス!

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 「見えざる国内市場、国内にあるグローバル市場に、中小企業の
  活路があるか?」

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 2011年からの3ヵ年の皆さんの戦略立案のヒントとして、
 経済雑誌やテレビで取り上げられない、中小企業向けの成長戦略
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〔3〕セミナー情報(2):これから販路拡大を強化したい企業様
             に贈る

 【名古屋】代理店・取次店を効率的に構築する新手法セミナー

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 全国国初開催、代理店・取次店を作って、効率的に自社商材・
 サービスの販売促進を行う新手法をご紹介させて頂きます。


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■知らなきゃ損! 助成金・支援情報
  http://vl-fcbiz.jp/article/ac086/

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■高級梅干しで注目メーカーの作法~独自商品は“ストーリー”
から生まれる
  http://vl-fcbiz.jp/article/ac087/a001013.html
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☆★☆――――― 2011年1月14日(金) vol.112―――――☆★☆

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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:

   「ライフプランの作成に際しての質問」

〔2〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

「戦略立案の6つの視点(1)商品・市場マトリクス」

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〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談&コラム:

   「ライフプランの作成に際しての質問」

―――――――――――――――――――――――――――――

 皆さん、いかがお過ごしですか?セミナー講師の坂井です。

本年も本格的なセミナー及び研修の開始となりました。
初回は広島の竹原からスタートです。2月に中旬から3月の繁忙期
に向けてスタートダッシュして参りたいと思います。

さて、今回の相談は年始に相応しいライフプランの作成に関しての
内容です。

----------------------------------------------------------

「ライフプランの作成に際しての質問」(千葉県:化学薬品加工業)


「(前略)さて、新年年明けを迎えるに当たって、以前に坂井先生
  からお話頂いた『ライフプラン』に関して、是非作成のトライ
  をしてみたいと考えております。
  作成の詳細について、お恥ずかしながら忘れてしまったことも
  あり、お手数ではございますが、プラン作成におけるポイント
  などご教示頂けますと幸いに存じます。
  ご多忙中かとは存じますが、宜しくお願い申し上げます。」


----------------------------------------------------------

前述にもございますように、年始らしいご質問ですね。
私も毎年の恒例として2011年版の改訂を致しました。

以下、作成のポイントを記します。

まずは「仕事」「個人」「家庭」という3つの視点で考えます。
私の場合は、35年後が75歳で、第二の人生の入り口となります
ので、まず、キャリアとしてのゴールが35年後として設定します。
ですので、この辺は皆さんのキャリアとしての区切りを今後何年後
に設定するかを計算してみて下さい。

私はその35年後に


●自分がどうなっているか?
●どんなあるべき姿になりたいのか?


を考えることから始まります。それがスタートです。
皆様、どうでしょう?


「そんなこと考えたって・・・」
「それって考えてどんな意味があるの?」


と思われましたでしょうか?

特にそう思われた方々こそ、是非この機会に騙されたと思って真剣
に考えてみて頂きたいと思います。
日々の忙しさに忙殺される毎日、ちょっと立ち止まって考えてみて
頂きたい。

自分の未来をご自身の人生を。
他人が見て、どれだけ荒唐無稽なことでも構いません。
他の人には迷惑かけるわけではないですから(笑)


■あなたは何を仕事で成し遂げていますか?
■どんな人になっていますか?
■そして、どんな家族に囲まれていますか?


まず、35年後となるわけですが、


「その時にどんな自分でありたいか」


というところから書き始めていきます。
つまり、紙で書くことを想定すると、一番右から書き始めるという
ことになります。
実際に書かれてみると、多分皆さん、違和感を感じることでしょう。
左から埋まっていくのではなく逆ですからね。

しかし、それでいいのです。
左から1年後、3年後、5年後と今からの延長線上で書いていては、
全く意味がありませんし、しかも書いたとしても、その内容は逆に
実現しないものになります。
言い換えると、例えば今の業績の1.2倍や1.5倍にする計画を
作ることと、今の現状の業績の2倍、3倍の計画を作ることの違い
に似ています。


さて、一体何が違うのでしょうか?
業績を1.2倍や1.5倍にしていくことを考えるのは左から埋めて
いくこと、つまり「積み上げ式」ということになります。
しかし、この計画はしばしば実現しません。
なぜかといえば、現在の延長線上にあるからです。
では、2倍、3倍の計画を作ると実現するのか?
もしかしたら現実には実現しないのかもしれません。
しかし、結果的に1.5倍以上の成果を得ることが出来る可能性が
高いとも言えます。

一体何が違うのでしょうか?
2倍、3倍の計画を実現するためには、


「今のままでは実現しない」


と分かるからです。
何か方法を変えないとその目標は実現できないと、皆さんが「危機
感」を感じるからです。

「危機感」といっても「どうしよう、会社がつぶれてしまう」とか
「身体が危険にさらされる」というようなものではありません。
「好ましい危機感」と言ったほうがいいかもし
れません。
「このままではいけない」「ではどうすればいいのか?」
という認識を持つことで、人は知恵を絞り始めます。
知恵を絞ることで物事は実現に向かい始めます。
大変大事な言葉です。


『実現に向かい始める』


のです。

しかし、現状の延長線上でいくと、
「ちょっと頑張ればいいか?」
「もう少しだけ頑張って動けばいいか?」
的な考え程度しか生まれてきません。
このため、実際には実現しないことが多いのです。

ですので、目標は大きく考えてもらってまったくかまいません。


今は業績で説明致しましたが、ご自身の「仕事」「個人」「家庭」


■あなたは何を仕事で成し遂げていますか?
■どんな人になっていますか?
■そして、どんな家族に囲まれていますか?」


あなたの夢は何ですか?
是非、このタイミングで考えてみてはいかがでしょうか?

ライフプランの内容でかなり書き込んでしまいました。


書いてみたいので、ライフプランシートのサンプルが欲しいなど
ございましたらお気軽にメッセージ頂ければ私のサンプル!?と
ともにお送り致します。



★☆★―――――――――――――――――――――――★☆★
〔2〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

   「戦略立案の6つの視点(1)商品・市場マトリクス」

―――――――――――――――――――――――――――――

Web相談の内容が盛りだくさんとなってしまいましたが、今回
より「戦略立案の6つの視点」というテーマをお送り致します。
まず、その6つは何かというと・・・


1)商品・市場マトリクス
2)傾向と推移
3)ターゲットと消費特性
4)最悪のシナリオ
5)ブルー・オーシャン戦略、レッド・オーシャン戦略
6)SWOT分析


となります。
この視点から、具体的な業績に向けての知恵を絞っていくための
土台として活用頂ければと存じます。

まず、第1回目は「商品・市場マトリクス」となります。


「戦略」とは、

「営業構造」と「商品(技術・サービス)」の2軸から成り立って
います。
「営業構造」とは言い換えれば、「市場」であり「顧客」つまり、
皆さんの保有する「商品(技術・サービス)」を提供する先です。

結局、企業が戦略を立てるためにはこの2つの軸で考えるしかあり
ません。

どんな企業でも、大企業や中小企業、もしくは規模も業種も地域も
どんな企業であったとしても、3軸目も4軸目も無く2軸しかあり
ません。

そして、企業経営の向かう方向性は、3つしかありません。これも
前述同様、どんな企業もです。

そして、その2軸は下記のように既存と新規に分けられます。
さらにそれぞれがぶつかる・・・既存の営業構造で既存の商品(技術・
サービス)の交わるところは本業・・・というように下記のように分類
されます。


 営    |       |     
   新規 | 市場浸透 | 新規事業
 業    |       |
       |------------
 構    |       |         
   既存 | 本 業   |  多角化
 造    |_____ |______

          既存      新規
          商品(技術・サービス)      
 
上記のように本業を伸ばしていくためには、企業は3つの方向性、

既存の商品(技術・サービス)を新しい営業構造(市場・顧客)に
拡げる「市場浸透」。既存の営業構造に新しいの商品をに拡げる
「多角化」そして、新しいの商品で新しい営業構造にチャレンジして
いく「新規事業」この3つの方向にしか成長できません。

前述の通り、どんな企業でもです。


さて、そこで皆さん考えてみて下さい。

皆さんの会社は今後、上記の3つのどの方向に戦略の舵取りをされま
すか?
何度も申しあげますが、どんな企業もどれか3つの方向の一つにしか
伸びることができません。

いかがでしょうか?


まずは、「戦略の立案」を考える上において、皆さんのお考えを聞か
せて下さい。


次回は「戦略立案の6つの視点(2)2つのマトリクス」をお届け致
します。


★☆★―――――――――vol.112 end―――――――――★☆★


☆★☆――――― 2011年1月8日(土) vol.111―――――☆★☆

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【3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」バックナンバー掲載中!】
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=-=[ コンテンツ ]-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談:

   「2011年 年初のご挨拶」

〔2〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

   「業務効率化に向けての『3S』について」

★☆★―――――――――――――――――――――――★☆★
〔1〕セミナー講師 坂井 義尚のWeb相談&コラム:

   「2011年 年初のご挨拶」

―――――――――――――――――――――――――――――

 皆さん、遅ればせながらではでございますが、明けましておめで
とうございます。

セミナー講師の坂井です。

本年も旧年中と変わらず、宜しくお願い申し上げます。

昨年の年末から本年の年初は暦の都合もあり、比較的短い年末年始
の休暇となったところが多いかと思いますが、皆さん、いかがお過
ごしでいらっしゃいますでしょうか?

もう既に本格的な仕事モード、3月末決算の企業にとってみれば最
後のラストスパートの第4四半期の始まりとなり、気合十分の方も
多くいらっしゃることでしょう。

さて、昨年度は通しにて、150回のセミナーを行うこととなりま
した。
3年前の250回に比べますと、前年度は180回そして150回
と回数に比例して、だいぶ景気が冷え込んできたものかと思ってお
りましたが、本年は既に4月5月までのセミナースケジュールが決
まってきております。

景気の状況を見るに様々な指標・・・例えば日銀短観から始まり、マニ
アックなところでは企業活動量に比例する電力量の消費・・・などの指
標がありますが、私自身のセミナーの講演数というのもそれに当た
るものかなとこのスケジュールの埋まり方を見るとそう思う今日こ
の頃です。

確実に全体としての底上げが始まろうとしている!

ということを感じながら、皆さんに十分に力を発揮頂ける手助けが
少しでもできればと思っております。

重ね重ね、本年も宜しくお願い申し上げます。


★☆★―――――――――――――――――――――――★☆★
〔2〕セミナー講師 坂井 義尚のコラム:

  「業務効率化に向けての『3S』について」

―――――――――――――――――――――――――――――

本年の1本目は読み切りにて業務効率化に向けての業務標準化の考
え方、可視化の重要性をまとめた形でお送り致します。

前年度の10月より、生産性向上の秘訣のテーマを7回にわたって
お届け致しましたが、その際に多くの具体的な手法に関するご質問
がございましたので、まとめてお伝えするということが今回の趣旨
とお捉え下さい。

そして事例としてわかりやすく、営業力強化の視点にて解説致しま
す。


まず、皆さんが実際に営業活動をする際の業務を断片的でもかまい
ませんので付箋に1つずつ書きだしてみて下さい。
書き出した「営業活動ですること」のキーワードを営業のスタート
から仕事の終わり、つまりエンドに向けて順番に模造紙に貼ってい
きます。
まずこれが、業務を標準化の第一歩です。
更に具体的には業務を可視化します。

標準化という面では特に生産性、製造業においては特に自動車産業
などが挙げられますが、製造業はどんどん生産性をあげています。
しかし、なかなか生産性が上がらないのが、接客、財務、総務、営
業など目に見えない仕事です。

決定的な違いは目で見えるか見えないかです。前述の通り、可視化
できるかできないかということです。
車や電子レンジは目で見えるから生産性が高めることがしやすい。
しかし、営業という仕事は目で見えません。
しかし、目で見えるようにすれば絶対に生産性が上がるのです。

可視化できる状況になれば、「3つのS」という最高の生産性を上
げられるノウハウを活用できます。

「3つのS」

1、標準化(standardization)・・・工程分解する
2、簡素化(shimplification)・・・シンプルな動作にする
3、特殊化(specialzation) ・・・その動作を繰り返す

これ以上の生産性向上のノウハウはこの世に存在しないのです。
これはアダム・スミスの「国富論」に載っています。

例えば、製造業であれば、
1、標準化・・・部品、設計図
2、簡素化・・・ロスが無いように形で部品を作る
3、特殊化・・・工場のライン
となります。

いかに短期間で精度の高い職人を育てるかという例であれば、まず、
針を作る工程を4つに分けます。
まず、棒を切る、先尖らす、頭を叩く、糸を通す穴を開ける。つまり
「尖らせる」「切る」「叩く」「穴を開ける」の工程に分けます。
Aくんは1週間は切り続けます。
その次の1週間は尖らせることを続けます。
この教育の仕方は短期間で精度が高く教育ができるのです。

よくあるのは、流れやフローを教えるやり方ですが、それでは習熟
度が上がりません。
例えば、私の経験にて飲食店のコックを素人から作り上げるための
教育マニュアルを作成した際に、流れで教えると各作業が難しくて
精度が上がらない、習熟しないのです。
繰り返しの方が習熟度が上がる。
例えば、ハンバーグを焼くとひと口で言っても、その工程のなかで
比較的難しいことがハンバーグのパテを空気を抜くためにたたくく
ことです。
流れで教えてしまうと、中途半端な習熟度となりますが、パテを1
日中たたかせると考えればその習熟度が上がることは容易に想像が
つくと思います。

また、飲食業の定着率は15%と言われており、すぐに時給の良い
方に移ってしまいます。
モチベーションがかからなかったら続かないのです。
しかし、店長も忙しい中で教える時間を取ることが出来ず、とにか
く注文を取らせる。
オーダー取りが店を回す上で、そして、お客様に呼ばれた際には何
より最優先で当たらなくてはならない仕事であり、どうしてもそこ
に人員が足りなくなります。
ですので、入ったばかりのアルバイトにすぐにこの仕事を無理にで
もさせてしまうのです。

そのアルバイトが、お客様に質問をされれば都度店長に相談するよ
うにというものの店長は他の仕事にはまってしまっていて、その相
手などできない・・・。
お客様に不快感を与えて達成感を感じることができぬまま、辞めて
しまうなんていうことは自分自身も店長経験があるかなでは日常茶
飯事でした。

しかし、教育の仕方次第で定着率が変わるのです。
例えば、接客という目に見えない業務を上記の可視化するという視
点で「いらっしゃいませ」の仕事の始まりから「ありがとうござい
ました」まで仕事の終わりまで、12のステップに分解しました。
これをどう教えたかと言うと、簡単なものから教え初めて、難しい
のを後回しにしました。

例えば、お客様がお帰りになられた際に器を片付ける仕事とお客様
がいらっしゃる時に器を下げる仕事、後者の方が難しいことはお分
かりになると思います。
それは、お客様と接する頻度が高いものの方が難しいので、お客様
と接する頻度が高いものほど後にしました。
オーダー取り11日目の仕事です。
1日目は、「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」を
徹底的に1日中します。
そうすると完璧な「いらっしゃいませ」ができるようになるのです。
そして、重要なことは、簡単なものから始めるとモチベーションが
上がるのです。
それは、人が自主性を持つ最大の理由は達成感を持つことだからで
す。
1つ1つ達成感を感じることのできるような仕事の階段を用意して
あげるのです。

まずはどんな仕事でも結構です。例えば営業活動でも接客でも何で
もいいですから業務を可視化してみましょう。

何のためにするかと言うと、上記の「3S」を適応して生産性を高
めるためです。

目に見える業務の生産性は絶対に高めることができるのです!

皆さん、実践あるのみです!

次回からは「戦略立案の6つの視点」をお送りして参りますのでご
期待下さい。


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