元セミナー講師 坂井義尚の           「3分で学ぶ『シンプル・マネジメント』」 -4ページ目

元セミナー講師 坂井義尚の           「3分で学ぶ『シンプル・マネジメント』」

経営コンサルタントとして、20年にわたって、お手伝いして参りました。その結論は、「経営をいかにシンプルに捕らえるか?」シンプルに捕らえてこそ、初めて実践につながる・・・3分で学ぶ「シンプル・マネジメント」をお届け致します。

☆★☆――――― 2010年12月24日(金) vol.110―――――☆★☆


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〔1〕専任講師 坂井 義尚のWeb相談:

   「組織風土と幹部育成に関しての質問」

〔2〕専任講師 坂井 義尚のコラム:

   「失敗しない事業継承のポイント(6)~事業継承で伝えるべきも

    の~」

〔3〕セミナー情報(1):不安蠢く2011年。不安からの脱却のヒントに

   つながる新春セミナー2011
   「見えざる国内市場、国内にあるグローバル市場に、中小企業の

    活路があるか?」

 ■ http://vl-fcbiz.jp/seminar/s000376.html

〔4〕セミナー情報(2):従業員の教育コストに頭を悩ませている方必

   見!

   【東京】中小企業のための助成金活用セミナー

 ■ http://vl-fcbiz.jp/seminar/s000363.html


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〔1〕専任講師 坂井 義尚のWeb相談&コラム:

   「組織風土と幹部育成に関しての質問」

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 皆さん、Merry Christmas!

セミナー講師の坂井です。

今年の当コラムも最終稿となりました。本年も有難うございました。

最終の年末の締め、そして来たる新年に向けての準備は万端でいらっ

しゃいますでしょうか?

今回の相談内容は、社内における組織活性化そして、人材育成に関

る内容です。

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「組織風土と幹部育成に関しての質問」(青森県:食品加工業)

「(前略)セミナーではありがとうございました。
 その後、税務調査を2日間、健康診断で1日、新採用の面接を2日間

などイロイロありました。
 その間、幹部は仕事と思っていない(?)仕事なのですが、どうも上

くいきません。
 …しなやかにすべての業務が進むための調整力不足の状態です。
 
 間違いなく幹部の調整力が無いのは社長の責任なのですが、これ

からなので楽しみにしてしっかり進みたいと思います。
 
 その後…ボス猿から幹部猿へ指導をしています。

「きょうはどうだった?」と聞けば、3日目にはだんだんとすらすら質問

や回答が出てくるようになりました。
 
 今は先日の3人だけでなく、13人全員を対象に個別に話をしていま

す。
 そもそも…「この人たちが幹部で良いのか?」という所までさかの

ぼって考えたいと思います。 
 やはりかなりなかなか上手くいかないと思いますががんばります。
 
 ところで…コンサルタントを1ヶ月単位で張り付いてもらうことを考えれ

ば、どれくらいの金額がかかるのでしょうか?
 
 新人から幹部、果ては社長の教育をしてくれる、人事担当(人材教育

選任)に適任者はいませんでしょうか?
 

 なにか良い方法がありましたら、教えていただけますか?
 宜しくお願いいたしします。」

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(坂井からの返信)
「幹部の選定に関しては、
 逆に上記にあるように13人全員を対象に個別に話をされている中

で、頭角を表すメンバーがもしかしたらでてくるかもしれません。
 是非、継続して語りかけてください。
 
 また、コンサルタントは、私は必要ないと思います。
 必要とすれば「教育担当」という位置づけではなく、社長ご自身がご

自身の性格を考えたとすれば、まったく逆の性格の方を“番頭”として

つけるイメージでしょうか?
 しかし、私はそれも必要ではないかもしれません。
 
 ひとつだけ、社長に変わっていただくことができれば、です。
 
 それは、先般面談させて頂いた際に感じたのですが、社長が話の

腰を折ってご自身のお話をされることです。
 特に女性社員相手となるとそれは致命的なコミュニケーションギャッ

プを生みます。
 
 ここは我慢です。聞きたいことを聞くのではなくて、相手の言いたい

ことをとことん聞く姿勢を持ってください。
 
 私はそれだけでも大きく変わると思います。
 その我慢がならないとなれば、それを聞いてくれる人を社長の脇に

おいておくことが必要というのが上記の

 「逆の性格の方を番頭としてつける」

ということとご認識ください。
 いかがでしょうか?」

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(上記の坂井からの返信に対する返信メール)
「私は間違いなく人のタイミングに割り込み自らの話をします。
 加齢と共に自分でも気づくほどですから、周りは迷惑だと思います。
 ボケが始まってきていて話を最後まで聞いているうちに、何を話す

か忘れてしまうので遮る…というのが分かりました。
 忘れないようにメモを取ったりして直していきます。
 
 13人の話を聞いているうちに、現場の若い人間もイロイロな事を考

えているのがわかりました。
 現場から会社に対する不満、社長に対する不満、意外だったのは

幹部社員に対する不満が非常に多く…。
 私と同じことを思っているのが複数いて、頼もしく思っています。

 最近はなぜ?×2回を話さなくても、展開が始まる人が何人か出て

きて話をしながらうれしく思います。

 しかしポイントは…幹部猿が無能なのではなく、育てることが出来な

いボス猿が一番無能だと心から思います。
 私とタイプの違う幹部社員をいつも探しています。それが番頭ならう

れしいですね。
 
 困った時ばかり頼って申し訳ないですが、その時はメールをしたいと

思います。

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このようなやり取りを生々しい形ですが、ほぼ原文で掲載しました。
多くの皆様方とのやり取りを本年もすることができました。
また、新年を迎えてもより多くの経営者の皆様の第一歩を踏んでいた

だけるように努力して参りたいと思います。


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〔2〕専任講師 坂井 義尚のコラム:

  「失敗しない事業継承のポイント(6)

                   ~事業継承で伝えるべきもの~」

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前回より「失敗しない事業継承のポイント(5)~事業継承のタイミング

~」において、その時期を明確にした上で早々に社内でオーソライズす

るという話を致しました。
更に具体的に形で補足したいと思います。


<継承すべきもの>
時代も変わり、70代でもお元気な方も居ます。
現社長に、「何年くらいで代替わりを考えているか?」を聞くと、「2~3

年から4~5年」という方がほとんどです。
「5、10年くらい」という方が3割という状況です。


皆さん、さらっとおっしゃられますが、5年と10年は倍も違います。
後継者側は長く感じるし、譲る側は短く感じる。

後継はタイミングを決めて下さい。
その際には現社長の年齢を尊重して下さい。


例えば自分が50歳になるなど年齢を基準にしたい所でしょうが、
そこは現経営者の方が70歳になるタイミングにするなど合わせて下さ

い。
それは後継を“受ける”側の仕事です。

現経営者の方はいつ継承するか決めて下さい。
意識しなければ対応できません。
きちんと現経営者とオーソライズしてください。
そして、社内に公表してください。

これが済めば半分は終わったようなものです。

言わないとなにも進みませんが、言うとそれに向けて進みます。
言いたくないですが、急に体を崩されるかもしれません。
元気なうちに決めておきましょう。


そしてこれから後継される皆様ご自身も今から継承について考えて下

さい。

後継者を考える時に、もし皆さんに息子や娘がいれば継いでもらうべき

だと私は考えています。
お父様は大学で勉強してやりたいことをやればいいとおっしゃっていた

と思います。
お父様は、優しいのです。皆さんに苦労をかけたくないんです。
ローンや借金を無くして渡したいと思っているわけです。

皆さんも同じく、やりたいことをやらせたいと思ってらっしゃると思うので

す。
でも、大体10代までにその才能の頭角を表さなければ才能は出てき

せん。
普通の人として仕事をするのであれば、皆さんの会社で仕事させるの

幸せです。

まずは皆さんがうまく事業継承してください。
是非ともそのタイミングを合わせて下さい。


<継承すべきもの>
そして、もうひとつのポイントが「継承すべきもの」です。
それは何か?

「想い」を受け継ぐべきです。
親父だから、息子だから、分かるだろうと思っていることから、コミュニ

ケーションが取れていないのが実際です。
社長をバトンタッチする時に受け継ぐべき想いを聞いて下さい。
大事にしていて、「こういうことは受け継いで欲しいんだ」という想いが

あるはずです。
私達が受け継ぐべきなのは基盤ではなく、社長が次の代に残したい

という「想い」です。


一度、あるセミナーで、
「現社長の想いを聞いて来る」という課題を出したことがあります。

そうすると、15社中10社が、
「お前の代になろうと、会社のだれもが、家族をうちの会社に入りたい。
とそう思えるような会社にしてくれ。」というものだったのです。


難しい言葉は必要ありません。
その想いさえ守れば、何をやってたって目をつむるし、アドバイスをくれ

るものです。

現経営者は言いたいけど、その想いを伝える術が無いのです。
我々から聞かなければならないのです。
病気で倒れてからでは遅いですし、何があるかわかりません。

早ければ早いほど良いです。
経営者になること意を決して腹を据えて頂きたい。


このタイミングと継承すべきものさえ明確になれば事業継承は必ず成

します。

是非、自信を持ってもって実践して頂きたいと思います。


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